イスラムビジネス?
イスラムビジネスはイスラム教徒=ムスリム相手のビジネスを指します。
アセナビライターである私、松本晴那が「イスラムビジネス」について興味を持ったきっかけは、ムスリム女性の衣服でした。
「ヒジャブってかわいい!!」
私が世界で最もムスリム人口の多い国・インドネシアに留学していたときのこと。
道ですれ違う女性がカラフルなヒジャブ(ムスリム女性が頭髪を隠すために着用するスカーフ)や花柄のヒジャブを着用しているのを目にし、衝撃が走りました。
ヒジャブと言えば地味で質素なイメージで、まさかこんなにもファッショナブルだとは思ってもいなかったのです。
知り合いのインドネシア女子に話を聞くと「信仰をしながら、限られた中でもっともっとオシャレを楽しみたい」のだとか!
ヒジャブにビジネスとしての高いポテンシャルを感じた瞬間でした。
今後世界最大勢力になると言われるムスリム。
日本でもヒジャブ姿の女性を見かけるようになりました。
ムスリムが日本に来て戸惑うシーンはたくさんあります。彼らも日本でしか体験できない文化や食事を楽しみたいはず!
そのために知っておくべきことは「どこにいてもムスリムはもはや他人ではない」ということ。
なぜ今、世界がイスラムビジネスに注目するのか?
なぜ今、イスラム市場をターゲットとしたビジネスに世界中から注目が集まっているのでしょうか?それは、「そこに大きな市場と可能性があるから」です。
米調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)によると、2020年には世界の人口の4分の1(20億人)をムスリムが占め、イスラム教は2070年までにキリスト教と肩を並べ、2100年にはキリスト教を追い越し、世界最大の宗教になると予測されています。
一般社団法人ハラル・ジャパン協会の代表理事の佐久間朋宏氏は、「現在、ムスリムを対象とする市場規模は推定300兆円といわれ、2030年までには1000兆円に達するとの経済予測があるhttps://www.foods-ch.com/shokuhin/1456462207575/」と言っています。
まさに、世界中が注目するアツい市場なのです。
ムスリムが最も多い地域ASEAN
ムスリムが最も多い地域はなんとASEANだった!
世界のムスリムの半数以上はアジアにいます。中でもムスリムが最も多い地域はASEAN!特にインドネシアは世界最大のイスラム人口(人口2億5,000万人のうち約9割)を持つ国で、マレーシア、シンガポールにも多くのムスリムがいます。
近年のめざましい経済成長に伴い、ASEAN諸国では中間層が台頭しています。今後、イスラム市場が拡大していくこと、日本を訪れるムスリムが増加することは確実だと言えるでしょう。
日本の未来、そしてこの特集で叶えたいこと
世界がイスラム市場に注目する中、人口減少で国内需要が減っていく日本は、ムスリム相手にビジネスをしていくことが求められるのではないでしょうか。
現在、イスラム市場に進出している日本企業は、例えばハラール食品分野では味の素、キューピー、大正製薬、ヤクルト、ポッカ、ムスリムファッション分野ではUNIQLO、ハラール化粧品分野では資生堂などが挙げられます。(حلال Halāl ハラール=イスラーム法においてアラビア語で「合法的なもの」「許されたもの」を意味する)
また、2020年に東京オリンピックを控え、観光立国を目指している日本にとって、いかに訪日ムスリム観光客を取り込むかも鍵となってきます。
日本はこの可能性にあふれた市場へのチャンスをどう活かしていくのか。
この特集を通してイスラームの紹介やイスラムビジネスに携わる社会人、学生をインタビューして紹介することで、大きなインスピレーションをアセナビ読者や日本全体に与えることを願っています。
“経済的利益の追求、ビジネスのため”だけでなく、“多文化共生社会の実現のため”に、日本人がイスラームを理解するための一助になれば幸いです。
それでは、「イスラムビジネス特集」はじめます。
今回はイスラムビジネス特集として、ハラールフード、ムスリムファッション、イスラム文化やムスリム情報、ハラール情報に関わる生の声をお届けします。