テト中にはベトナムを訪れるべからず!?真偽を現地調査!

 

日本ではお盆やゴールデンウイークといった連休中はお店が閉まったり高速道路が渋滞したりすることがありますよね。外国でもそれは同じで、連休中は良くも悪くも、普段とは違った表情を見せるのです。

特にASEANは国や地域によって宗教・文化が異なるので訪れる際には事前に現地の休日を確認することをおすすめします。

そうしないと、お盆中に日本を訪れた外国人がほとんどお店が閉まっていて途方に暮れるというような状況になりかねません(笑) 今回はそんな事例をベトナムで体験した時のことをご紹介させていただきます。

テト中にはベトナムを訪れるべからず!?


まずテトとは、一言で言うとベトナムの旧正月です。現代の日本人にはあまりなじみのない中国の旧正月ですが、ASEAN諸国の多くは中国文化の影響を受けており、その代表格がベトナムとシンガポールです。テトは旧暦によって毎年変わりますが、およそ2月の中旬頃となっており、2015年は2月19日に新年を迎えました。

私がそのような事を知ったのはベトナムへ渡航する前日。ベトナム通の友人が渡航前にテトのことを教えてくれたのです。私はてっきり新年をもう一度お祝いできると思って浮かれていました。しかしその友人は私にある忠告をしてくれたのです・・・

「テト中にはベトナムを訪れるべからず。」

「まあ、行ってみればわかるよ(笑) テト中にベトナムに行くなんて残念だね・・・」

                                  Σ(゚Д゚) 「え!?」

なんのことかよくわからないながら、ホーチミンのタンソンニャット国際空港へ到着しました。「テト中にはベトナムを訪れるべからず。」果たしてそれは本当なのでしょうか?

私はその真偽を探るべく、恐る恐るベトナムで現地調査をすることにしました。

行先はホーチミン→ダナン→ホイアン→ホーチミン。

2015年のテトはもう終わってしまいましたが、来年以降テト中にベトナムに行くことになってしまっ方の参考になれば幸いです・・・

ホーチミン:街中でお祝いムード!


まず、私がテトの存在を実感したのはホーチミンに到着して2日目の朝。なにやら外が騒がしく、9時頃に目を覚ました。お祭り騒ぎだったので、何かと思って外に出てみると ムアラン(麒麟舞)が商売繁盛を願って踊り狂っていました!


 

その後はフラワーロードへ。普段は車やバイクで混雑する道路がテト中は歩行者天国となりきれいな花で飾られてました。黄色い花は縁起が良いとされ、家やお店の前、いたるところで黄色い花が飾られています。それにしてもASEANの女性達は自分の写真を撮るのが大好きです・・・(笑)

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クリスマスからテトにかけてはホーチミン中がライトアップされており、夜には幻想的な雰囲気に包まれます。右側の国旗は現在のベトナム国旗ですが左側はベトナムが南北に分断されていた頃にできた南ベトナム共和国臨時革命政府の旗です。ホーチミンの中心地となるベンタイン市場もきれいにライトアップされていました。

 

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夜にはついに大晦日のカウントダウン!1ヵ月半前に年越しカウントダウンをしたばかりなのにもう一度年越しをするという不思議な感覚。カウントダウンに合わせて打ち上げられる花火を一目見ようとホーチミン中の人々があふれ出てきました。ロータリーに集まってきた群衆はまるで蜂の巣を攻撃した後に襲ってくる蜂の群れのようでした!!

 


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あれ?正直、ここまではテトだからといって特に困ったことはありません。コンビニも開いていますし、ホテル、両替屋、旅行会社といった観光客向けのお店は普段通り営業しています。テトで困るというよりは、普段とは少し違った華やかなホーチミンの様子を見ることができてむしろラッキーでした!

観光で来た私には関係ないのですが、テト中に従業員を働かせる場合、雇用主は普段の3倍もの給料を支払わなければないという法律があります!道端で出会ったベトナムの大学生曰く、大学生にとっては稼ぎ時でもあるそうです。

 

ダナン:ベトナム人家族にアポなしホームステイ!!


