2018年10月27日、マレーシア日本人学生会(JSAM)主催の第一回「就活フェア in マレーシア」が開催されました。そもそも“マレーシア日本人学生会(JSAM)”とはいったいどんな組織なのか、イベントはどのようなものだったのか、どんな想いで開催したのか。気になるその実態や内容を、マレーシア日本人学生会(JSAM)代表の藤山華梨衣さんと、メンバーの岩成咲良さんに伺いました。また、実際に就活イベントに参加した中川滉平さんのお話も通じて、マレーシア日本人学生会(JSAM)と就活フェアの実態に迫ります。
マレーシア日本人学生会(JSAM)とはどんな組織なのか
まずはマレーシア日本人学生会(JSAM)代表の藤山華梨衣さんと、メンバーの岩成咲良さんにお話を伺っていきます。
―マレーシア日本人学生会(以下JSAM)がどんな活動をしている組織なのかを教えてください。
「マレーシア留学の価値を最大限に高める」ことが私たちの一番のミッションです。これまではアメリカやイギリス、オーストラリアが留学先として主流でした。しかし、最近になって
・生活費が安いので留学費用を比較的安価に抑えられる
・日本との時差が少ない
・多民族国家ゆえに外国人にも寛容であり親日である
などの理由から、マレーシアが留学先として徐々に注目を集めるようになってきています。その一方で、マレーシア留学に関する情報がまだまだ十分ではないのも現状です。実際に自分たちが情報不足で困った経験があるからこそ、情報を提供したり、シェアしたりする「場」の必要性を強く感じていました。
まだマレーシア留学を知らない人に、マレーシアで留学するという選択肢や価値を知ってほしいという思いもありますし、すでにマレーシアで留学中の学生に対しても、情報共有の場としてJSAMを活用してもらいたいです。
ーミッションをもとにマレーシアに留学している日本人学生を対象に活動しているということですか?
日本人に対してだけではなく、マレーシアのローカルの方々に向けてのイベントも行っ
ています。例えば日本語と英語を交えた会話をしつつ手巻き寿司作りを楽しむ「Language Exchange with Sushi」や、日本の文化を知ってもらうためのお祭りイベント「Aki Fest」、日本で就職したいマレーシア人の方々向けの「日本就職セミナー」などを開催してきました。これには、JSAMの活動が日本とマレーシアの架け橋になってほしいとの思いが込められています。
ー今後の活動に向けての意気込みを聞かせて下さい。
多様性と可能性に満ち溢れた国マレーシア。ここには日本とは違った価値観や考え、文化が溢れています。これらを吸収して多角的な視点からものごとを捉えられるようになったり、知見を広げたりできるようになったりすることもマレーシア留学の魅力の一つです。その手助けができるよう、また、逆に日本の魅力をマレーシアに発信していけるように、JSAMではこれからもイベントの企画・開催、WebやSNSでの情報発信に取り組んでいきます。
学生と企業の距離感にこだわった就活フェア
―2018年に行われた就活フェアがどのような経緯で開催に至ったのか気になります。
就活フェア in マレーシアの企画に着手した理由は大きく分けて二つあります。一つは先ほども述べたように、情報不足に対する懸念を抱いていたことです。JSAMが組織される前から、マレーシアの大学を卒業した先輩方は何人かいました。
しかし、情報共有のプラットフォームがないことで、“マレーシアで学んだ”という武器を生かしきれず、就活でなかなか思うようにいかない先輩方が多くいらっしゃったんです。マレーシアで学んだ学生には、日本の大学を出た学生とは違った魅力があるのに、非常にもったいないなぁと。
そんな折、JSAMが発足してすぐに行われたのが、就活に関連したイベントでした。マイナビ国際派就職の方が、マレーシアで学ぶ日本人学生に向けて、就活のノウハウを説明してくれるイベントです。このイベントがとても大盛況でした。そこで、マレーシアで学ぶ日本人学生が、就活の情報を必要としているのだということを認識しました。
ーもう一つの理由は何だったのですか。
二つ目の理由は、学生と企業、双方の需要と供給が成り立っていることに気付いたことです。JSAMで活動していると、マレーシアで働く社会人の方とお話する機会が多いです。その中で、日系企業や外資系企業は現地で採用できる日本人学生を喉から手が出るほど欲しているのに、企業側は学生と出会う機会があまりないということに気が付きました。対して学生側は、これから就活をしていくうえで、企業の方と直接話ができる機会や就活の情報を得られる場を求めていたのです。
ーイベント開催にあたって、どのように参加する企業を集めたのですか。
