アンコール遺跡だけじゃない! カンボジアにあるもう1つ世界文化遺産 プレアヴィヒア寺院

2015.12.21

あなたは「プレアヴィヒア」という遺跡をご存知でしょうか?

「カンボジアといえば、アンコールワット!」と連想されると思いますが、実はもう一つ世界遺産があるのです。そう、それがプレアヴィヒア!

今回は、私の華麗なるバックパッカーデビュー(笑)のハイライトのひとつを紹介したいと思います!

他の人があまりやらないようなことをしてみたい人、何かの気づきになるかもしれません。ただ、100%安全とは言えないので、情報収集はしっかりしましょう!

 

国境紛争の歴史。プレアヴィヒア寺院とは?

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まずは簡単にこの遺跡の紹介をしますね。

プレアヴィヒアとは、カンボジアとタイの国境付近に位置する、11世紀頃に建設されたクメール様式の神殿遺跡です。山脈の稜線上にあり、北側(タイ側)を除く3方は500mの断崖絶壁になっています。2008年に世界遺産に登録されました。

さて、国際法を勉強しているそこのあなた。ピンとくるのではないでしょうか?

そう、プレアヴィヒアの歴史とは、カンボジア・タイの国境紛争の歴史でもあるのです。タイ・アユタヤ朝のクメール攻略から、フランスの植民地統治時代や第2次世界大戦後に至るまで、両国の国境は度々変更され、近年まで 軍事衝突やにらみ合いの場となってしまいました。

この国境紛争を理解するには、フランスの植民地政策や 、カンボジア・タイ両国の政治問題についても理解しなければならないのですが、2013年11月11日の国際司法裁判所による判決以降、カンボジア領有ということで一応の落ち着きを見せています。

 

シェムリアップから日帰りで!その行き方紹介

以上のような問題もあり、日本の大手旅行会社などによるツアーはないようです。(2015年12月現在)

ですので、プレアヴィヒアに行くには、多少の冒険をしないといけません。ただその分、観光客は少ないので、落ち着いて観光できるでしょう。銃を持った兵隊さんが近くにいたりもしますが...。

また、紛争の落ち着きから、今後はふもとの村(あるいは最寄りの町)が観光拠点として発展する可能性もあるので、それを待ってもいいかもしれませんね。

今回は、私が2014年10月に使ったルートをご紹介します!

私はシェムリアップのクロマー・ヤマトというゲストハウスに宿泊していました。ここでは、他のバックパッカー10名ほどと一緒に、プレアヴィヒア、ベンメリア(ラピュタのモデルとなったと言われている遺跡)の日帰りツアーに参加。全員で170US$だったので、かなりお得でした!

(参照:クロマーヤマトゲストハウス

クロマー・ヤマトの入り口付近にホワイトボードがあり、旅行者自身で各種ツアーの同行者を募ることができます。それは、一緒に行く仲間を集いたいからでもあり、単に費用を軽減したいからでもあるようです。

プレアヴィヒアまでは片道3時間ほど。当時は道路もそれなりに整備されていたので、不快ということもありませんでした。

道が通行止になっていたり、途中でタイヤがパンクして、近くの家のお母さんが家の中に招き入れてくれたりと、フロンティアを進んでいる感が味わえたのは良い思い出です(笑)

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プレアヴィヒアの麓に着くと、係りの人にパスポートを見せて、入場の許可をもらいます。私たちの他に、中国人のグループもいました。

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ここからはかなりの勾配を、バイクタクシーかソンテオ(荷台に人が乗れるようにしたトラック)を選んで、遺跡まで向かいます。グループの場合はソンテオがお得なので、私たちはソンテオに乗りました。

正直、乗り心地は良くありません。すごくガタガタしてるし、傾斜がきついので、手すりにつかまっていないと、荷台から落ちます(笑)。

そうこうしているうちに、遺跡の駐車場までたどり着きました。

兵隊さんや、飲み物を売っている人もいました。

兵隊さんは気さくな人が多くて、双眼鏡を貸してくれたりもしました。

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遠方に見えたのは、タイの国旗・・

「ああ、ここは紛争地帯なんだな」と嫌でも実感します。

ちなみに、この遺跡周辺にはクメール・ルージュが地雷をそこかしこに埋めていたそうなので、不用意に、草原などに足を踏み入れないほうが身のためです。

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ついに到着! 待望のプレアヴィヒア寺院...!

