幸せの尺度が変わった2週間のフィリピン そこで見つけた、新しい夢

2017.01.14

はじめまして!與座いずみ(よざいずみ)と申します。

去年の夏にフィリピンに短期留学をしたことがきっかけで、フィリピンを大好きになりました。そして今年の春からはフィリピンで半年間インターン留学する予定です。今回はなぜ私がこんなにもフィリピンを大好きになったのかについて書きたいと思います。

 

フィリピンとの最悪な出会い

大学2年の夏に父から「セブ島留学安いし行ってみたら?」と勧められたのがきっかけでセブ島に行くことになりました。その時の私は、セブ島がフィリピンということすら知らず、海が綺麗なリゾート地というイメージしか持っていなかったので、観光気分でわくわくしていました。

元々抱いていたイメージは、こんな場所だけだと思っていた

しかし、そこは想像と全く違っていたのです。

蚊や蟻などの虫が家のいたるところにいて、水道から出てくる水は飲めないのが当たり前。トイレはトイレットペーパーが流せず、場所によってはまるでトイレとは言えないようなところで、行く前に抱いていた「海が綺麗なリゾート地のイメージ」とは大きくかけ離れていたのです。

アジアのトイレには、苦しめられました

初日はカルチャーショックで食欲もなく一刻も早く帰りたいと思う程、フィリピンの最初のイメージは最悪でした。

 

性格がフィリピン人っぽい?

心の変化があったのは、授業が始まってフィリピン人講師と接してからでした。

フィリピン人はフレンドリーで優しく、時にクレイジーでめちゃくちゃ面白いです。どんなに真面目な人でも、どんなにおしとやかな人でも冗談を言います。

また、歌とダンスが大好きでダンスを踊れない人はいないのではってくらいみんな踊りが上手です。フィリピン人講師とコミュニケーションをとっていくうちに彼らの性格を知り、こうなったらカルチャーショックを忘れるぐらい全力で楽しもうと思い、先生が冗談を言うと私も冗談を言い、真面目な先生にも私から冗談を言って全ての授業を楽しくさせました。

放課後にはズンバというダンスエクササイズをする時間があり、フィリピン人講師と一緒にダンスを踊り、また、私のダンスを披露すると彼らは大喜びし更に仲良くなれたのです。フィリピン人講師から「あんた本当に日本人?フィリピン人みたいだね」と言われるぐらい彼らと意気投合しました。

現地の友人たちと

それからフィリピン人がとても大好きになり、自然と慣れなかった生活環境も受け入れられるようになっていったのです。

 

フィリピンの抱える問題

フィリピンでは川沿いに家が密集している地域がよくあります

仲良くなったフィリピン人講師と会話をしていると、フィリピンの良い文化や習慣などを更に知ることができ、日に日にフィリピンが好きな気持ちが増していきました。

しかし、一方で様々な問題も見えてきました。教育を受けるこのとのできない子供がたくさんいることや、今でも壊れそうな家に住んでいる家族、ゴミ山で食べる物を探している人、またストリートチルドレンも多くいて、はじめてフィリピンで「貧困」を目の当たりにしたのです。

そして、特に興味を持ったのは雇用問題です。フィリピンでは多くの人が契約社員や派遣社員で雇われるケースが多く、契約が早く打ち切られ職を失います。そのこともあり、私の語学学校の先生もよく入れ替えがありました。契約が終わった先生たちと連絡をとりいろいろと調べた結果、彼らのほとんどが新しい仕事を見つけていませんでした。しかし、これが当たり前のようで仕事がすぐに見つかる人の方が少なく、長い人は6カ月近くかかり場合によっては仕事を見つけきれない人もいます。

この不安定な雇用形態が貧困をつくりだす原因の一つだということに気が付いたのです。

 

幸せはお金がすべてではない

いつも幸せそうな笑顔を見せてくれました

フィリピンは裕福な国ではありません。しかし、お金がなくても、贅沢な暮らしができなくても、彼らは一日一日を笑顔で楽しく暮らしていました。

そんな彼らを見ているときに、生まれて初めて心の底から幸せを決めるのはお金ではないと感じました。日本で生まれ育った私は発展途上国という言葉は知っていたものの、どういうものなのか知らず、向き合うこともせず生きてきました。

しかし、フィリピンに来てからは、日本では当たり前のように蛇口から出てくる水を飲み、当たり前のようにお腹いっぱいご飯を食べ、当たり前のように教育を受ける子供たちがいるがこれは当たり前ではないということに気が付いたのです。その瞬間、今まで見ていた世界はとても狭かったということを思い知りました。

 

フィリピンにかける想い

私は、将来、人に夢や希望を与えることのできる人になりたいと思っています。その夢を教員として叶えたいとずっと思っていて、今の大学を選び入学しました。

しかし、フィリピンという国に出会ってからはその夢をフィリピンで叶えたいと思うようになりました。契約を切られ、仕事を探している先生たちに共通していた「夢を持てない」という状況、これをどうにかしたいと思ったからです。不安定な雇用形態だと明確な夢が持ちづらいということと、なかなか夢を実現しにくい環境なのではないかと感じました。

人は夢や目標を持つことで人は努力し成長して、より良い人生を送れます。夢や目標を持つか持たないかで人生の質は大きく変わるはずですし、大好きなフィリピン人にだからこそもっと一人一人が明確な夢や目標を持ってより良い人生を送ってほしいと思っています。

しかし、私のフィリピンでの滞在はたったの2週間だったので、正直まだ見えてない部分がたくさんあり、どういう形でそれを叶えられるかもまだ明確にはわかりません。だから、半年間のインターン留学を通してもっと多くのことを知って学び、私にできることを探していこうと思います。

そしていつか、一人でも多くのフィリピンの子どもたちが教育を受け、自分の夢をみつけ、その夢を叶えきれる国になってほしいと思います。