日本だけでなく、アジア市場でも急成長をしている日本発スタートアップ、Donuts。
そのバンコク拠点であるDonuts Bangkokでは日本人インターン生を募集している。
今回は、Donutsのバンコク拠点の代表を務める荒金氏に、バンコクでビジネスを立ち上げる醍醐味や、タイで注目しているビジネス、そしてDonutsで働く面白さについて伺った。
《プロフィール|荒金弘明氏》
Donuts Bangkok CEO。大学在学中に株式会社Donutsにアルバイトとして入社し、
「単車の虎」などのヒットタイトルを企画・開発し、Donutsの事業成長を支える。
2013年に、Donuts初の海外拠点としてDonuts Bangkokを立ち上げ、現在は100名規模の組織に成長させる。
バンコクの急成長スタートアップ、Donuts Bangkok
ーDonutsという会社について教えてください。
Donutsは世界にインパクトを与えるという「Change the Game」を掲げ、ゲームとWebサービスを軸に展開する会社です。2007年にDeNA出身の代表・西村が創業しました。私は同年8月に学生アルバイトとして入社した後、サービス開発・ディレクションを担当し、2012年からはタイ拠点の立ち上げと経営を行なっています。
弊社はIT分野の3領域(Webサービス・SaaS・モバイルゲーム)で事業を展開しており、世の中の時流を変え、10年・20年先にも価値を残せるサービスやコンテンツをテーマに、新たな事業を創出をしています。国内でのメイン事業は「単車の虎」や「MixChannel」などです。また勤怠管理システムをはじめとする、バックオフィス向けクラウドサービスの「ジョブカンシリーズ」も展開しています。
ーなぜバンコク拠点を立ち上げられたんでしょうか?
海外拠点を立ち上げること自体は2012年ほどから検討していました。
経緯としては「国内市場だけでなく、海外市場でもWebサービスを新たに作ってチャレンジしたい」という話があり、まず地理的にも近い東南アジアに進出することを決めました。
また、海外進出する上で大切にしていたのは、単なる受託開発の拠点ではなく、現地市場でサービスをゼロから立ち上げて成長させること。
海外拠点を立ち上げるからには現地市場で通用するITサービスを創り出したいと考えていました。そういった観点で検討していた際に、市場自体が発展していて、ASEANの物理的中心に位置するタイ・バンコクに進出することを決めました。
ー立ち上げ当初はどうされていたんでしょうか?
まずはオフィス探し、現地スタッフの採用から始めました。オフィス環境が整い、通訳、現地スタッフの採用が進んだところで、モバイルゲームを作ってタイ向けにリリースしましたが、軌道には乗らず、Webサービスにピボットすることにしました。
そこで、『SistaCafe』という女子向けのキュレーションメディアを作りました。
この事業は成功し、リリースから1年経たないうちにタイNo.1メディアに成長しました。Facebookに特化したオンラインマーケティングに注力したことと、SistaCafe内の記事数を低コスト・短時間で大量にリリースし続ける仕組みを作ったことが成功要因だったと思います。
ー 1年経たずにタイNo.1メディアに成長するとは凄いですね。SistaCafe以外に、現在展開している事業について教えてください。
SistaCafeが軌道に乗ったことを皮切りに、Estopolis(不動産Tech)、Vibie(ライブストリーミングサービス)、ジョブカン(勤怠管理SaaS)を展開していきました。
Estopolis、VibieはSistaCafe同様、現地スタッフのみのチームでゼロからサービスを企画・開発しています。またジョブカンはもともと日本で開発されたものをタイの現地企業向けにセールスチームが販売していますが、好調に成長を続けており、すでに百社以上の顧客が導入しています。
組織の規模も90名ほどになり、オフィス移転もしました。
新オフィスでのMTGの様子
ー すごい勢いで事業を立ち上げられていますね!荒金さんが事業をゼロから立ち上げる時に大切にしているポイントはありますか?
「勝ち筋が見えるかどうか」を大切にしています。ただ闇雲に事業を立ち上げるというよりは、勝算が見出せて、成功確度がより高い事業領域を選びます。
例えば、日本や中国で成功しているサービスを分析して、成功するサービスの共通項を見出し、タイの事業作りの参考にしています。また立ち上げる際にも会社としてのリソース(ヒト、モノ、カネ)を総合的に考慮して判断するようにしています。中国などに出張に行った際に流行っているサービスや要因などをリサーチしてタイでも成立するビジネスモデルかを考えながらアイディアを考えていますね。
バンコクで興隆する新規ビジネスの裏側
ー荒金さんがタイで注目しているビジネスはありますか?
今面白いなと思っているのは「otteri」というコインランドリーのサービスで急激に拡大しています。
タイ人は、日本人と違って、自宅備え付けの洗濯機ではなく、コインランドリーを使うんですね。ただ外にあるコインランドリーは結構汚くて、清潔ではないんです。一方で、このサービスは通常の2倍以上の値段がするものの、清潔でおしゃれ。うまくタイ人のニーズ・欲求を掴んでスケールしているなと思います。
一見ただのコインランドリーなのに、スペース自体をカフェ風のおしゃれな雰囲気にしたり、独自のキャラクターなども作っていたり、良い塩梅の価格設定なのでちょうど良い高級感があります。今タイでは150店舗以上の規模に拡大していますね。
意外性のあるサービスがタイではスケールしているので、興味深いです。
ー タイでビジネスを創っていく面白さとは何でしょうか?
タイでWebサービスを成功させることは難易度の高いことだと思っています。だからこそチームをしっかり作り、ビジネスが成立するための仕組みを作り上げることが大切です。
中途半端にやってもそこそこのサービスしかできないので、勝つために徹底的にやり抜くことが重要です。ただリソースをかければかけるほど利益を出すことは難しくなるので、かけるリソースと生み出す利益のバランスを考えてビジネスを成立させていくのは困難でありつつ、醍醐味ですね。
またここ数年、タイ人向けのサービスを作ってきて、「こういうサービスはタイ人に広まりそうだ、人気を得られそうだ」というような勘所が少しずつ見えてきました。時間はかかりますが粘り強くチャレンジを続けて、成功にいかに近付けるための努力ができるか、が重要だと思います。
通常、会社の駐在員の方などは3年ほどの任期で日本に帰国されてしまうので少しもったいないなと感じますね。
インターン生が圧倒的に成長できる環境
ー Donuts Bangkokでは日本人インターンを募集していますよね。どういうインターン生を求めていますか?
まず日本人インターンを採用したい背景は、「学生にインターンという環境を通じて学びの機会を提供したい」という思いが強いです。私自身、大学時代に創業期のDonutsでアルバイトとして働いた経験から得られた学びが大きく、今でもその経験が仕事に活きています。
どういう人材を求めているか、という意味では、まずDonutsでは、自分の頭で考え、主体的に行動することを良しとする文化があります。
能動的に学習し、期待以上のアウトプットを生み出せるような人を求めています。
ー Donutsではどういう機会や挑戦ができる環境がありますか?
インターン生だからといってやることに制限はないので、実力ややる気があればなんでも任せようと思います。実際、Donuts Bangkokでは新卒入社半年ほどのメンバーがVibieのサービス責任者を務めていたり、年次関係なく実力さえあればどんどん新たなことに挑戦できる環境があります。
是非、Donuts Bangkokでのインターンに興味のある方は下のバナーより応募してください。
リンク先に、過去のインターン生の体験レポートも記載しているので、こちらもご参照ください。
社内でビジネススキルについて学ぶワークショップも開催している。