あなたの思いやりを英語力に!オンライン英会話で、国境を超えて繋がる絆【お家でセブ留学 人助け英会話 米重有彩氏】

コロナ時代のグローバリゼーション特集』第6弾は、”おうちでセブ留学 人助け英会話”。コロナにより閉鎖になったセブ島の語学学校の先生と、日本にいる英語学習者をオンラインで繋いでチャリティ英会話レッスンを行う米重有彩さんにお話を伺いました。

《プロフィール|米重有彩氏》

2019年度法政大学福祉学部卒業。日本語教師。Ninja先生としてインスタグラム(@ninjapanese)やYoutubeでレッスン動画を発信し、海外の日本語学習者から人気を集める。2020年5月より、コロナで困窮するフィリピンの語学学校講師を支援する “お家でセブ留学 人助け英会話” を始める。

 

「人のために何かしたい」その思いやりを英語力に!


ー 今、やっていることを教えてください。

フィリピンの語学学校の先生と日本人の生徒を繋いで、オンラインの英会話レッスンを運営しています。

コロナの影響で現地の語学学校が閉鎖になり、先生達は給料が一切入らなくなりました。食べ物を買うのもやっとの状況だと聞いて、心配でした。
一方で、日本は緊急事態宣言のもと、みんなずっと家にいて、YoutubeやらNet flixやらを観て「暇だ~」と言ってるのをSNSなどで見ていました。

そこで、時間がある日本人と仕事のないフィリピンの先生を繋いだら、win-winになると思いつきました。

初めは知り合いを中心に生徒になってもらっていたのですが、友人や留学仲間たちがSNSでシェアしてくれて、どんどん輪が広がっていきました。今後もフィリピンに生徒がいけるようになるまでは、続けていこうと思っています。

日本とフィリピン、画面越しで繋がる先生と生徒たち


ー 一般的なオンライン英会話と比べても、かなりレッスン料がお手頃ですよね。

そうですね、なるべく多くのお金が先生のところに入るように、運営コストや仲介のお金を最小限にしています。

ただ、安さを売りにしたくはないんです。
このコロナ禍の大変な状況の中で、人のために何かしたいという人に来て欲しい

先生たちは大手語学学校に勤めてきたプロの講師ですが、途上国なので通信環境や音声におけるトラブルは多々あります。そういうことを理解した上で、ポジティブに関わってくれる人に受講してほしいです。お金ではなく、気持ちで動かしたいですね!

<レッスン料金表>
参照:おうちでセブ留学ホームページ

失恋がきっかけで海外へ飛び出した!


ー フィリピンとの出会いはいつですか?

大学3年生の夏に、語学留学でセブ島に行ったのが始まりです。

海外で英語を勉強したいと思い、留学エージェントに相談に行ったら「まずはフィリピンで基礎を付けてから、ステップアップでオーストラリアに行くコースはどう?」と勧められたんです。


ー そもそも英語を学ぼうと思ったのはなぜですか?

これはですね~、大学3年の時に失恋をしまして…。
それで「日本に居たら思い出すなぁ。じゃあ、もう1年休学して海外行くか!」と思ったのがきっかけです。

あとは当時、ブルゾンちえみさんの「35億」のネタが流行っていたんです。でも「35億の男性に出会うには、英語が話せなきゃだめだよな」と思って、そんな軽いノリで留学へ向かいました。(笑)


ー 失恋がきっかけで今の事業があったのですね!

 

スパルタ語学学校で急成長!


ー フィリピンの語学留学はどんな生活でしたか?

語学学校の先生の実家に招いてもらい、フィリピンで年越し

English Fellaという学校のスパルタコースに通い、ほぼ缶詰状態で勉強していました。平日は朝8時から夜10時までずっと勉強、土日も義務自習や門限がありました。

その名の通りスパルタな環境でしたが、おかげで英語力0のところから4ヶ月程で言いたいことが言えるようになって、最後の2ヶ月は友達や先生との会話を楽しめるようになりました!

セブ人助け英会話の先生はみんな、この語学学校で働いていた資格を持った講師たちです。

 

新天地・オーストラリアでの挫折と挑戦


ー その後は何をしていたのですか?

やはり1度は英語圏で暮らしてみたかったので、ワーキングホリデーで6ヶ月間オーストラリアに滞在しました。

ネイティブの英語の速さに圧倒されながら、日本食レストランでの給仕とクリーナー(家庭での掃除代行サービス)として働いていました。でも少しして、「このままでいいのだろうか?」と思ってしまって。仕事も日本人ワーホリの王道だったし、これを半年続けて日本に帰った時に得るものはあるのかな、と。

ただ、新しい仕事を探そうと思っても、英語がペラペラな訳ではないから、カフェとかでは働けない。じゃあ自分に何ができるだろうと考えた時に「日本語ネイティブじゃん!」ということに気がつきました。

そこで「日本語教師になろう!」と決意。これならその時の英語力でもなんとかなるし、周りに敵もいませんでした。そこから3人の生徒と契約を結び、帰国するまで日本語を教えていました。

これが人生の転機でしたね。

異国の地で、英語で、日本語を教えて、自分がやったことに対してお金を頂ける。
「お金って自分で稼げるんだ」ということに気づいたし、自信がつきました。そして、日本でも日本語教師として生きていきたいと思うようになりました。

 

就活をしなくても、自分で仕事を生み出すことが出来る


ー 帰国してから今まではどんな経緯でしたか?

