日本人ムスリムの代表として世界に発信! 〜真のダイバーシティーを求めて〜 和田海二氏

イスラムビジネス特集」第6弾。
日本にいるムスリム(イスラム教徒)は数万〜20万程といわれており、日本人ムスリムは日本の総人口の1%にも及ばないといわれています。中東や東南アジアからの留学生や就労者の増加に伴い、日本に住むムスリムも急激に増えています。

今回は、日本人ムスリムとして日本、ASEANを舞台に活躍中の和田海二さんのぶれない軸と見据えるものにせまります。

《プロフィール|和田海二氏》

早稲田大学国際教養学部在学中、特定非営利活動法人 国際協力NGO風の会(http://kazenokai.com)で数々のプロジェクトを管理。ブルネイ・ダルサラーム大学に留学し、ブルネイの経済やイスラム金融・経済について学ぶ。帰国後、自身と向き合い、イスラム教に入信。日本語、英語のほか、マレー語、インドネシア語を話す。

日本人ムスリムとして

ー和田さんが日本人ムスリムとしてどのような活動をしていらっしゃるか教えてください。

マレーシアやシンガポール、インドネシアのメディアを中心に、僕自身のイスラームへの改宗の理由や日本でムスリムとして生きることについて取材をしていただく機会が多くあります。
国内でもイスラームに関するセミナーなどでお話をさせていただくことが多いです。

また、ムスリム・非ムスリム関係なく、様々な課題に対する議論の場に参加させていただくことも多くあります。

参照リンク:
https://youtu.be/z9WnW8Gjbrs

参照リンク:https://youtu.be/yW6dlFMZEGo

参照リンク:https://www.havehalalwilltravel.com/blog/reverts-ramadan-world
ー和田さんの考えるイスラーム文化、イスラーム的価値観とはどのようなものですか?

基本的に日本人が小学生の頃から学ぶ道徳教育がイスラームの教えだと考えています。「人に良いことをしよう、命を大切にしよう」とか。
それがなぜ道徳教育とイスラームに分けられているかというと、対象が異なるからです。

日本は対象が社会です。「社会(世間、周りの人)に迷惑をかけてはいけない」。
一方でイスラームの場合はなぜ良いことをすべきか、なぜ悪いことをしてはならないのかということが全部、神様のためなんです。

目的意識が違う。それだけなんです。ムスリムでない人も信仰はなくてもイスラームの実践を実はしているんですよね!

あと、日本人に「生のムスリムと触れ合ってほしい」という気持ちが大きいです。彼らに対して厳格そう、近寄りがたいと思っている人たちもいると思いますが、彼ら、めちゃめちゃ普通です、ふつう。なおかつ優しいんです。接点持ったら、見えてくるものがあると思います。
ー日本のムスリムコミュニティについて教えてください。
僕が改宗してから、日本人のムスリムと会う機会が増えてきました。定期的に開催されているイスラームに関するセミナーや金曜礼拝、人とのつながりで様々な日本人ムスリムと出会います。「あ、意外と日本人のムスリムいるんだな!」と思いました。

「仕事で長い間インドネシアにいて、イスラームと出会った」
「仲のいい友達がたまたまムスリムだった」
「彼氏がムスリムだった」
「クルアーンの音が綺麗だった」
「苦悩の果てに、宗教を勉強していたらイスラームに出会った」

理由は本当に十人十色で、イスラームと出会う背景がそれぞれ異なります。そのような経験や体験を共有するだけでも刺激的な時間を過ごすことができています。

経験の延長線上に見えたもの

ー和田さんは学生時代どういったことに取り組んでこられたんですか?

僕は3年生時に留学するまで、国際協力NGO風の会でカンボジアの子どもたちへ教育支援をするプロジェクトに打ち込んでいました。
カンボジアの孤児院の子どもたちに英語・理科教育の支援をしたり、学校を作ったり、ハードな面もソフト面も支援するものでした。

僕は最終的に事業局長として、それぞれのプロジェクトを全部統括するような役職について奮闘していました。

ーその後ブルネイに半年間留学されたようですが、なぜブルネイを選んだのか教えてください。

ひとことで言うと、ヒダーヤ(「神の導き」を意味するアラビア語起源の語)だと思います。カンボジアでの活動もあって、東南アジアにひかれていました。その中でも応募したプログラムの条件を考慮して、マレーシア・フィリピンが候補に挙がりました。

当初はマレーシアに行く気が満々だったので、マレー語を勉強していたんです。ですが、もう一つ候補があることを告げられました。それがブルネイでした。ブルネイでもマレー語が使えるということを知って、なぜですかね(笑)、二つ返事でブルネイに留学することを決めました。

ブルネイではブルネイ・ダルサラーム大学で、ブルネイの経済・イスラム金融・マレー語を学んでいました。
ーイスラム教・イスラーム文化、ハラールに興味を持ったきっかけは、ブルネイでの経験にあったのでしょうか?