ついに到着です。

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と思いきや、遺跡自体は、古代遺跡に詳しくない人が訪れても「ふーん」という感想かもしれません。

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ただ、アンコールワットと違うのは、高低差を利用した造りになっている点ですね。階段を登っていったら、新しいものが出てくるって場所や、まだあまり整備されていないところがあります。

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「面白いとこに来たな」っていうバックパッカー心(気取ってるだけ?? )をそそります。

あと、なんといっても、崖からの展望が素晴らしいです!

眼下に広がる草原、所々点在する池、縦横無尽に走る道が、天然のタペストリーとなってあなたの目に飛び込んできます。

1000年前の歴史を無言のうちに語る遺跡を背景に、心地よい風に吹かれ、東南アジアを感じてください!

紛争地であることも忘れ、平和な時間に身を浸すことができます・・

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最後に忘れずに記念撮影を!調子に乗りすぎて、崖から落ちないでくださいね・・

ネットには見てるだけでヒヤヒヤする写真があがっていますが、SNSでいくら「いいね!」をもらっても、命を落としたら元も子もありませんので・・

 

実際、プレアヴィヒアって危ないの?

経験上は、ごく普通に観光している分には大丈夫でした!

もちろん、変に騒いだりすれば、兵隊さんに目をつけられる可能性はありますよね。

ここまで読んでくださったあなたは、「危ないって言われてるとこに好き好んで行くのって、どうなの・・」と思っているかもしれませんね。

一応言っておくと、私は時として思い切りが良かったりもするのですが、どちらかというと慎重な人間です。

「行かないか?」と誘われた時に、「プレアヴィヒア」という単語から、「国境紛争」や「地雷」という危険なイメージを持っていたのです。

しかし、同時期にシェムリアップにいた大学の先輩や他のバックパッカーから、現地の様子をきくなどの情報収集をきちんとした上で、参加してみることにしました!

あの時に不必要にビビらなかったおかげ(笑)で、とても素晴らしい体験ができましたね!

そして、この記事を読んでプレアヴィヒアに興味が湧いたそこのあなたに朗報です。プレアヴィヒア周辺の安全性は、私が訪れた昨年より高まっているようです!

外務省による危険度のレベルは4段階あるのですが、私が訪れた時のプレアヴィヒアの危険度はレベル2「不要・不急の渡航は止めてください」でした。

しかし、現在ではレベル1「十分注意してください」(カンボジア全土共通)に引き下げられました。「観光客が、同地域で衝突等の不測の事態に巻き込まれる可能性は現時点では低いと考えられます。」とも書かれています。

もし、行ってみたい、と思う場合は、十分に情報収集をした上で行ってくださいね!

(参照:外務省 海外安全ホームページ「カンボジア」

 

ではでは、お気をつけて!!!

 

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【参考文献】

「THE HUFFINGTON POST 世界遺産「プレアヴィヒア」周辺はカンボジア領 国際  司法裁判所が判決 2013年11月11日」

「世界遺産を巡る紛争における国際司法裁判所の役割」

「南国爽風 予測不能な気まぐれ放浪 超天空遺跡プレアヴィヒア」




ABOUTこの記事をかいた人

松村 雄太

早稲田大学商学部3年。AIMS(ASEAN International Mobility for Students)の1期生としてタイのチュラロンコン大学に留学し、ASEANにはまる。留学中・後を通し、6カ国を巡る。都会もいいけど、摩訶不思議な遺跡や、心洗われるような大自然に身を浸すのがこの上なく好き。