人事のアジア統括として急成長中のAnyMind Groupを支える松山栞さんが語る、東南アジアで働くコツ

飛ぶ鳥を落とす勢いで成長し、アジア10市場に事業展開するAnyMind Group。この成長を人事の面から支える松山栞さんに、会社の魅力と異文化への対応の仕方を伺いました。

《松山栞|プロフィール》

アメリカ生まれ、オーストラリア育ち。早稲田大学国際教養学部在学中に交換留学生として、1年間UC Irvineで過ごす。卒業後は日系のIT企業に就職し、インド人採用や海外勤務の日本人採用に従事。その後ベトナムなどに拠点を置く日系IT企業に転職し、様々な国の人々の採用を担当。2017年1月よりAnyMind Groupに参画し、現在はアジア各国支社の人事を統括。

「競争」に惹かれた新卒、「会社愛」を求めた転職

ーグローバルな経歴から新卒の日系IT企業、しかも人事とは意外ですね。

よく言われます。もともと海外で働くことに対して強いこだわりはなかったのに加えて、ベンチャーマインドなのに規模が大きいことが理由でした。

その会社の管理部門は、新卒から高めの年俸制であることを告知していたのですが、それに加えてオフィスが家から徒歩5分のところにあったことがきっかけです(笑)

そして入社を決めたのは、動かせる予算はベンチャー企業よりはるかに大きいのに、ベンチャー気質と実力主義なので自分ができることの幅が広そうだったということです。

人事はもともと全く興味なかったのですが、プロジェクトの関係で私がやらなければいけなくなったんです。社内コンサルをする部署に配属されて、その後人材開発部にたまたま派遣されました。当時会社としてインド人採用を始めるというのは決まっていたのですが、2年弱のキャリアの中で最初の半年はその仕事で、後半は国内外にいる日本人の新卒採用を担当していました。

-どういった理由・経緯で日系IT企業のベトナム拠点に転職されたのですか?

社員が会社を大好きな環境で働きたかったからです。成長を求めて実力主義を押し出す会社に入ったので仕方ないのですが、前職の会社は良い意味でも悪い意味でもサバサバしていました。「この会社大好き」とか「仲間感」とか「この会社で働いていることが嬉しいし誇り」みたいな雰囲気が社内にはなかったんです。とても優秀な学生を採用しているときに自信を持って「この会社があなたにとって一番良い」と心から言えるのか、疑問に思ったことがあったので、次はそういうことを胸張って言える会社に入りたいと思いました。

転職先はベトナムでしたが、新卒の時と同じく国にこだわりは特に無く、決め手は他でもない「アットホーム感」でした。実は当時、既に別の日系IT企業から内定をいただいていて、そちらに転職するつもりだったくらいです。そのようなモチベーションで面接を受けたので、社長に「松山さんは入る気ないな」と見抜かれてしまい、「それなら一度見学にきたらいいよ」とベトナム拠点で開催された全社総出のパーティに連れて行ってもらったんです。

そこでの雰囲気が良くて魅力的でした。社員は家族を連れてきて、この日のために絶対にチームで練習してきたと思われる、とてもクオリティ高い出し物(スピーチや劇やダンスなど)をして、交代する社長のためのサプライズもしていました。「なんて会社愛だ」と思いましたね。そしてなぜかステージに呼ばれて、周りから「いつから入るの?」と聞かれたので、「来月から働きます!」とその場で入社を決めてしまいました。

「競争」と「会社愛」の両立を求めて行き着いたのがAnyMind Group

-そのくらい魅力的な会社だったんですね。しかし、そこも1年で転職されています。

そうなんです。本当にアットホームな雰囲気で今もとても好きです。ベトナム人、日本人、カンボジア人、フィリピン人、バングラデシュ人の採用をしていたのですが、自分が働いていた1年間で500人ほど採用しました。もう毎日が入社の嵐で凄まじかったです。

ベトナムで勤務していた頃の松山さん

ただ、自分が今キャリアアップするためにやらなきゃいけないこと、仕事内容、環境が少しずつずれてきました

そういった理由で、今の自分に必要なことを人事に求めていてる会社で、かつ「競争」と「会社愛」を両立している会社に行こうと転職を決意しました。

 

-AnyMind Groupに入社した「決め手」はなんだったんですか?