オーストラリアでの経験を経て、自分でお金を稼ぐ人になりたいと思ったので、就活はしませんでした。
代わりにオンラインで日本語教師として、どこでも仕事ができる人になるための準備を始めました。そこで、その集客のために、日本語を学ぶ外国人向けのインスタグラムを開設しました。


ー 発想力やそこからの行動力が凄いですね!秘訣はありますか?

行動力の原点は母ですかね。母は私の倍くらい行動力があるんです。
私がインスタグラムを始めるときも、マーケティングの勉強をしたり、戦略を立てたりしてる段階で「遅い!とりあえず始めなよ!」と一言。

そんな母からの後押しもあり、わりと行動力はあるかもしれません。
まあ、でも留学に踏み出したのはただの失恋ですからね。(笑)

何かを始めるのが怖くないというのはありますね、失敗しないと思ってるので。


ー す、すごい…。強気な!

いや、失敗しないというとちょっとあれですけど…!
色々やってきて失敗も沢山あったけど、それはどれも失敗じゃないと感じた瞬間があったんです。

何かをするとき、そこにあるのは “やる” か “やらない” かだけ。どんなこともやっておけば、ある時点では「失敗した」と思うようなことも、後になれば「あの時の経験があったおかげで、今こうなっているんだ」とわかります。

失恋だってそうで、そりゃ反省も後悔もあったけど、そのおかげで留学に行って色んな人に出会えた。だから、「とりあえずやってみれば、なんとかなる」という自信があったんだと思います。


ーインスタグラマーを仕事とすることに家族からの反対はありませんでしたか?

就活しないというのは結構心配されましたね。でも就職することのリスクや、自分がどう生きたいかを家族にプレゼンして、納得してもらいました。


ー『就活することのリスク』というのは?

留学に行って日本を客観的に捉えた時に、就活生が軍隊のように見えてしまって。会社の言うことを聞ける人、右と言えば右に行く人ばかりを集めているように見えたんです。自分が海外で学んできたものを、そういう会社のために使いたいとは思いませんでした。自分が自分じゃなくなりそうな危機感を覚えて。

逆に、自分で何かを計画し、行動し、達成して生きている人たちに出会って、自分もそうやって生きてみたいと思いました。その方が将来キラキラしていられる気がしたんです。

それまで、日本にいた頃は私も「大学行って、就活して、いい会社に入って…」っていうのが当たり前だと思ってました。福祉学部だったので、留学に行ってなかったら今頃は介護士か公務員になっていたのかな?

もちろんそれはそれで立派な生き方です。でもその選択は真に自分の意志から出たものか、本当に自分のためになるのか、これから進路を決める人には考えてほしいと思います。

一歩立ち止まって見つめ直した時、新しい生き方が見つかるかもしれません。


ー 自分で道を切り開いていく中で、苦しいことはないですか?

自分の好きなことしかやってないから、楽しいです!

もともと福祉学部だし、ボランティア精神みたいなもの強いのかもしれません。自分の行動が誰かのためになってたら、自分が幸せ。だから続くんです。

それと、フォロワーさんが応援の言葉を掛けてくれたり、「英語が上達した」などと報告をしてくれたりする時に、とてもやりがいを感じています。


ー 今後の目標や夢はなんですか?

お金持ちにならなくてもいいけど、自分の好きなことを、好きな場所でして、好きな時間に働ける人になりたいですね。特に女性はまだ、出産や育児で選択肢が狭まってしまう世の中だから、20代半ばまでにそういうスタイルを確立して、生きていけるようにしたいなと思ってます。


ー アセナビ読者へ、メッセージをお願いします。

アセナビ読者の方には、留学やワーホリに行くか、行かないかで迷ってる人が沢山いると思います。
色々背負ってるんだと思います。「仕事辞めなきゃ」とか、「今行って戻ってきたら就職が…年齢が…」とか。

でも本当に、行った人だけが得られることが山程ある。そこで行かなかったら、損するよ、というのは伝えたいですね。

自分のやりたいことをやると決めるとき、少なからず反対はあると思います。心配だからこそ、そうやって言ってくれるんですよね。
それでも最後は自分の意思で決めて欲しいです。

いざやってしまえば必ず何か得ることがあるし、続けていけば「proud of you(誇りに思って)」してくれる日が来る。それが結果だから。信じて、頑張ってほしいです。

 

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おうちでセブ留学 人助け英会話


編集後記

コロナをきっかけに留学や海外旅行が出来なくなったり、自由に外出できなくなったり、大きな変化がありました。同時にオンラインの可能性が広がり、リモートワークなどの新しい働き方も一般的になってきました。

生き方も働き方も、今まで自分が当たり前と思っていたものが全てではないはずです。
コロナをきっかけに自分の中の『当たり前』を覆し、新たな可能性を見つけることが出来るかもしれません。

抗えない世界の変化の中で、ピンチをチャンスに変え、自分らしく生きることのヒントを頂きました。