先ほど述べた状況を踏まえてマレーシアで就活フェアを行うことの意義を強く感じ、就活フェアinマレーシアの構想が始まりました。しかし、はじめはどこの企業が日本語スピーカーの人材を求めているか、すべてを把握していたわけではありませんでした。そこで、マレーシアにある企業のリストに、片っ端からメールを送り参加を募ったところ、13社の企業がブース出展を承諾してくれました。
-イベントを開催するにあたってこだわった点はありますか。
学生と企業のコミュニケーションができる「マッチングの場」を作ることを意識しました。日本で行われる就活イベントは、学生側からすると企業の話は一方的で、“受け身”で聞くものになりがちなイメージがあったからです。
そこで、今回のイベントでは各企業の前に設置する椅子を3つに絞りました。こうすることで、企業側の一方的なプレゼンテーションではなく、学生側もその企業に自分がどんな人間であるのかをアピールする機会を得られると考えたからです。学生側が人事に直接自分をアピールできるというのは、非常に貴重な機会だと思います。
また、希望された企業には、オープニングセミナーの場でプレゼンテーションの時間を設けました。こうすることで、各企業のブースで、個別に企業理念や仕事内容などの説明をする手間が省けるからです。
就活フェア参加者の声
ここからは実際にイベントに参加されたMonash Universityに通う中川滉平さんに話を伺っていきます。
-今回の就活フェア in マレーシアにはどのような思いで参加しましたか。
参加したのは、マレーシアで今まで就活に関するイベントはなかったので、新しい取り組みに興味を持ったからです。何か良い縁があればインターンをする機会を得たいという思いで、イベントにはES(エントリーシート)を持ち込んで臨みました。
-実際にこのイベントで企業とマッチングし、現在はIBMでインターンをされていると伺いました。インターンに採用してもらえた理由は何だったと思いますか。
自信がついたことで、自分を臆さずにアピールできた部分が、評価につながったのではないかと思います。
正直なところ、良い縁があればインターンの機会を得たいと思ってはいましたが、日本のような受け身な説明会を想像していたのであまり期待はしていませんでした。
しかし、実際のイベントはとてもアットホームな雰囲気で、とても話しやすかったことに驚いたのを覚えています。企業側からも積極的に話を振ってもらえ、自分が必要とされている人材であることを実感でき、自信がつきました。
第二回就活フェアinマレーシアのお知らせ
-最後に藤山さんと岩成さんから、次回の開催に関する意気込みと来場者へのメッセージをお願いします。
二回目の「就活フェア in マレーシア」は、前回より規模も内容もよりパワーアップしたものになる予定です。就活を間近に控えている人にはもちろん、“そうでない人”にもぜひ足を運んでもらいたいと思っています。
就活がまだまだ先だという学生のなかにも、就活に対する漠然とした不安を持っている人は実は多いと思うんです。その不安はきっと、就活を自分の中できちんと理解しきれていないことに起因しているのではないでしょうか。
知らないことを一つ一つ潰していくことで、はじめて「考える」というスタートラインに立てるはずです。就活に向けてこれからどんな準備をしていけばいいのか、どんな企業が日本語スピーカーの人材を求めているのか、社会にはどんな企業があってどんなことをしているのか。イベントで話を聞くことで新たな発見があったり、やりたいことが見つかったりするかもしれません。
さて、ここまでたくさん「就活」という言葉を使ってきましたが、このイベントはあくまでも採用ではなく、企業と学生のマッチングの場を提供することが目的です。だから「就活」と身構えず、いろんなバックグラウンドがある人と話して楽しむ、程度の気軽さで来ていただければと思います。お待ちしています!
|日時
2019年4月20日(土)
13:00~ オープニングセミナー
14:30~17:30 就活フェアinマレーシア
|場所
Taylor’s University校内
|参加費
無料(入退場自由)
【出展企業様募集中】
日系以外の企業様でも、日本語スピーカーの人材を求めている企業様なら大歓迎です!お気軽に下記媒体、又は、 jsam.careerfair@gmail.com までお問い合わせください。
JSAMの公式ホームページは
こちら
https://www.jsamalaysia.com/
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この記事を書いた人
角川 佳蓮
おじいちゃんの鶴の一声がきっかけでマレーシアの大学に正規留学中。今では多様性が共存するマレーシアの雰囲気にすっかり魅了されている。趣味は旅行とカフェ巡り。「好きなこと」×「得意なこと」×「人の役に立つこと」の三要素が重なる自分が一番やりがいを感じられる仕事ができるよう、マイペースながらも日進月歩で頑張ります。