2016.2.11
昨年のシンガポールといえば、建国50周年ということで、国中が一年に渡って盛り上がりました。節目の年に国自体がプロジェクトを組むことで、世界的にPRできたり、その意味合いを国民が再確認したりすることができます。また、観光の誘致につなげることで地域の活性化にもなりますね。
さて今年のシンガポールは? というと日本との関係が一層深まる一年となりそうです。
目次
日本・シンガポール外交関係樹立50周年
( 両国の観光需要を促進するSJ50記念行事ロゴ。一般公募で選出された日本在住のシンガポール人の作品。)
2016年、外交関係の樹立50周年を記念となる節目を迎えました。
シンガポールの“S”、ジャパンの“J”、50周年の“50”を合わせた事業名称を「SJ50」として、様々なプロジェクトが双方国で行われるのです。このプロジェクトの舵をとるのが、シンガポール政府観光局(STB)と日本政府観光局(JNTO)です。1月にはシンガポールで観光交流促進に向けた協力覚書を締結しました。
日本とシンガポールは、1966年4月26日に外交関係を結んで以降、「シンガポール日本商工会議所」が在シンガポール日系企業の活動支援を目的に設立され、日本企業がシンガポール進出への発展に寄与。さらには、日本が初めて海外との自由貿易協定を結んだのもシンガポールでした。
©1976, 2016 SANRIO CO., LTD.
APPROVAL No. G563252
( 両国の観光需要を促進するSJ50ツーリズムロゴ。フルーツの王様ドリアンをイメージしたキャラクター「ドリタン」と日本の代表「ハローキティ」が共演。)
現在、シンガポールでは、日系企業の進出が1000社を超えています。街には和食店をはじめ、飲食チェーン店の進出が目まぐるしく、文化発信地区のブラスバザーエリアには、軽井沢のパンの名店「ASANOYA」が進出。品質、技術の高さが人気となっています。また、カルチャーの面でも、日本のアニメ人気からフェスティバルが開催されたり、ファッション施設が丸ごとシンガポールに進出したりしています。
シンガポールと日本、双方の訪問人数はというと、訪日インバウンドが盛んな昨今、シンガポール人の訪日も年々右肩上がり。日本政府観光局によると2015年は30万8800人(推定値)となり、なんと! 前年比35.5%増です。観光というと中国人の爆買いで話題が集中してしまいがちですが、シンガポール人もしっかり日本を楽しんでいるのです。
一方、日本からシンガポールというと、2015年の訪問客数は72万1701人(1月~11月)と、対前年比マイナス4.1%と若干残念な数値に。2010年のマリーナ・ベイ・サンズ開業後のCM効果から観光客数が伸びていましたが、勢いが落ち着いてきたという感じでしょうか。
とはいえ、IT業や金融業が盛んなシンガポールも、この数年で観光施設の充実を図り、観光集客にも力入れをしてきたかと思えるので、この一年の動向が注目されます。
日本でもシンガポールを楽しめるキャンペーンが満載
今回の「SJ50」では、様々なイベントや企業からの企画を募り、日本とシンガポール双方で通年を通した企画が目白押しです。
今回は、特に日本で展開される「食」に関するキャンペーンについてご紹介しましょう。
〇ぐるなびPresents「シンガポールフードフェア」開催中
※詳しくはコチラ!→ シンガポール・日本外交関係樹立50周年記念 シンガポールフードフェア
宴会・グルメ情報検索サイト「ぐるなび」に登録されている東京、愛知、大阪のシンガポールレストランでは、ドリンクサービスなどの特典やシンガポールの旅が当たるキャンペーンを3月15日まで実施。
〇マルハニチロPresents「シンガポール風ラクサヌードル」発売
冷凍食品シリーズの「アクリ」にシンガポール名物のラクサが登場。ココナッツミルクベースのエビペーストの風味がたまらない米粉麺は、現地でも専門店があるほどに人気です。3月1日より販売。
〇明星食品Presents「カトンラクサ」販売
東京や大阪、シンガポールで展開するレストラン「シンガポール・シーフード・リパブリック」が監修したインスタントヌードルです。“カトン”とは、シンガポールでラクサ激戦区といわれるカトン地区のこと。名店の味が手軽に食べられるのが魅力です。4月25日発売。
日本・シンガポールの深い交流に期待!
食関連だけではなく、シンガポール航空や楽天トラベルでもキャンペーンを実施するなど、日本もSJ50を盛り上げています。実は、40周年記念の時にも日本での企画はあったのですが、これといった告知も拡散されていませんでした。今年はラインナップも充実していて、より身近にシンガポールを感じられることでしょう。
シンガポールはさらに充実していて、日本同様にシンガポールでも展開しているぐるなびの「和食レストランウィーク」特集や日本への観光フェア。さらには華道家の仮屋崎省吾さんによるフラワーアレンジメントをチャンギ国際空港に展示(3月)するという熱の入れようです。時期的にも、もしかしたらチャンギ国際空港で桜が見られるかもしれませんね。
50年の節目として大々的に展開する「SJ50」。日本とシンガポールの交流が一層深まることに、シンガポールを愛する筆者としてはとても嬉しく思います。今後の展開にご期待くださいね。