和僑財閥を作り目指す”平等な社会”とは? ミャンマーで挑戦する若きCEO 【株式会社Htun Khaing International Co.,Ltd. 高田健太氏】

近年経済成長がめざましく”ASEAN最後のフロンティア”とも呼ばれるミャンマー。
日本人としてミャンマーに財閥を作るという壮大なミッションを掲げ、現地の若者と二人三脚で事業を進めてきた高田さん。数多の失敗をバネに、サービスの成長を続けてきた。
今ではFacebookのフォロワーが17万人になるほどの有名人に。
そんな精力的に活躍されている高田さんの挑戦とバイタリティーに迫りました!


*記事は2018年当時のインタビューによるものです。

 

《プロフィール|高田 健太氏》

2013年丸紅株式会社入社。 アジアを中心に自動車のトレード業務、事業会社投資業務を担当。東南アジア・中近東担当を経て、兼ねてから希望していたヤンゴンへ赴任。ミャンマー語を習得し国営放送にも出演。 学生時代より温めてきた「いつかはアジアで起業したい」という想いを胸に、2018年に独立。総合商社で培ったダイナミックなビジネスマインドと、国を超えて人々の心をくすぐる人間力を活かし勢力的にビジネスを展開。 また個人としても、Facebookページのフォロワー数が17万人を超えるなど、インフルエンサーとしての顔を持つ。

多岐にわたるミャンマーでの挑戦


ー 高田さんの現在の取組みを教えてください


現在、弊社で取り組んでいる事業は主に3つあります。

1つ目は物流マッチングプラットフォーム事業”Hi-So”です。

日本ではUBERやGrabと呼ばれるタクシー配車サービスは普及していませんが、世界中では多くの国でタクシーの配車サービスが普及しています。UBERやGrabは、タクシーの利用者とタクシードライバーをモバイルアプリで繋げるという”人の移動”にフォーカスを当てたマッチングサービスを提供しているのですが、弊社では”人の移動”ではなく”モノの移動”にフォーカスを当て、荷物を送りたい人と配達ドライバーをマッチングするプラットフォームを提供しています。

ミャンマーでは日本のように効率的な物流ネットワークが機能していないので、例えばオンラインでモノを買うと、通常1週間、場合によっては1~2ヶ月も配達に時間を要することがあります。これだと店舗で買う方が早くて便利だと思うのは当然で、オンラインショッピングはなかなか浸透しません。

また、ミャンマーでは約90%のオンラインショッピングがFacebook上でやり取りされています。日本人にはイメージが湧きづらいと思うのですが、Facebookページを使ってお店のサイトを作り、メッセンジャーやコメントのやり取りを通じて品物が売買されています。分かりやすくいうと、楽天モールに入っている出店業者から、楽天の看板を外したような状態です。


そこで、配達効率が悪い物流業界に、ユーザーとドライバーを即時にマッチングするプラットフォームを提供し、ミャンマーの物流に”革命”を起こそうと思っています。
これによって1~2時間以内に配達が完了できるようになります。

 

(”Hi-So”では食べ物だけでなく、衣服や日用品も配達しています。)

2つ目は日本関連コミュニティー運営事業です。

2011年の民政移管以降、ミャンマーには多くの日系企業が進出してきました。それに伴いミャンマーでは日本語学習ブームが起こり、2018年の日本語能力試験受験者数は2011年と比較して約20倍まで急増し、街中に日本語学校が次々と開校されていきました。そんな中、私も2017年6月頃から自身のミャンマー語学習の一環として、ミャンマー人向けに日本に関することを紹介するFacebookページを開設し、動画投稿を開始しました。
今では約17万人超のフォロワーを獲得するまでコミュニティを伸ばしています。

これまでは趣味としてこの日本関連コミュニティ運営を行っていたのですが、
「日本語を教えて欲しい」「日本企業で働きたいのだけど、どうすればいいの?」という質問がフォロワーさんから多く寄せられてきました。そのため、彼らの期待に応えるべく、今後は日本語学習や日系企業への就職支援の事業を開始したいと考えています。


<高田さんのFacebookアカウントはこちらから!>

3つ目は主に日系企業に対するマーケティング支援事業です。

この事業では、ミャンマーに進出している日系企業向けにFacebookページの管理代行や、言語翻訳などのサービスを提供しています。1つ目、2つ目が”ロマンを追い求める”事業に近い一方で、こちらは他事業を回すための”お金を稼ぐ”事業と位置付け、他の2つのサービスとともに精力的に取り組んでいます。

(高田さんが運営するミャンマー人と日本人とのコミュニティ)

 

日本人として財閥を作り、誰もが夢を持てるミャンマーに

 

ー 高田さんが思う人生のミッション・目標をお聞かせください。


私の夢は”アジアで財閥を作る”ことです。

アジアの多くの国には、華僑と呼ばれる中国からの移民が作った華僑財閥が多く存在しますが、その一方で、日本人が作った財閥というのはあまり耳にしません。それならば、「私が和僑として財閥を作ればいいじゃん!」と思い立ち、和僑財閥を作ることを仕事の目標にしたのです。


和僑財閥を作る過程において、アジアの人々への”機会の平等”の提供にも取り組んでいきたいと考えています。ここでいう”機会の平等”とは、”学ぶ機会"や"働く機会"を平等に持つということ。日本では”平等=結果の平等(例えば賃金格差の解消)”という意味で使われがちですが、私が住むミャンマーを含めた発展途上国では、そもそも結果を得る前提となる"学ぶ機会"や”働く機会"が平等にありません。


機会が平等であれば、努力や才能によっては、より良い結果を自ら掴み取れるかもしれません。しかし、所得や居住地によりそもそも機会すらなければ、自らの努力や才能によって、自分や周囲を変えることは不可能です。

私は、会社経営を通じてミャンマーの人々に”機会の平等”を提供して、努力する人、才能がある人が活躍できる社会の創造に貢献していきたいと考えています。

 

ー なるほど。現在のミャンマーは、人々が機会を平等に持つこと自体が難しい社会なのですね。ちなみに高田さんが”機会の平等”を提供したいと思うようになったきっかけは何ですか?

