タイの発展における光と影。バンコクにそびえるゴーストタワーとは?

 

今回はシリアスな話題ですが、ライターとして活動するなら少しでも書きたいと、1年前から温めていたトピックです。

観光で行ったりするだけでは、なかなか見えてこない面も多いんですよね……。

もし、これを読んだあなたに何か気づきが生まれれば、ライター冥利に尽きます!

 

まるで東京!? 日本人がバンコクに抱くイメージ


非常に多くの日本人が住み( バンコク在留邦人数は世界第5位(2012))、日本食がとても人気のバンコク。

一度バンコクに降り立てば、そこに待っているのはマッサージにグルメに観光に......。どこから手をつけていいやら、しかもそれが安いときたら、もはや天国ですね!

さすがは「天使の都」クルンテープ(バンコクのタイ語名の最初の部分。実はバンコクの正式名称がとてつもなく長いという話は有名ですよね)。

サヤーム(バンコクの商業の中心地、日本で言えば渋谷のような場所)には、ズラーーっと高級ショッピングモールが並んでいます。

Siam モール

どのくらい高級なのでしょうか?

感覚としては、六本木ヒルズの商業エリアを大きくしたイメージでしょうか。みなさんもよく知っているブランドショップが並んでいます。

そこにいるのは「所得に余裕があるんだろうなあ」という雰囲気をビンビンに醸し出している人たち。

それもそのはず。大学の学食が30バーツ(1バーツ=約4円)なのに、ここのレストランに一度入れば、少なくとも200バーツは使うことになるのです。

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さらにさらに、世界でもトップクラスの贅沢な映画館があったりもします!

Central Embassyというモールでは、飲み物、軽食が自由に頼めて、豪華な椅子(リクライニング対応)でゆったりと映画観賞ができます!

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気になるお値段は1,000バーツ! 庶民の暮らしを考えるとなんとも贅沢な2時間ですね。

おっと、バンコクの贅沢どころの説明をするとキリがないのでこのくらいにしておきましょう(笑)。

 

目に見える格差。バンコクのもう一つの顔


さて、ここからが本題です。

お金持ち、貧乏な人。

資本主義の特性上、両者が生まれてしまうのは仕方のないことかもしれませんが、やっぱり、「これでいいのだろうか?」という疑問は押さえられません。

タイに数ヶ月住んでみて、社会保障が充実している日本で生まれ育った私としては、「こんなにも格差があるのか。。」と衝撃を受けました。

バンコク 線路 2 バンコク 線路

これは、フアランポーン駅(日本で言うと東京駅)から出発して数分の、車内から見た景色。

線路沿いにはゴミがあふれ、人々はボロボロの「家」で生活していました。

ターミナル駅からすぐの線路沿いで、すぐ先には高級ショッピングモールが並んでいるというのに。

バンコクの豊かな面ばかりを見ていた私にとって、衝撃的でしたね。

いろいろ調べているうちに、バンコクにスラムがあることも知りました。

危ないからやめた方がいいと友達に言われたのと、帰国準備等で忙しかったため、実際に足を踏み入れることはできませんでした。しかし、行った人の体験談を読むと、確かに、広大なスラムが広がっているそうです。

スラム街

バンコク内だけでなく、バンコクと地方の生活水準も相当違います。

例えば、アランヤプラテート(タイ側の、カンボジアとの国境の町)の国境付近には大きな闇市が広がっています。

そこの空気感、なんとも「カオス」でした。

経済発展とは、大きな街を中心として起こるものでしょうが、地方の生活水準をそれに応じて引き上げていければいいのになあ。現実的にはなかなか難しそうです......。

 

怖すぎる!負の遺産、ゴーストタワー


一時期タイ経済が不況になった時の「遺産」を紹介したいと思います。

その名も(通称)「ゴーストタワー」

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タクシン橋の近くにある、50階ほどのビルの廃墟です。

不況のあおりを受け、建設途中で放棄されてしまった高級マンションだそうな^^;

このビルには管理人(マフィア?)がおり、その人たちにいくらかお金を払うと中に入ることができました!

ゴーストタワー、というネーミングがなんともぴったりなビル。

階段を上へ上へと登っていきます。

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途中の階を散策してみると、バスタブの残骸があったりもしました。バルコニーから下を見ると、プールのようなものも。

更に上へ上へ進むと、屋上に出ることができます。

そこからの景色は圧巻です!

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チャオプラヤ川に輝く夕日。そして林立するビルの目立つ、バンコクの街並み。

廃墟ビルからバンコクの発展の様を見るのも、なんとも言えないですが、これがバンコクかと、今でも胸に刻まれている光景です。

この世は栄枯盛衰なんだなあ、と廃墟から夜景を見て思う私が心のどこかにいました。。

現在のこの発展が、ただ格差を広げるだけにはならないように、と願うばかりです!

余談ですが、私たちが訪れた数日後に、首吊り自殺をした死体が見つかったそうです。

やはり、「ゴーストタワー」の名に違わず・・

※景色は綺麗ですし、いい思い出になりますが、あなたに何かあっても嫌ですし、足元が所々抜けており、柵もないので、観光にはお勧めしません(キッパリ)。

 

一面だけを見ないでほしい!


結局、言いたいことは、発展している面だけを見て、「これが東南アジアか!」と思わないでいただきたい、ということです!

何か行動しろ、っていうより、まずは「経済発展の負の面」も見ていただきたいな、と。

観光地やショッピングモールだけを見ていては、もったいないかなとも思います!

なんてったって、全部ひっくるめて「東南アジア」ですから!

それと、この記事を読んで、「格差社会是正のために何かしたい!」って人が出てきてくれたら、この上なく嬉しいです!

 

《参考URL》

excite.ニュース 海外在留邦人、バンコクは5位

「バンコクにおける格差と不平等」マリー・ケオマノータム

「日刊SPA! タイのスラム「クラントイスラム」を歩いてみた」嵐よういち

 

*タイに行くならチェックしておきたい。→【タイ留学】 これさえチェックすれば完璧! タイ情報メディア10選 

 




ABOUTこの記事をかいた人

松村 雄太

早稲田大学商学部3年。AIMS(ASEAN International Mobility for Students)の1期生としてタイのチュラロンコン大学に留学し、ASEANにはまる。留学中・後を通し、6カ国を巡る。都会もいいけど、摩訶不思議な遺跡や、心洗われるような大自然に身を浸すのがこの上なく好き。