翌朝、元旦にはホーチミンからダナンに飛行機で移動。飛行機を待っていると、「あの、日本人ですか?」とベトナム人に突然日本語で声をかけられました。流暢な日本語に驚きながらも会話をしていると、「今からダナンの実家に帰って家族で旧正月パーティーをするんだけど、一緒に来ない?」というお誘いを受けました。そういえば、ベトナムに来てローカル体験をしていないと思った私はお言葉に甘えてお邪魔させていただくことになりました。

家に着いてまずびっくりしたのは、家族・親戚の多さ!誰がどういう関係なのかはよくわからないものの、約20人が集結していました。

実は私、今までにインドネシアとタイでホームステイの経験があるのですが、それらの国々で共通するのは “家族”をとても大切にするということ。お祝い事があれば必ず全員が実家に戻ってきて皆でお祝いします。そこには日本が失った “なにか”があった気がしました・・・

夜には豪華なパーティーが始まり、おいしいベトナム料理をいただきました。下の写真はお母さんがお年玉を配っている様子です。(私も50,000ドンをもらってしまいました・・・)

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 翌朝はバィンチュンという日本のちまきに似たベトナムの伝統料理をいただきました。日本で言うおせちのような存在です。

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お昼からはダナンを観光。ホーチミンの騒がしさから一転、落ち着いた雰囲気でした。テト中、ダナンは少し寒いのでビーチにあまり人がいませんでしたが、夏には多くの観光客が押し寄せます。

ここで初めてテトで困ったことに遭遇しました。カフェで少し休憩してお会計を済ませようとすると、普段の値段から1.2倍の料金を請求されてしまいました!テトによる割増料金です・・・

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ホイアン:さすが世界遺産都市!


翌朝には家族とお別れをし、世界遺産都市、ホイアンへ移動。ダナンからホイアンへはバスで1時間程度です。ホイアンといえばこの遠来橋。別名日本橋とも呼ばれ、現地の人に日本人だと言うとまずここに行くことをおすすめされました。夜には町中に飾られたランタンがノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。なお、ホイアン自体は世界遺産都市だけあって、テトの影響は特にありませんでした。

しかし、交通費には大きな影響が!国内線・国際線共に航空券は普段の2,3倍にまで高騰! ベトナムから脱出しようとしてもプノンペン行きのバスも予約でいっぱい!これは世界どこでも同じでしょうね・・・(泣)

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ホーチミンⅡ:ベトナム人も神社で初詣!?


再びホーチミンへバスで1日かけて戻ってきました。ベトナムのお正月セールはどんなものかと思い、皆さんお馴染みのイオンモールへ!旧正月ということだけあって大混雑です。入ってすぐ目に止まったのは、あれ?鳥居が(笑) 1ヵ月半前にもしましたが、ダメ押しでベトナム人に混じって絵馬を書いてお願いごとをしておきました。皆さん興味津々です!

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 このように個人経営のお店を中心にほとんどのお店がシャッターを下ろしています・・・

一方で公園ではお祭りが行われています。

 
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いかかでしたか?テトの存在を知らされた時はどうなるかと心配でしたが、来たら来たで普段とは違った雰囲気を味わえたので良しとします。正直なところ、今回私が訪れたホーチミン、ダナン、ホイアンは観光地なので観光客向けのお店は普段通り営業していましたのでそこまで心配する必要はないと思います。

もし田舎を訪れることになって途方に暮れそうであれば、ベトナム人のお家に遊びにいきましょう!ベトナム人達はきっと暖かく迎えてくれますよ!

唯一テト中で困ったことは以下の3点だけでした。それ以外はそこまで気にする必要はないかと思います!

1.レストランやカフェでは割増料金が設定されている。

2.航空券・バスが予約でいっぱいになり値段が高騰する 。

3.観光客向け以外のお店のほとんどが閉まっている。

これら3点を考慮しても私の出した現地調査の結果は、「テト中には普段とは違ったベトナムを見ることができるのでむしろ訪れるべし!」です。友人が教えてくれた教訓も楽しみ方次第で変わりました!