アジアのハーバードを作るべく、カンボジアで大学立ち上げに奔走!IT×教育に情熱を注ぐ 西谷健さん

2016.10.23

この記事は、海外インターンシップの挑戦機会を提供しているタイガーモブ(以下タイモブ)と共同で発信するシリーズ第5弾です!学生のうちから海外で挑戦をした方をご紹介し、同じようにASEANへ飛び出す若者を増やすことを目的に、発信していきます。

現在、ITを駆使して日本及び海外の教育に変革を起こすことを目指している西谷さん。その原点ともなったのがカンボジアでのインターンだった。インターン初日、社長に言われた「君には大学を作ってもらう」という一言に突き動かされ、3ヶ月間の海外インターンに臨んだ西谷さん。そんな西谷さんの体験談に迫った。

<プロフィール|西谷健さん>
石川県出身の西谷さんは、東京大学卒業後、東京大学大学院で遺伝子の研究を行い、在学中にカンボジアのインターンでインターナショナル大学立ち上げを行った。日本に帰国後、現在はITベンチャーでプログラマーとしてスマホアプリ開発、ウェブサイト制作、新規事業立ち上げなどを行っている。また、大学時代から家庭教師も8年以上継続しており、業界1の料金(1時間2万円以上)で指導している。現在は教育×ITでの起業に向けて準備中。

三ヶ月で大学を作る!?

ー大学院で研究をされていた西谷さんが、カンボジアでインターンをされた経緯を教えてください。

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将来は自分の好きなことにスピード感を持って取り組みたいと思っていたので、一つの研究に何年もの時間を費やす研究者になりたいとは思わなくなったんです。

それで、何をしようかなと思ったときに、今後、世界共通言語になるであろう英語とプログラミングを学ぼうと考えました。そして起業セミナーやシンポジウムなど様々なイベントに参加する中で偶然「アジトラ」(*現タイモブ)に出会ったんです。

私は今でも塾講師家庭教師をしているくらい教育に関心がありますし、カンボジアで英語を使いながら大学建設立ち上げに関われる仕事を見つけることができたので就職前にインターンすることを決めました。

 

ー業務内容を教えてください。

「アジアのハーバードを作る」というコンセプトの基、山の上でリゾートと大学を作りました。現地でお世話になった会社の社長に「君のミッションは3ヶ月で大学を作ることだ」と言われたときには驚きましたが、社長の人柄に惚れ全力でやってみようという気持ちにすぐなりましたね。

業務内容はフィリピン人の英語教師、インド人のIT専門家、カンボジア人のナースのマネジメント、時間割作成、教室整備、備品管理、寮・食堂の調整、バスの手配、体育の授業の実施など何でもやりました。

 

ー膨大な業務ですね。その業務を通して身に着いたスキルはありますか?

主に2つあります。1つ目が、社長と従業員のパイプとなり業務を行ったので、お互いの気持ちをくみ取りながら伝える力がついたことです。従業員の想いが社長に届かなかったり、社長が言っていることをそのまま伝えると彼らのモチベーションも下がってしまったりするのでうまく伝えようとしていました。もちろんぶつかることもありましたが、徐々に折衷案を出せるようになりました。

そして2つ目が、ゼロからイチを作る力が身に着いたと思います。教室のレイアウトや授業の構成も、自分たちでいちイチから作り上げることができたので貴重な経験となりましたし、現在のプログラマーの仕事でもその力は活かされています。

 

初めての海外で感じた言語の障壁

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ー現地でのコミュニケーションについてお聞かせください。

実は私、初めての海外がカンボジアだったんです。だから今まで英語をアウトプットする機会があまりなくて、現地でのコミュニケーションには相当苦労しましたね。最初の2週間は30%も理解することができなかったですし。

でも、言語を理解できないと仕事もできないので、大学の講師の方とは仕事の時だけでなく、日常生活においても深く関わることで英語を理解しようしていました。その結果、1か月経った頃からはなんとなく理解できるようになったし、ペラペラではないけど、伝える気持ちを大切にしていたら仕事もうまくいき始めました。そういった意味では以前よりも積極的になりましたし、社交的になりましたね。

 

ー言語の障壁は超えられたということでしたが、当初の掲げた大学建設という目標は達成されたのでしょうか。

はい。最初はトラブルだらけでしたが、周囲と協力していくことで達成することができました。授業の運営だけでなく、学生が勉強しやすい環境を整えるため教室のレイアウトを考えたり、食堂の運営を工夫したり、何でもやりましたね。ただもちろん、ベストな環境だとは考えていないので、今後のインターン生に期待したいです。私がインターンしていたときは学生が20人程でしたが、現在は50人から100人の学生になっているということなので、少しづつ運営面も改善されているのかなと思います。

 

海外へ飛び込む大切さ

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ーインターンを経て就職された西谷さんですが、これからのキャリアプランはありますか。

はい、今やっているプログラマーとしての仕事をしつつ、IT×教育で起業をしたいと考えています。というのも、私はカンボジアで大学建設に関わった経験と就職活動をした経験から、国内外の教育に変革を起こしたいと強く感じるようになりました。特に海外では、教育の機会が所得に関わらず平等に与えられるべきだと考えているので、ITを使って少しずつ改善していきたいと思います。そういった意味で、今回建設した大学は所得に関わらず優秀な生徒が通える奨学金制度があったので参考になりました。

 

ー西谷さんにとって海外インターンの魅力とは何でしょうか。

人との繋がりですかね。今でもタイモブで知り合った仲間とは付きあいがありますし、将来何か一緒に事業をすることができるかもしれません。その仲間からさらに人脈は広がっていきますし。

あとは、チャレンジ精神が身につくことですね。行動を起こさなければ、何も起こらないので、自分でできることを探して実行に移せるようになると思います。

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ー最後に海外インターンをしようとしている若者に向けてメッセージをお願いします。

海外インターンって想像以上の経験ができると場だと思うんです。他人が日本ではやったことのないことを海外でリスクを冒しながら少ないリスクでできる環境がありますから、昨今の不安定な社会においては貴重な経験になると思います。

そして海外インターンではゼロからイチを創るチャンスを与えてくれます。何か決まっている業務を言われた通りに行うのではなく、自分で考えて行動することができるので、泥臭く自分で行動すればするほど成長できます。

これからインターンをしようとしている方には是非、人の目を気にせず興味をもったことに飛び込んでほしいと思います。

 

取材後記

私も将来、教育に変革を起こしたいと思っているため、今回の取材を通して共感させていただく部分が多々あった。しかし、教育の変革に対して、まだ漠然としたイメージしか持っていない私とは対照的に、西谷さんは国内外での現場経験やITのスキルをお持ちで、現にアプリの開発や企業起業の準備を進めていらっしゃったため、沢山の刺激をいただいた。今後はどのように教育を変えていきたいか詰めていきたいと思う。そのいった意味で海外で現場を学びつつ、自分で変化を起こしていくことができる海外インターンは将来のキャリア形成に向けた一つの選択肢なのかもしれない。




ABOUTこの記事をかいた人

井上良太

中央大学商学部経営学科卒業。大学2年の夏にカンボジアに訪れたことがきっかけでASEANや教育、国際協力に興味を抱くようになる。 3、4年次のゼミでは社会問題を事業で解決している社会的企業を専攻し、インドネシアの社会的企業とのネットワークを広げていた。 現在は株式会社パソナの社員として雇用を通じた社会貢献の方法を勉強中。 将来は国内外で社会的企業のプラットフォーム作りに関わりたいと考えている。