ベトナム発展の起点! あなたは「ドイモイ政策」を説明できますか?

第二次安倍内閣によってかかげられたアベノミクス。成否は別としても、様々な議論を呼んでいますよね。

でも実は、今から30年前にこのベトナム版アベノミクスが行われていたのです!

ASEANアツい!ベトナムアツい!そう考えている方はすくなくないはず。では、なぜアツいのか。あなたは説明できますか?

今回は、ベトナム経済にかかすことのできないベトナム版アベノミクス “ドイモイ政策”についてお伝えします。

まさに“刷新”!!ドイモイ政策4本の柱

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“ドイモイ(Doi Moi)”は1986年の共産党大会において提唱されたスローガンで、「刷新」を意味します。

ドイモイ以前、人々の食料は配給制でした。決まった日に決まった場所で列をつくって待たなければ食料を手に入れることができず、それに加えて経済は政府が主導で動かしていく「計画経済」。このようなガチガチの社会主義体制だったベトナムは、ベトナム戦争後の影響で食料不足や貧困に悩まされていました。

そして、国の政治・経済のありかたを変えることを宣言しました!

ドイモイ政策は以下の4つの政策路線によって支えられています。

1 資本主義経済の導入(お金でものが買える経済)

2 国際社会への協調 

3 国民の生活に必要な産業への投資(農業、食料品など)

4 社会主義政策の緩和

特に、資本主義経済の導入は国のありかたを変えるものでした。今まで配給制の生活に慣れた人々は、お金でものを買う、お金を貯金する、から真逆の仕組みだったからです。

ASEANを知る人にとって重要なのが2番目と4番目の政策、「国際社会への協調」そして「社会主義政策の緩和」です。

ASEAN発足は1967年ですが、ベトナムはおよそ30年間その輪に入ることができませんでした。なぜなら、ASEAN諸国は反共産主義国の性格をもっていたため、社会主義国であったベトナムは加入を許されなかったのです。

しかし、国際社会に貢献する政策をかかげて社会主義政策の緩和を行ってきたことにより、ベトナムは1995年、ASEANの一員として加盟することができたのです!

社会主義国家であるベトナムの加入により、ASEANはいままでの反共産主義国の集まりから地域経済共同体の性格がつよくあらわれるようになったのでした。

参照:【保存版】そもそもASEANとは? 発足のきっかけと日本との関係を簡単に説明します!

波乱万丈?ドイモイのたどった苦労。

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資本主義経済の導入など革新的な政策をおこなったドイモイ政策でしたが、開始当初は様々な困難がまちうけていました。

東側諸国との国際関係が悪化していた当初、その影響でベトナムの通過「ベトナムドン」は価値を下げ、国内は高インフレーション状態。推定率700%を超える物価上昇率を記録していました。これは、前年に100ベトナムドンだったものが700ベトナムドンになっているということになります。

誰も自分の国の通貨を信用しないですよね?笑

このような状態で国の財政は破綻、通貨も信用ゼロ、ひどい結果を引き起こしました…。

しかし、1989年ベトナム軍のカンボジアからの撤退、92年日本のODA(政府開発援助)の再開と国際関係の回復をしていくにしたがって、ドイモイ政策の効果はあらわれ始めました。

1992年以降は実質経済成長率が8%に達するときもあらわれ、近年の平均では6〜7%あります。(2015年の日本の経済成長率は0.7)

さらに2000年から2010年の10年間でベトナムのGDPは倍に!

長年の辛抱の末、ドイモイ政策は軌道に乗り始めたのでした。



今なおつづくドイモイ政策。その行く末とは。

2016年、ドイモイ政策から30年たってしまいますが、実はまだこの政策はずっとつづいているのです。長寿の政策ですね!

また、2015年7月にある出来事がベトナムで起こりました。なにかわかりますか?

それはビザを所有したすべての外国人による不動産の所有が可能になったことでした!

いままでの法律では条件を満たした一部の外国人しか購入ができず、所有期間は50年間、居住目的のみ購入が可能でした。しかし、改正法では賃貸目的での購入をみとめ、所有の期間も50年間と延長アリに緩和されました。

この動きの意味することは、ドイモイ政策が始まり30年が経過した今でもその理念はつづき、さらなる政策効果も期待できるということです!

今年、2016年はドイモイ政策の“フシメ”である30年がたちますが、2016年党大会にもドイモイ政策の継続が確認されるでしょう。

さらに!今年の党大会は異例の年3回開催。従来の年より1回多く開催されることが決定しています。

これはなにか起きることを期待せずにはいられませんね!

近い将来、ベトナムの閉ざされたとびらが完全に開く日もそう遠くないのかもしれません。このような国をアツいといってもいいのではないでしょうか?

みなさんもベトナムのこのアツい動向、目をはなさいでいてください!