[第一回]トゥクトゥクおじさんに負けないために!アンコールワットまでの交渉シミュレーション

 

最近、食文化など日本でもASEANのものがポピュラーになってきました。しかし、やっぱりASEANの雰囲気をとことん味わうなら実際に現地へ行くのが一番です!

さて、そんな現地でASEANの雰囲気を味わうにあたり欠かせないものは…?やはり自分の足でナマのASEANを見て回ることですよね。そんなときに移動手段として欠かせないのが、バイクタクシーのトゥクトゥク! 

今回はASEAN諸国でもポピュラーな移動手段である、トゥクトゥクについてシミュレーション形式でお伝えします。

 

そもそもトゥクトゥクとは?


一言で言えば後ろに荷台がついたバイクタクシーのこと。料金は多くの場合、交渉制です。

交渉制と聞くと、英語を駆使して相場より高値を払わないよう、すごく頑張る必要があって大変そう…と、敬遠してしまう人もいるかもしれません。しかし、トゥクトゥクからの景色と乗った時の爽快感は、他の何にも代えがたい独特のものです。なによりこの瞬間が最も「ASEANらしい!」雰囲気を実感する瞬間と言っても過言ではありません。

と、いうことでこの記事ではトゥクトゥクの乗り方や、トゥクトゥクを乗る際に起こる出来事をシュミレーションとして、記事にまとめました。この記事を読み終わる頃にはあなたもトゥクトゥクマスター(?)になっていることでしょう!

交渉制というハードルの高さからこれまでトゥクトゥクを避けてきた人も、ガイドブックから大幅に高い相場で乗ってしまい後悔した人も、これからASEANに旅行する人も、必見です!

 

値段交渉に挑む上での前提を確認

まず、乗る前に頭に入れて欲しいことは「相手の条件に乗らなければ、お金を取られることはない。お金は自分のもの。」ということです。
相場より高い値段から下がらずに交渉で負けそうになった時には、ついつい損しているとわかりながらもお金を出してしまいがちです。

しかし、乗る前に握りしめているお金、それはあなたのものです。

つまり、「No」と言えば交渉は不成立、あなたが泣きを見ることもありません。交渉事では、相手に強気で出られた時に「お金を払わなくてはならない」という強迫観念が働きがちです。そして不安な気持ちに駆られてしまい、そのまま押し切られてしまうことがよくあります。ですが…

「相手の条件に乗るまで、交渉は自分次第。」

これを意識するだけで、かなり楽になります。

と、言うより交渉自体が一つの醍醐味でもあるのです、せっかくなので楽しみましょう!(笑)
ちなみに、現地語を使うと交渉のハードルはグッと下がり、場所によっては観光客向けの相場より安く乗りやすくなる、らしいですよ。語学に堪能な方は是非挑戦してみてください!

 

シュミレーション、スタート!


今回は想定として、「カンボジア・シェムリアップの市街地からアンコールワットまで」の往復を想定したシミュレーションとなります。

それではシミュレーションスタート!

友達2人で来たカンボジア、シェムリアップ。明日はいよいよ帰国。その前に、今日は世界遺産のアンコールワットへ行こう。朝食を食べながら計画も立て、準備完了!
ホテルから出ると早速、トゥクトゥクの勧誘をするドライバーのおじさんがやってきた。

 

トゥクトゥク 会話.001
Q.ドライバーの彼はアンコールワットまで連れて行ってくれるそうです。どうする?

A. 相場は6ドルくらいだろう。「6ドルなら払う」と言う!(※2015年1月にはだいたい5,6ドル(20000-22000リエル)が片道のレートでした。)

B. 得をしたいからいっそ安く聞こう、「4ドルで連れてって」と言う!

C. とりあえず向こうの出方を見よう、「いくら?」と聞く。

D. ドライバーが「乗りな」と言っている。時間がもったいないし目的地についてから交渉しよう。とりあえずトゥクトゥクに乗る。

E. トゥクトゥクの相場はガイドブックに載っていたし、ガイドブックを見せながら「この値段で!」と提案する。
ここはとりあえず先に値段を聞くことにしよう。

 

トゥクトゥク 会話.002 トゥクトゥク 会話.003

 

【解説】

この場合、好ましい答えはBとCです。

Bなら「そんな値段で乗れるわけがないだろう」と鼻で笑われ、ここから交渉が始まります。

Cは、おそらく相場より高い値段を吹っかけられ、ここから交渉が始まります。(なお、たまに適正価格をいきなり提示してくるドライバーもいます。交渉の手間が省けたと喜ぶか、そこからさらに下げるかはあなた次第。)

Aはシチュエーションによります。それ以上安くなり得る、交渉の下限を自ら閉ざしてしまったので、ここから値下げ交渉をしても相場以下になる見込みは薄いです。一方、トゥクトゥクの台数が少ないなど、ドライバーが強気に出やすいシチュエーションでは初めから相場の価格を言うことですんなり乗せてくれるケースもあります。

ここで好ましくないのはE。ASEAN諸国は物価の上昇が著しく、最新版のガイドブックより相場が上がっているケースもあります。実際に上がっているのならいいのですが、「その情報は古い、値上がりしたんだ!」と言われてしまってはなかなか返す手段がありません。

絶対にやってはいけないのはDです。これはトゥクトゥクだけではありません。トゥクトゥクの場合でも、乗ってからの交渉は断れません。お金を払う前にサービスを受けてしまうと高額請求をされ断れなかった、というケースも少なくないので、たとえ相場を知っていても「毎回、必ず代金を確認してから」利用しましょう。
さて、無事5ドルで交渉がまとまりました!レート中の安い価格で交渉がまとまったので少し得した気分です。
時間がもったいないとばかりに友達は乗り込みます。慌ててトゥクトゥクに乗り、さあ出発!

15分ほど乗り、無事アンコールワットに到着。

IMG_0850

 

トゥクトゥク 会話4.001

なんと、とんでもない誤解がドライバーとの間で起こっていました。
きちんと値段交渉もしたのに、ドライバーに多くお金を持って行かれてしまい結局高く付いてしまったこの移動…
さて、こうならないようにするにはどうすればよかったのでしょうか。

次回へ続く…!

"Thailand - Bangkok (Tuk Tuk)" -taken by Didier Baertschiger from flickr




ABOUTこの記事をかいた人

浦田 雄介

早稲田大学政治経済学部9月卒。「郷に入りては郷に従え」が何よりのモットーで、長所(?)はどこの国・地域に行っても現地の人に間違えられることです。つまり見た目がインターナショナル。海外に住む同世代の学生と交流することが大好きで、高校時代からそういった活動を行っています。アセナビでも、同じ世代の目線から見たASEANと日本を伝えていければと思います。