2017.01.09
こんにちは!
私は、現在大学2年生の石川麗奈です。高校の頃から英語が大好きで、大学では海外の文化などについて学んでいます。音楽も大好きで、小さい頃からピアノを習い、中・高では吹奏楽部に所属していました。
英語が好きということで海外に憧れはありましたが、それはもっぱらアメリカやヨーロッパなどで、東南アジアというよりむしろアジアに全く興味がありませんでした。そこで今回はなぜそんな私が東南アジアを大好きになったか紹介しようと思います。
東南アジアと関わるようになったきっかけ
東南アジアと関わるようになったきっかけは、ボランティアサークルです。大学へ入学してサークルを探していた時、元から教育に興味があったこと、海外に行きたかったこと、ずっとやってきた音楽以外で一生懸命になれる活動をしたかったことなどが当てはまり、そのサークルへ入ることを決めました。
そのサークルでは同じ学科の1〜3年生からなる約16人で、毎年夏にカンボジアの中学校で8日間、ティーチング活動をします。英語を楽しく使えるような授業をし、授業内容から教科書まで1からメンバーで考えます。
1年生の夏のカンボジアでのティーチング活動が、私にとって初めての東南アジアでした。
それまでに一度しか海外に行ったことがなく、カンボジアと言われてもアンコールワットと言われなければわからなかった私には、現地の中学校や生徒の様子は全く想像がつきませんでした。この時の私は、なんとなくで入ったこのサークルが、私の価値観やこれからの学生生活を変えるとは思っていませんでした。
東南アジアでの経験
2015年8月、16人のメンバーと共に1週間のシェムリアップで私にとって初めてのティーチング活動が始まりました。期待より不安の方が大きかったのを今でも覚えています。なぜなら東南アジアは初めてで海外にも慣れていない、先生としての経験もゼロだったからです。
しかし、そんな私を生徒たちは明るい笑顔で受け入れてくれました。カンボジアではクメール語が話されています。生徒たちは英語を完璧に話せるというわけではないので、コミュニケーションが上手くとれないことは何度もあります。しかし彼女たちは目が合うと笑顔になってくれくれました。
生徒たちはどんな授業にも積極的に取り組みます。もっとも印象的だった授業はスピーチです。
1回目の授業ではスピーチの仕方を学び、スクリプトを考え、2回目の授業ではクラス全員に彼らの宝物についてスピーチをしてもらいました。この授業は何年か前からやっていて、毎年生徒たちが感動的なスピーチをしてくれると先輩たちから聞いていたので、楽しみでした。
生徒たちはスピーチの発表のために一生懸命取り組んでくれ、それぞれの生徒が書いたスクリプトを暗記してやってくれたのです。これは1回目の授業では教えていなかったことです。文章の長さは人によってもちろん違いがあります。英語が得意な子は長く色んなことを言えるし、得意ではない子は自由に言えないこともあります。しかし全員が、自分の考えたスピーチをみんなに伝えようと頑張ってくれ、その姿勢がとても伝わりました。
多くの生徒たちが家族と関わりがあるものを宝物として選んでいました。例えばお母さんからもらったネックレス、お父さんが買ってくれたカバンなどです。それを実際に持ってきて示しながら説明してくれた生徒たちもたくさんいました。カンボジアの人々は家族を大切に思う気持ちが深いのだと感じたのと同時に、日本の子どもたちに宝物を聞いたらなんと返ってくるのだろう、とも思いました。
日本では、授業で寝ていたり発表などでもとりあえず仕上げてやり過ごしたりと、気を抜いてしまった経験がある方もいらっしゃるかもしれません。私もそのようなことがあります。
しかし私がカンボジアで出会った生徒たちはそのようなことは全くありませんでした。寝ている生徒は見たことがないし、英語が喋れなくてもできるようになろうと頑張っていました。
最初のクラスでは上手くコミュニケーションが取れなかった子もいましたが、上手くスピーチやプレゼンができた時の彼らの笑顔を見てハイタッチをするのがとても好きな瞬間でした。
たった8日間しか生徒たちに英語を教える期間はありませんでしたが、とても良い経験となりました。
初めての東南アジア渡航を経て、東南アジアという国が大好きになりました。カンボジアでのボランティア活動に加え今までベトナム、マレーシア、ラオスにも旅行として訪れ、東南アジアへの好きな気持ちは高まる一方です。
ラオスでは象使いの資格も取得しました。
私が思う「東南アジアの魅力」とは?
東南アジアの良さというと一言で説明するのは難しいですが、ズバリ雰囲気だと思います。私は現在東京に住んでいますが、東京の人々やシステムなどはとてもごちゃごちゃしていて時間と気持ちに余裕がないと感じます。
例えば電車が数分遅れるだけでイライラしたり、大きい荷物を持っている人がいたら助けるのではなく邪魔だと思ってしまったり。豊かでなんでも手に入る東京だけれど、人としての忍耐力などは損なわれてしまったように自分自身について感じることがよくあります。
しかし、東南アジアでは東京とは違う、ゆったりとした時間が流れています(マレーシアのクアラルンプールは新宿のような都市でしたが)。
例えばカンボジアの飲食店で何十分もご飯が出てこなかったり、ホテルの人たちが仲良く庭でお喋りをしていたり、空港の従業員さんたちがたくさん話しかけてきたり。その雰囲気はそこにいる人たちが作り出しているのだと思います。笑顔が素敵だったのは生徒たちだけではなく、お店の店員さん、道にいる人々、ホテルの従業員など話しかけたら笑顔で答えてくれます。また、現地の訛りがある英語も話し方がゆっくりで、優しくて東南アジアの人々の人の良さや穏やかさが現れているのだと思います。
よく東南アジアは「発展途上国」というイメージが先行しますが、いくら日本の方が技術や経済が優れていても、東南アジアから学ばなければいけない部分がたくさん見つかります。
東南アジアは日本からの航空券も安いし、短時間で行けるので学生にとっても行きやすいと思います。新たな発見や出会いが必ずあるので、まだの方はぜひ訪れてみてください。