私は大学生の頃バックパッカーとしていろいろな国を旅していました。その際に感じたことの1つは、都市部に住む豊かな人と田舎の貧しい人の間で、夢の持ち方やチャンスに対しての捉え方がかなり異なっているということでした。具体的には、都市部に住む裕福な人たちは自らの夢を大きな視野で話すのですが、一方で田舎に行けば行くほど、自分は今のコミュニティから出ることはないという前提で夢を話していました。

例えば日本の場合、田舎に住んでいようが、都市部に住んでいようが、裕福であろうが、貧乏であろうが、人々の夢の持ち方に大きな差はないと思います。しかし、貧富の差が大きくインフラも不十分な途上国の場合、自身の生まれ育った環境で夢の持ち方が変わってくることは当然でしょう。

その事実を知って衝撃を受けた私は、”機会の不平等”を変えることで、それぞれの国のポテンシャルを引き出し、発展に繋がるのではないかと考えました。そこで自ら”機会の平等”に寄与したいという想いに至りました。

(現地メディアにインタビューを受ける高田氏)

失敗を恐れず、失敗に学ぶ


ー高田さんが事業の中で直面した困難を教えてください。


困難は会社設立当初に訪れました。

私の会社は2018年1月末の会社登記後、人材集めやオフィス設営等の準備をして、2018年4月から本格的に事業を開始しました。

まず創業メンバーを集める際に、自ら考え行動できる若い人たちと一緒に働きたいと思いました。そこで、ミャンマーでもトップ層の大学を卒業した、いわゆる日本の”意識高い系”学生のような男性3名を採用しました。

彼ら3人には、責任感を持って一緒に新規事業開発を行ってほしいと思い、それぞれ”プロジェクトマネージャー”という役職を与えました。私自身の社会経験から得られたフィードバックを丁寧に入れながら一緒に事業を動かしていたのですが、なんとその3名全員がその4月末に会社を退社してしまったのです。

その理由は、「プロジェクトマネージャーという役職に給与が見合っていない、そして自分の考えが受け入れられない」ということでした。彼らの意見を聞き、私は大変驚きました。なぜなら、給与や役職に関しては、採用段階からアナウンスしていましたし、「自分の意見が受け入れられない」ということに関しても、私自身、社員の意見を聞きながら是々非々で判断を下していたからです。

彼らの意見に納得することはできなかったのですが、この経験から、

①個別事業に対する思い入れが強く、戦略がある程度固まっているなら、
”意見を戦わせる社員よりも、自分の夢を即時に理解し、一緒に夢に向かって歩んでいける社員を採用するべき”
②ミャンマー人の持つ役職に応じて給与が上がるという会社文化を理解し、”不必要な役職を与えるべきでない”

という気付きを起業初期段階で得られたのは、今振り返ると大変良かったなと思います。

 

ーそこからどのように会社を盛り返していったのでしょうか?


創業メンバーとして採用しすぐに辞めたのが、意識とプライドの高い男性3名だったこともあり、次は真面目で柔軟性のある女性2名を採用することにしました。

ミャンマーを含めた東南アジアの国々では、男性に比べて女性の方が真面目でよく働くと言われていて、日本とは異なり多くの女性が社会で活躍しています。実際に弊社でも6月に女性2名を採用してからは事業の方向性で揉めることがなくなり、大変スムーズに事業を進められるようになりました。

会社経営というのは、毎日がトラブルや失敗の連続です。なるべく日々の問題発生を防ぐよう起業家は常に先読みをし続けるのですが、それでも問題を完全に避けることはできません。それよりもトラブルや失敗が発生した際に、いかに早くそれを解決し、そこから学び、組織や事業をより強固にできるかの方が大切。私は何かトラブルや失敗が起きた時はいつも「会社をより良くするチャンス!」とポジティブに捉えるようにしています。これからも様々なトラブルや失敗が起こるたびに、それらのピンチをチャンスに変えて、大きく会社を伸ばしていきたいと思います。

 

ー最後に学生の皆さんにメッセージをお願いします。

私は、”大学生活は人生で最大の夏休み”だと思っています。その時間を活かすも殺すもその人次第。しかし、この時間の過ごし方でその後の人生が決まるといっても過言ではないでしょう。私自身も大学生の頃、留学・バックパッカー・海外インターン・議員インターンなど、積極的に行動してきましたが、それらの経験が今まさに自分の基礎になっています。

大学生の皆さんにはそのことを認識した上で、ぜひ大学生活という”真っ白なキャンパス”に思いっきり自分色の絵を描いていただきたいと思います。

・やりたいと思うことを”やる”
・行きたいと思うところに”行く”
・会いたいと思う人に”会う”

真っ白なキャンパスを、どんどん自分色に染め上げていきましょう。そうすることによって「自分にはこんな絵のセンスがあったんだ」「この色使いは好きじゃないな」と自分なりの気づきを得られると思います。

好奇心の赴くまま行動し、自分の人生の目標を見つけてください。
JUST FOLLOW YOUR HEART !!

株式会社Htun Khaing International Co.,Ltd. のHP:https://htun-khaing.com/en/

 

※本記事は、海外インターンを紹介するWebメディア「Mash Up」様よりご寄稿いただいた記事を元に、アセナビで独自に再編集した記事です。