今まで働いてきた会社と違って、本当に何もない状態から自分で大きなものを作れると思った点です。これには「カルチャー」と「採用後のプロセス」という2つの意味があります。

新卒入社した日系IT企業も、次の会社も、ある意味では何もない状態から自分で作っていく仕事でした。新卒でのインド人採用も自分で何もない状態からやりましたし、次でも人事部がない状態のなか、自分が全て採用を取り仕切らなければいけませんでした。

ただ、どちらの会社もカルチャーや、採用後の教育制度などの仕組みは出来上がっていました。一方でAnyMind Groupは私が入社した当時はまだ創業して1年も経っておらず、人事部はもちろんカルチャーも教育制度も何も無い状態でした。ここなら会社のカルチャーづくりに貢献できるし、採用だけでなく入社後の社員の成長にも貢献できると思いました。

 

-現在の仕事内容はどのような感じですか?

採用はもちろん、少し述べましたがAnyMind Groupでは採用以外の人事も行なっています。入社フローを構築したり、各社員のパフォーマンスマネージメント、労務、人事情報管理などをしたり、多岐に渡ります。

現在はそのような業務を、10市場の各拠点で働く13人のHR(Human Resources)メンバーを統括しながら行なっています。

 

-言い方が少し雑ですが、人事は少し地味なイメージもあります。どのような時に仕事が楽しいと思いますか?

確かに、単純作業みたいなのもありますよ。大量の書類作成や、誰かの電話番号を入力したりとか、面倒な作業もあります。しかし、自分が口説いて入社してくれた社員がMVPを取ったり、「栞がいてくれたから入社決めたよ」と言われる時に、この仕事やっててよかったと思いますね。

アジアで働くということ

-東南アジアで豊富な経験をお持ちだと思いますが、何か辛かったことはありますか?

ビジネス面でのカルチャーショックは大きかったかもしれません。特に大変だったのが、新卒の会社で任されたインド人の採用後の教育でした。あの時は55人の新卒インド人の入社後に教育プログラムとして、日本語とITの授業がありました。日本語を話せるインド人に日本語の授業をやってもらう予定だったのですが、来日が予定より2ヶ月遅くなってしまったんです。どうしようもないので、その間は私がインド人に英語で日本語を教えることに。その時は本当にカルチャーショックでした。当時の私の気持ちをそのまま表現するのはあまりにも過激なので控えますが、コミュニケーションの取り方がとにかく難しく、とても大変でした。

逆に新卒でその強烈な体験をしたので、他の人よりも若い段階で吹っ切ることができました。ベトナムで働き始めた頃は、初めての「(話す言語の違いが原因で)周りの人が何を言ってるかわからない」という環境だったので辛かったですが、態度など全体的には「なんてよく働くんだ」と感動しました。

 

-吹っ切れる前と後では、何か意識に違いが出ましたか?

異文化に対してより上手く対応できるようになったと思います。

「異文化理解」とよく言われますが、正直、異文化を綺麗に理解することは難しいと思っています。私はどっちかというと理解する必要はなく、とにかく自分の価値観を平らにしてオープンにいることが大事だと考えています。「異文化受容」のほうが近いかもれません。「理解できないということを理解する」といった感じでしょうか。

日本での当たり前は世界での当たり前では全くないので、文化も生活もサービスも日本と同じだと思わないことが大事です。

例えば、日本のカフェで飲み物買ったらめっちゃ笑顔で「ストローさしますか?」と聞かれますが、それが普通だと思ったら海外の接客は最悪に感じると思います。とにかく違うものに対してはオープンに、期待しすぎず接するのがいいと思います。

 

スタートアップマインドを持つ人が集まるAnyMind Groupの魅力

-いくらオープンマインドでいらっしゃるとはいえ、タイなんかは「マイペンライ(大丈夫)」精神であまり働かないイメージですが、そのあたりも大丈夫なんですか?

確かに、それはよく言われることですよね。よく働く日本人と、やる気がないタイ人という風に比較されることが多いです。しかし、うちの会社はそうでもなくて、結構みんなガツガツしていますよ。人事のメンバーのタイ人は、営業マン並みにアポ取りして面接を毎日10人くらいしている人もいます。労務を担当してくれてる別のタイ人も、とてもきっちりしていて、私も見習おうと日々思っています。

 

-タイ人でそれほど働くって珍しいですね。採用する立場として、どんなことを意識しているんですか?

