日本と世界が近くなる!「ツナガル窓」は2020年、そう遠くない未来の”ふつう”かもしれない

 

3大生活要素とも言われる「衣食住」。そのうちの「住」はどのように変化し、そして私たちの暮らしにどう影響を与えるのでしょうか?
2020年。今から6年後、東京オリンピックが開催される年でもあります。そう遠くない少し先の未来を覗いてみましょう!

三井不動産レジデンシャル×トラフ建築設計事務所×面白法人カヤックの3社が中心となって開催された「2020 ふつうの家展 〜Park Homes EXPO2014」。当イベントでは、未来における住まいの”ふつう”とは何かを提案しています。

料理だけではなく、3Dプリンターでモノも作れてしまう「ツクル空間」、食卓の様子を撮影し過去と未来をつなぐ「キオクスル食卓」。そして、家にいながら世界と近所になれる「ツナガル窓」。”世界”がキーワードとのことで、私たちアセナビ取材班は「ツナガル窓」に注目しました!

 

東京の家とニューヨークの家は近所だって!?


「世界と一緒に住む」をコンセプトにつくられた、この「ツナガル窓」。皆さんは、skypeなどのビデオ通話は経験したことはありますよね?「ツナガル窓」では、従来のビデオ通話よりも“自然に”、そしてリアルタイムで世界とツナガルことができる窓なのです。

「ツナガル窓」を体感できるワークショップでは、フィリピン・セブ島の小学校と繋ぎ、互いのカルチャーを知ることを目的としたワークが行われました。

下の写真をご覧ください!この一体感を感じられるでしょうか?実は、テーブルの奥行きやカメラの位置を調節することにより、一体感が生み出されているのです。

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互いの文化を知ろう!ということで、まずはセブ島の小学生からフィリピンに関するクイズを出題。日本側の参加者は、ABCの札を持ち、挑戦しました。なんと、フィリピン語で「牛」のことを「バカ」と言うようです。セブ島の子供たちの元気に圧倒され、会場の雰囲気も徐々に打ち解けてきました。

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次に行われたのは、「Chopsticks Game(お箸ゲーム)」というゲーム。普段箸を使わないフィリピンの子どもたちと一緒に、日本文化である箸を使ったアクティビティを行いました。日本人フィリピン人混合の2チームに分かれて、それぞれピーナッツを5個用意します。箸を使って、隣の席の皿にパスしていきます。さすがにピーナッツ自体をフィリピン側にワープさせるのは不可能ですが、フィリピン側のチームにも窓を通じてパスしていきます。

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レースの状況は拮抗し、会場は大盛り上がり!意外とセブの小学生は箸使いが上手でした。

2020年、このように海外にいる人と物理的距離を超えて、自然にツナガルことを想像できましたでしょうか?

 

キーワードは、「“自然に”ツナガル」


ツナガル窓のワークショップを担当したハバタク株式会社の長井氏に話を伺いました。

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“ハバタクは、越境学習型のプログラムを提供している会社です。今回のプロジェクトは、「学び」に関する知見を活用して新しい住まいのあり方を一緒に考えてほしいと三井不動産レジデンシャルさんから声を掛けていただいたことから始まりました。この企画に大きなチャンスを感じたのは、教育の分野でも特に変えづらい「家庭教育」に切り込めるという点です。子供たちが家にいる時間は長いのにもかかわらず、なかなか家庭教育のポテンシャルには気づいている方は多くありません。家は家、学校は学校と切り離して考えている方が多いかと思います。”

ツナガル窓のように、越境学習的要素を家のなかに取り入れ、より自然に、より早期に、よりファンダメンタルな環境として用意できるのは革新的だと思います。なので、skype英会話のように「学ぶために繋ぐ」のではなく、「世界に一緒に住む」というコンセプトにしています。

私たちハバタクが重視している“共創”を実現するためには、“自然さ”が大事です。もちろん、直接会って話したり協働したりできるのが一番の理想ですが、オンラインとオフラインの中間にあるのがこのインターフェースだと思います。PCの小さい画面とにらみ合うのではなく、窓のようにごく自然にあるインターフェースを利用することに意義があります。”

 

このインターフェースが教育以外に与える影響とは?


1.遠くに住む家族との距離が近くなる!

海外で働く日本人の中には、家族別々で暮らしている方が多くいます。とても印象に残っているワードが、「Skype家族」という言葉。シンガポールで単身赴任するとある男性。妻子は、日本にいます。午後6時頃家に帰ると同時に、部屋にあるPCを立ち上げ、skypeで日本と繋ぎます。その後、PCの前でずっと話すわけではなく、付けっぱなしで料理したりくつろいだり普段の生活をするそうです。日本側の妻子も特にskypeを気にせず、普通に生活をしているそうです。たまに子供が寄って来て、パパに話しかけることがあるとかないとか。

稀なケースだとは思いますが、こんな生活は少し寂しいですよね?ツナガル窓が実用化すれば、もっと自然な形で家族間のコミュニケーションを取ることができるようになります!遠くにいる子供の「おかえり〜」という声も聴けるようになるかもしれません。

2.リモートの仕事がリモートでなくなる!

オフィスのあり方が変わるかもしれません。今でも、テレプレゼンスという技術を用いて、遠隔地にいるメンバーと臨場感を持って会議をすることは可能ですが、コストが原因で普及していません。近い将来、小さなスペースでも、壁をツナガル窓のようなインターフェースにし、遠隔地にいるメンバーと繋ぐことができる。そんな時代が来るかもしれません。壁が2面あれば、同じ部屋で3人で働いてるような感覚を生み出すことだって可能です。オフィスではなく、家自体がオフィスに様変わりし、外国人とチームを組みながら仕事をすることだって可能になる時代が来るかもしれません。

いかがでしたでしょうか?
大事なのは、未来を想像してみること。世界と一層距離が縮まる未来にワクワクしていただけたのであれば嬉しいです!

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《リンク》
・Park Homes EXPO2014
http://www.31sumai.com/parkhomes-expo2014/futsunoie/

・ハバタク株式会社
http://www.habataku.co.jp/




ABOUTこの記事をかいた人

アセナビファウンダー。慶應SFC卒。高校時代にはアメリカ、大学2年の時には中国、それぞれ1年間の交換留学を経て、いまの視点はASEANへ。2013年4月から180日間かけてASEAN10カ国を周りながら現地で働く日本人130名に取材。口癖は、「日本と世界を近づける」