2016.11.26
ブルネイ記事ライターの西山です。
前回の私の記事『ASEANのお金持ち・ブルネイが、シンガポールから学べることとは?』の中で、ブルネイは世界で有数のお金持ちの国ですが、経済のほとんどを石油や天然ガスなどの天然資源に依存しており、天然資源の価格や収穫量の変動によって強く経済が影響を受けることを述べました。
(参照) ASEANのお金持ち・ブルネイが、シンガポールから学べることとは?
現在の原油の低価格な状況、そしてブルネイにある天然資源がこれから20数年後には枯渇してしまうだろうという予測がある中、天然資源に大きく依存するブルネイはどうなるのでしょうか?
このような課題を背景にブルネイ政府はBrunei Vision 2035という2035年までにブルネイが達成すべき目標を掲げ、現在大きく3つのことに取り組んでいます。
1. 国民が世界最高水準の高い教育と優れた技術を取得している
2. 生活水準の高さが世界上位10ヵ国以内
3. ダイナミックで持続可能な経済力をもち、世界有数の国民一人当たりの所得
これら3つを達成するためにブルネイ政府がすべきこと、それはは安定した財政収入を得るために天然資源に依存した産業構造から脱却し、産業を多角化することです。
現在ブルネイ政府は産業構造を多角化するための1つの施策として、観光業に力を入れています。
今回の記事ではブルネイが力を入れている観光業にスポットを当て、あなたがブルネイで訪れるべき観光スポットを紹介したいと思います。
目次
①スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク
まずは、スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク。
ブルネイの首都バンダルスリブガワンにあり、1958年に第28代スルタンのオマール・アリ・サイフディンの命令によりイタリアの建築家によって建造されました。
ちなみにオマール・アリ・サイフディン国王は現在の国王であるハサナル・ボルキアのお父さんになります。そのためこちらのモスクはオールド・モスクという愛称で親しまれています。
モスクを建造するにあたり1950年代当時では破格の推定500万USドルものお金がかけられており、イタリアの大理石、中国の御影石、英国のステンドグラスやシャンデリアなどが建造に用いられ、金色のドームが特徴的など、ブルネイを代表する大変豪華なモスクです。
そして夜になるとこちらのモスクは上の写真のようにライトアップされ、昼とはまた違った美しさを醸し出します。夜景を楽しみたい方は昼だけではなく、夜の観光もぜひ!
②ジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスク
ブルネイで一番大きなモスクです。
モスクの内装にこだわりすぎたため、現国王ハサナル・ボルキアの即位25周年の1992年を目指して作られていたものの、実際に完成したのは2年遅れの1994年でした。
最初に紹介したスルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスクは先代国王の治世に建造されたため「オールド・モスク」と呼ばれるのに対して、こちらのジャミ・アス・ハサナル・ボルキア・モスクは現国王の治世に建造されたため、「ニュー・モスク」と呼ばれています。
ドームは全て純金で作られており、ブルネイの豊かさを如実に表現する建物です。異教徒の方もムスリムの礼拝時間以外は入場することができるのでブルネイにお立ち寄りの際にはぜひ訪れてみてください!
③エンパイア・ホテル
世界基準のホテルの星の数は5つが最高ランクですがさらに5つ以上の星をもつ超最高級ホテルが世界には存在します。それが7つ星ホテルであり、世界に2つだけしか存在しません。
1つはアラブ首長国連邦のドバイにあるバージュ・アル・アラブで、もう1つがブルネイにあるエンパイア・ホテルです。
このブルネイにある7つ星ホテルは、とにかく“やばい”です。
ホテルの敷地内には18ホールのゴルフ場、巨大なシアターレストラン、映画館、ボーリング場、ジム、サウナ、テニスコート、プール、スパなど。他にも充実したホテル内設備が数多くあります。
またホテル内のあちらこちらにはイタリアの最高級の大理石や24金の金色の装飾が埋め込まれており、ホテルというより、宮殿と呼んだ方がいいんじゃないかと思うほどの豪華さ。
そしてなにより驚くべきポイントは宿泊料金です。
元々このホテルはブルネイの王族が親しい人や世界各国のVIPをゲストとして迎え入れるために作られた超絶豪華なホテルですが、一般客も手ごろな値段で泊まることができます。
その宿泊値段は・・・、
なんと、1泊約2万円。
2万円前後で世界に2つしかないといわれる世界最高級7つ星ホテルに泊まれるんです。
ちなみに、ドバイにある7つ星ホテル、バージュ・アル・アラブは最低で1泊15万円からであるため、それに比べるとエンパイア・ホテルの宿泊料金は驚いてしまうほどの安さです。
ブルネイに訪問したときのホテルはぜひエンパイア・ホテルにしましょう。
④カンポン・アイール(水上集落)
約600年以上の歴史を誇る水上集落はブルネイの代表ともいえる場所で世界最大の規模を誇り、現在も首都バンダルスリブガワン周辺に約3万人が水上で生活しています。
この水上集落の起源は昔に住民が熱帯地方の暑さから逃れようと水上に集まってできたとされています。昔はエアコンもなかったため、暑さ対策のために水上に集落を作るという発想は大変合理的だなと感心しました。
現在はこの水上集落に住む各家庭の中には電気、水道、ガス、テレビがきちんと配備されており、また家庭の外には学校、モスク、病院、ガソリンスタンドなどがあるため、住民は何不自由なく水上で生活しています。
この水上集落では普段のありのままのブルネイ人の生活スタイルが垣間見えるため、ブルネイのローカルな部分を楽しみたい方にはぜひ水上集落をおすすめします!
⑤ウル・テンブロン国立公園
Photo from Brunei Tourism Department
ブルネイの国土の7割が森林であるという特徴を最大限生かした観光スポットです。
実はブルネイをよく見てみると国土がマレーシアを挟んで2分されており、首都のバンダルスリブガワンがない側の地に、この国立公園は位置しています。
世界でも珍しい手つかずの大自然と観光が組み合わさった、エコツーリズムを堪能することができます。
この公園での観光の特徴は大自然を生かしたトレッキング、カヌー、釣り、キャンプなどのアクティビティです。また普段の日常生活では決して見ることのできない動物たちに出会えるかもしれません。
自然本来の素晴らしさを堪能したい方、都会での生活に飽き飽きしている方、自然を使ったアクティビティを楽しみたい方は、ぜひブルネイが誇る国立公園に行きましょう!
さいごに
ブルネイの代表的な観光スポットはいかがだったでしょうか?
ここまで私が厳選して選んだブルネイの訪れるべき観光スポットを5つ紹介してきました。
観光は楽しむことはもちろんですがそれ以外にも観光によって現地の文化や歴史を学ぶことができます。そして観光を通じて学んだことがあなたの視野をさらに広げてくれることでしょう。
この記事を読んでくれたあなたが「へえ~、ブルネイにはこんな素晴らしい観光スポットがあったんだ」という気持ちになり、ブルネイに関心を持っていただけたら嬉しいです。