「海外インターンシップを運営している側が、海外インターンシップを経験していないことにずっと違和感を持っていました」
学生団体にてプロジェクトリーダー、幹部を経験しただけでは飽き足らず大学を休学し半年間のビジネスインターンシップに挑戦した井村氏。人材紹介会社で修行した彼が目指すその先を伺った。

《プロフィール|井村太一氏》
1993年11月25日生まれ。高田高等学校卒。現在関西学院大学商学部在学中。大学1年次から海外インターンを運営する学生団体アイセックに所属し、プロジェクトリーダー、幹部を歴任。その後、大学4年次を休学し2015年8月から2016年1月までJAC recruitment Thailandで6ヶ月間のビジネスインターンシップに参加。趣味はファッション、料理、カフェ巡り、旅行。得意料理はシチュー。

 

アイセックとは

126の国と地域で活動する世界最大級の学生組織アイセックの日本支部として、海外インターンシップ事業を運営する学生団体。1962年に東京大学にて設立され、現在では国内25の大学委員会が活動している。

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アイセックの幹部を退任後、TOEICスコアを底上げし海外インターン参加を決意

ーなぜ6ヶ月間の海外インターンに参加しようと思ったのでしょうか?

もともと大学の間に一度海外に出ようとは思っていました。ただ、それが留学なのか、海外インターンシップなのか、ワーホリなのかは明確には決めていませんでした。

なぜ今回6ヶ月間の海外インターンシップに参加したかというと、2つの理由があります。

1つは、もともとアイセックのメンバーで、自分たちの提供する海外インターンシップを自ら経験したいという考えがあったからです。アイセックで大学1年の頃から3年間所属していてプロジェクトリーダー、幹部として活動していました。

アイセックの一員として「海外インターンシップ行きませんか?インターン生受け入れませんか?」と企業の方や学生に言っていたものの、自分自身がアイセックの提供するインターンシップに参加したことがなかったことに違和感を持ち続けていました。

そこで「私たちが提供している海外インターンシップってそもそも何なのか?」と思い、アイセックの幹部としての活動を終えた後、大学4年次を休学しアイセックの海外インターンに行こうと決めました。

そしてもう1つの理由は、「今までアイセックで活動してきた学びが海外でビジネスの現場でどれだけ通用するのかを試したかったから」です。

3年間とはいえNPOで幹部も経験してきて様々なことを学んできましたが、それらをアウトプットして自分の力を試す機会があまりなく、自分が学んだことが社会でどれだけ通用するのか、グローバルに通用するのかを知りたかったのです。

 

ーなるほど。ではインターンを決意したきっかけのようなものはありますか?就活をせずに休学をするという選択は勇気がいると思うのですが。

正直に言うと、インターンに参加するにあたり確固たる決意はありませんでした。

先ほどの話と少し重複しますが、アイセックで3年間活動していて、インターンシップを運営している自分が海外インターンシップに参加したことがないという事実に、ずっともやもやしていました。

またそれだけでなく幹部とは言えど、アイセックの活動を中途半端にしてしまっていた自分がいたことに危機感、焦燥感を感じていました。

そういったすっきりしない状態が続いていたんですが、ある日突然「海外インターンに行く語学基準であるTOEIC730点取ってみるか!」と思ったんです(笑)

当時はTOEIC550点ほどしかなかったのですが、短期間で730点まで引き上げたら面白いかな、と思いまして。そうしたら思ったより短期間で目標を達成できたので、もうこのままインターン行っちゃおう!という勢いで決意しました。

 

ーその決断力、すごいですね。ではなぜASEANの中でもタイで海外インターンシップをしようと思ったのでしょうか?

ASEANに興味を持っていたこともあり、タイを選びました。

なぜタイを選んだかというと、私にとってASEANを最もイメージしやすい国がタイだったからです。「ASEAN」というワードを聞いてイメージするのは”新興国”や”大絶賛成長国”といったものだと思います。

その中でも、一つの国の中で”移民問題”、”環境問題”、”貧困問題”などを顕著に見られる国がタイだと思いました。地理的にもタイはASEANの中心に位置していますしね。インドネシアと悩みましたが、最終的にタイに決定しました。

 

ーなるほど。タイには多くのインターンシップ先がありますが、その中でもなぜJAC recruitment Thailandを選ばれたんでしょうか?