全社共通で言えることですが、採用で意識していることは、一緒に0から色々作り上げて行く過程を楽しめる人かどうかを見ています。もう少し具体的にいうと、自分から仕事を見つけて、自分で期限を決めて自分で遂行する、といったスタートアップマインドを持った人を採用するようにしています。この辺りがAnyMind Groupにいるタイ人の「ガツガツさ」に繋がっているのかもしれません。

その能力があるかどうかは面接でできる限りチェックするようにしていて「過去の仕事の環境」や「何を成し遂げたか」や「なんでそんなに頑張れたのか」などを聞いています。

 

-そんな優秀な人がこぞって入社するAnyMind Groupの魅力って何なんでしょうか?

エネルギッシュで優秀だけど自信過剰じゃないという、とても素敵な人が多いというのはもちろんですが、常に他の国の人と働くグローバルさが他の会社にない魅力だと思います。

大きな多国籍企業だと、月次のレポートはしても他のオフィスの人と毎日オンラインで一緒にプロジェクトをする、みたいなことはないかと思います。しかし私たちは本当に毎日違う国の人と一緒に働くんです。

人事部ではほぼ毎日、他の国で働くメンバーとスカイプで顔を合わせてプロジェクトを進めますし、インフルエンサーマーケティングの事業でも他の国の人からヘルプやアドバイスをもらったり、他の国の広告運用チームに運用を任せたり、というのが常にあるので本当にいろんな国の人と一緒に働く機会が多いです。

あともちろん「競争」と「会社愛」どちらもあります。採用基準のおかげで成長意欲がある人が集まっていますが、それと同時にみんな会社のことが大好きだし、仲間のことが大好きです。

 

-競争の環境は確かにありそうです。会社愛はどういった時に感じますか?またなぜそこを両立できるのでしょうか?

競争環境を保ちながら会社愛を醸成できているのは、社長の影響が大きいと思います。例えば、TalendMindの近藤は会社でもかなり若い方なのですが、十河は彼にとてもフランクに接するんです。とても人間関係が近いというか。社長が率先して社員とフランクな態度で接するので、社員同士ももちろんフランクな関係になっていく、という感じだと思います。

 

会社愛はAll Handsという社員総会と、社員旅行の時によくわかります。

AnyMind Groupでは半年に一回全社員が同じ場所に集まり半期の会社の成績を発表し、今後の目標を社員に伝え、MVPを表彰したり、各チームが出し物をしたりするんです。そこに普段は別々の国で働いている社員が一斉に顔を合わせるのですが、みんな同じ国で働いているかのように仲良いんです。物理的には離れていますが、普段からオンラインで一緒に仕事をしているというのが大きいと思います。

また、社員旅行と聞くと日本では多くの人たちが「めんどくさい」と感じるものかもしれませんが、うちではどこの国の社員も本当に楽しみにしています。

インターン・正社員募集

-現在絶賛採用中とお聞きしました。どんなポジションでどんな人を募集していますか?

海外勤務の広告営業(クライアント営業)、媒体営業、ソフトウェアエンジニアを募集しています。

求める人は上述の通りですが、とにかく成長意欲があってなんでも受け身じゃなく自分で進めていきたいという、高いモチベーションがある人はウェルカムです!年齢や人種は関係なく純粋に能力とやる気で判断する会社ですので、すぐに海外勤務も可能です。

実際にインターンで入社した学生が、今年の4月に新卒入社後フィリピン支社の立ち上げをしている人もいます!

我こそはと思う人はぜひ応募してください!

▼正社員

新卒採用/19年20年卒

広告営業@海外オフィス

▼インターン

3daysのサマーインターン

19卒向け海外インターン

webマーケインターン@日本オフィス

編集後記

私自身AnyMind Groupの社員さんを取材するのは今回で3人目ですが、どの人も例外なく成長意欲と会社愛が半端ないです。冗談抜きで、こんなに社員が会社のことを大好きな企業みたことありません。

異文化の人と働けて、成長できて、給料ももらえるこんなインターン他にないです。絶好のチャンスですので、ぜひみなさん検討してみてください!(自分まだ大学生だったら絶対に応募してました)

 




ABOUTこの記事をかいた人

飯田 諒

筑波大学で休学2年目に突入 ベトナムをDJしながらバイクで2,500km縦断したり、バンコクで8ヶ月間インターンしたり 最近はスタートアップにどっぷりです。 英語が得意なので外国人インタビューなど積極的にしています! 英語翻訳の仕事もやっているので、何かあれば連絡ください。 ryoiida9507@gmail.com