実は違うんです。確かにブルネイで初めてムスリムが身近になりました。しかし、その時点では正直あまりイスラームに興味を抱かなかったです。
ムスリムとの接点を意識するようになったり、「ムスリムのために何かしたい」とイスラム教・イスラーム文化、ハラールなどに興味を強く持つようになったりしたのは日本に帰国してからですね。
ムスリムの交換留学と日本のいろいろなところへ出かけた際、食べるものに困るという場面に遭遇した経験が大きいです。

ーそうしてイスラームに興味を持ち、和田さんは現在ムスリムになられた訳ですが、イスラームに入信した理由や背景を教えてください。

僕が改宗したのは、2017年の10月になります。

カンボジアで活動する→東南アジアに興味を持って、ブルネイに留学する→ムスリムと出会う

これまでの出来事が全部きれいに繋がって線になったんです。

ブルネイから帰ってムスリムの友人が増えると、自然とイスラームに触れる機会が日本でも多くありました。

私は「生きること」や「家族のつながり」などに意味を見出したくなった時期があって、そのときにムスリムの友人がイスラームの考えを共有してくれて、イスラームが心にすっと入った瞬間を覚えています。

それに、僕は結構遊んでいたので(笑)、理想の自分像と当時の自分がかけ離れていました。イスラームを勉強しているうちに、イスラームの素晴らしさが自分の不足している部分を補うと発見したんです。

もちろん、ブルネイや日本であったムスリムの友人たちが素晴らしい人・優しい人ばかりだったということも起因しているかもしれません。

ー改宗した際の周りの反応はどのようなものでしたか?

改宗に対して、当初の親の反応は否定的でした。ですが、改宗する前からムスリムの友人を紹介していたので、「危ない宗教」だとかマイナスなイメージは事前に払拭できていたかもしれません。
今では、業務スーパーやオンラインでハラールの食材を買って料理してくれます。おばあちゃんはまだマイナスなイメージを持っていて、今後理解してくれることを願っています(汗)。

多文化共生を求めて

ー和田さんの将来の目標・夢、キャリアプランを聞かせてください。

僕の目標はムスリムも含め、全ての人が日本で快適に過ごせるような多文化共生を実現することです
僕自身も今後はもっとイスラームを勉強して、しっかり日本のムスリムコミュニティに貢献できるように頑張ります!

キャリアプランに関しては、「今後、東南アジアを舞台に仕事をしたい、外に出たい、現地の言語や宗教をもっと勉強したい、海外ビジネスを経験したい」といったように、海外で活躍する機会を探しています。インドネシアやマレーシアなどで働いて、しっかり税金を納めて、東南アジア地域に貢献したいという想いもあります(笑)。
ー日本におけるムスリム向けのビジネス、ハラールビジネス業界の展望、また日本がムスリムフレンドリー国家となりえるかについてどのような意見を持っていますか。

日本でもっともっとハラールレストランやハラール対応の場所が増えていくことが理想です。「当たり前にハラール対応されている」という環境が好ましいですし、これが展望というか願望です。
展望としても、そのような店や場所が日本で増えているのは確かですので、訪日インバウンドが伸びている限りは、業界も伸び続けると見ています。
日本はムスリムフレンドリー国家に近づいていっていると言えます。

また、長期的な視点で、ムスリム観光客だけでなく、日本で働きたい優秀な人材や在住者を確保するためにハラール対応を日本がしていくことは重要だと思っています。

ー最後に読者へのメッセージをお願いします。

今後、どこにいても何をしても生きていく上で国籍、性別、年齢、宗教、関係がなくなると思います。その際、色眼鏡なしでその人個人と向き合っていくことが大切だと思います。
お互いがお互いを尊重し合う姿勢がビジネスを超えて求められる世界になると思います。の情報、生の人、生の経験、生の機会、そういったものを踏まえて物事を判断していってもらいたいです!


編集後記
「人好き、軸がぶれない」、そんな印象を和田さんに抱きました。そして、しっかりと自分の軸を持って物事を判断し、且つ全ての相手を尊重する姿勢を持つ彼の生き方、考え方は、今後多様化が進む世の中で、多様な選択をしていく人たちに大きな影響を与えると感じました。
取材内容以外にも、ハラール対応のお寿司屋さん、ベジタリアン・ビーガン・ムスリム用のメニューを提供するカフェ、ハラール対応のお土産を売る店に連れて行ってくれたり、ライター(松本)のキャリア相談にも乗ってくれたりなど、とても優しくて気さくな一面もある魅力的な人でした。




ABOUTこの記事をかいた人

松本 晴那

東京外国語大学4年生。 インドネシアにてボランティア・インターン・1年間留学の経験あり。 旅行や写真、ファッション、ヘルシーフードが大好きです。 IG:@harunaprs 英語、インドネシア語の通訳・翻訳のお仕事依頼はharchierabbit@gmail.comにお願い致します!