理由として大きいのは人の縁です。

かつてJAC recruitment Indoensiaでインターンをしていた先輩にこの会社をおすすめしていただきました。さらにJAC recruitment Thailandの社長である山下さんが私と同じ関西学院大学出身だったこともあり人の縁が2つ重なりました。

また、「企業と人を繋げる」人材紹介サービスの構造が海外インターンシップを運営するアイセックの経験とリンクしたことも大きいです。

ひろさん

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そして大学4年次を休学し、バンコクへ

井村さん3

ー実際に渡航されて最初の1ヶ月目はどういう仕事をされていましたか?

初めの1ヶ月間はトライアル期間だったので、事務作業をしていました。具体的には書類をまとめたり、ミーティングの議事録を取ったり。社内レポートの作成などです。

また、日本語が話せるタイ人の語学力チェック面接の試験官もさせていただいていました。

 

ー井村さんは今回が初の海外長期滞在ですよね。生活面でインパクトを受けたことは何かありますか?

3つあります。

1つめに驚いたことは医療費が高いことです。

おっしゃる通り、僕は海外長期滞在は初めてで、欧米諸国と同じでちゃんとした医療は十分なお金がないと受けられないと感じました。

2つ目は、屋台や出店が深く現地の生活と一体化していることです。市場、屋台というものは日本ではお祭りの時ぐらいにしか見ない光景ですよね。ローカルマーケットで生まれるコミュニケーションの形や商売のスタイルが日本とは大きく異なると思いました。

3つ目は、貧富の差が目に見える形であったことです。バンコクでは物価の差が非常に激しいです。あまり裕福でない人たちは1食60円ほどの本当に安いものだけを食べています。

一方で明らかに裕福な人たちは、綺麗なデパートで日本レベルの高さの料理を当たり前のように食べています。ここでは”食”という視点からのみですが顕著な貧富の差を感じました。

 

ータイで暮らして不便なことはありましたか?

正直ありませんでした。バンコクは日本人にとってとても住みやすい都市なので。

強いて言えば衛生面です。店によっては衛生管理は雑ですし気になる方は不便と感じるかもしれません。

 

ー一方で便利だと感じたことはありますか?

インフラの整備が充実していることです。バンコクには地下鉄と電車もありますし、5分おきに必ず電車が来るため非常に便利です。またタクシーはほぼメーターがついているため安心できます。

正直ここまでインフラが整っているとは思っていなかったので、バンコクに来るまではバイアスにかかっていたなと感じます。

 

異文化にどっぷり浸かり、海外で働くことの醍醐味とは

ーなるほど。ではインターンの話に戻します。2ヶ月目以降はどういう仕事をするようになっていきましたか?

主にクライアントを担当して人材紹介のビジネスに本格的に携わっていました。

の属していた部署の役割はタイに進出している日系企業の正社員採用をサポートすることです。

具体的に何をしていたかというと、まずタイに進出している日系企業から求人の募集の案件をいただきます。実際にクライアントにオフィスに来ていただき、人材の募集要件などをヒアリングします。それを英語の求人票に反映させます。

そしてヒアリング内容をもとに、タイ人のコンサルタントと協働してその案件に合致した求職者を見つけてきて、適切な人材を適切な企業に紹介する、といった一連のプロセスを仕事内容としていました。

井村さん写真(同僚の方々と井村氏)

ー仕事をする中で最も難しかったことは何ですか?

日本人とタイ人のビジネス感覚をすり合わせることです。

前提としてタイ人と日本人の仕事に対するスタンスは大きく異なります。

例えば、タイ人は仕事に関して「絶対にやりきる!仕事こそが全て!」という人はあまりいません。彼らはどれだけの給料でどういう待遇でその会社はどれだけ自分たちを大事にしてくれるのかを重視します。

一方で、日本企業は給与、待遇以前に「仕事を勤勉にできる人物かどうか」を重視しています。かつ超売り手市場であるタイにおいては、日本企業は柔軟に対応する必要があります。つまり双方の合意点を探していかなければなりません。

この点が仕事をする中で最も難しかったです。

 

ーなるほど。ではその共通認識を埋める難しさを乗り越えるために工夫したことはありますか?

できるだけ物事をフラットに伝えることです。

クライアント、求職者の双方のニーズを完全に満たし、変化させることは非常に難しいです。

そのためにはタイ人にも、クライアントにも事実を婉曲せずできるだけ事実に基づいてフラットに伝えることを意識していました。

また、タイ人求職者を担当しているタイ人コンサルタントに対してコミュニケーションをする際もできるだけ簡単かつシンプルな英語を使うようにしていました。

仕事をする際に、流暢な英語を話すことはそれほど重要ではなく、いかにシンプルな英語でフラットに事実を伝えられるかが重要でした。

井村さん 写真

(インターン生と現地の大学生と交流をする井村氏)

ーインターン中に最も辛かったことは何ですか?

辛かったことは、インターンの終盤に担当していた案件を最後の最後に成約できなかったことです。

途中までクライアント、求職者の双方が合意してすごくいい状態だったのですが、最終的に、文化の違いや仕事へのスタンスの認識の違いが起きてしまいました。その問題を解決するのがなかなか困難で、私はその際に日本人視点で物事を伝えてしまいました。

結果として案件は不成約となったため、とても辛かったですね。

 

では一方でもっとも嬉しかったことは何でしょうか?

自分の担当していたクライアントの規模拡大や成長を間近で感じられたことです。

担当していたクライアント企業の規模がどんどん大きくなっていくのを近距離で感じることができ、貴重な経験をさせていただきました。

 

ー単刀直入に、実際に海外インターンシップを経験してどうでしたか?

「海外で働く」ということへのハードルがかなり低くなりましたね。そもそも僕の仕事の認識は「学生団体とアルバイトを足して2で割ったもんだろう」て思っていたんです。

ですが実際に海外インターンをしてみて、明らかに今までの経験とは違うものだと強く感じました。とは言っても予想以上に難しいものでもないと感じました。また何から何まで楽しいものでもないなと。

言語化するのは難しいですが、海外で働くことって思ったより自由ですし、日本で働くよりある意味楽かなとも思います。タイ人は18時には退社しますし、残業も遅くても20時ぐらいまでなのでプライベートの時間も柔軟にコントロールできます。

 

実際に”経験”したからこそ分かる、海外インターンシップに挑戦する意義とは

井村さんが経験したのはよくある1day・3dayインターンではなく、6ヶ月間の本格的なビジネスに携わる長期インターンですが、海外長期インターンならではの魅力とは何でしょうか?

海外長期インターンシップに参加する魅力は「チャレンジングかつビジネスを実践的に学べる機会があること」です。 海外インターンの固有性は当然ながら「異国の地で仕事をする」という経験ができる点です。

この点が、学業と両立しながら行う国内インターンと大きく異なる点です。文化、宗教、使用言語、生活環境、全てが異なるので厳しい環境で自分に挑戦できるチャレンジングなフィールドがある点が魅力的です。

また、そもそもビジネスを実践的に学ぶには最低でも2~3ヶ月は必要だと思います。

というのも、仕事というものは「学ぶ→実践する→教える」のサイクルを回して初めて全体像がつかめるものであると認識しています。

そしてこの3フェーズは全て均等に配分しなければしっかりと自分の中に落とし込むことはできず、必然的に時間がかかるため、最低でも6ヶ月間は必要だと思います。

今盛んな1dayインターンや3dayインターンとは性質が根本的に違うので一概に比較はできませんが、1日や3日で得た経験や知識は忘れてしまいますし、本当の意味で咀嚼して自分の糧にはしづらいと思います。

またインターンシップという形式ゆえに、実社会との接点が多いため、その国のことをよりリアルな側面から知ることができます。観光などだけでは見られない社会の側面を知れ、そのことが結果的に日本という国を外から見ることができる貴重な経験だと感じました。

井村さん4(熱く語ってくださる井村氏に圧倒されるインタビュアー・清沢)

 

ー井村さんの将来の長期的ビジョンはありますか?

アジアで高付加価値産業のビジネスに携わりたいと考えています。具体的にはファッションビジネスに関わりたいです。

理由は2つあり、1つは私がファッションに興味がとても興味があるためです。

2つ目は、アジアという市場が将来的に大きな可能性を秘めているからです。

アジア、特にタイにフォーカスすると、今までは薄利多売といったビジネスが儲かっていたのですが、現在は産業構造が少しずつ変化してきています。

これからはファッション、ハイブランドなどの高付加価値産業が伸びてくると思うので将来的に携わっていきたいと思います。

 

ーありがとうございました。では最後にこれからの未来を担う若者たちにエールをお願いいたします。

「為せば成る。為さねば成らぬ」です。

とりあえず行動しよう。人によると思いますが、人間に基本的にできないことはないと思います。

限界を決めるのはいつも自分です。

 

取材後記

私自身、井村さんのインターン先で現在働かせていただいているだけに、とても勉強になったインタビューでした。

実際にインターンをしていて井村さんの言う通り「やるかやらないか」が仕事において最も重要だと実感しています。また本気で厳しく指導してくださる上司ばかりで、毎日非常に充実したインターン生活を過ごせています。

井村さんに続き、私もインターン先に少しでも貢献できるように日々精進します。

 

 

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