2016.10.17
秋の足音が聞こえる、9月26日(火)。
今回は新たな試みとして、海外インターンから海外就職までの基本をまとめて考えちゃおうというリアルイベントを新橋で開催しました!その名も海外就職のイロハを学べるセミナー〜アジアで働くために知っておきたい具体的なこと〜。
本イベントは「海外で働きたいけど、どこから手をつければいいのか分からない」「海外就職の情報が少ない!結局どうすればいいの?」という方のためのイベントでしたね。
ちなみに会場の方々に聞いたところ、ほとんどの方がアセナビを読んだことがあると挙手してくれました。ありがとうございます!
当日はなんと高校生(!)から社会人まで幅広く「海外で働く」ことを視野に入れている方々にお越し頂き、充実度の高いイベントになったかと思います。
当日のスケジュールは、①海外インターン体験談②海外就職セミナー③交流会でした。
では、ダイジェストで見ていきましょう!
①三者三様!インタラクティブな海外インターン体験談
まずは長期海外インターンを経験したアセナビメンバー3名によるインタラクティブなパネルディスカッション。
登壇者の3人はそれぞれ、アセナビ編集長の磯部がベトナム・フィリピンのIT会社フランジア、副編集長の永瀬がタイのリクルート海外法人のRGF、オリジナル記事ライターの森(本記事筆者)がベトナムのお土産事業Happy Danangでのインターンに取り組んでいました。
というわけで当セッションは3ヶ国の視点から話をしました!
3人のプロフィールやインターン情報は以下。
最初の「Q. どうやって会社を選んだんですか?」との質問に対し、永瀬自身はVISAの関係でAIESEC(アイセック)を利用したものの「東南アジアのインターン需要は高いので、国を決めていれば企業に直接アプライしてもいいのでは」と回答。
森はベトナムのリゾート地ダナンでお土産事業の立ち上げをおこなっていたのですが、Global Wingという仲介会社を利用しました!仲介手数料が高いと思うかもしれませんが、インターン期間が長ければインターン中も帰国後も活用しやすいのでいいと思います。
アセナビの取材先の社長の会社のインターンにした磯部は「wantedly・タイモブなど色々な仲介サービスがあるため比較検討して決めればいいのではないか」と指摘しました。
東南アジアの複雑なVISAの話にもなりました。各国で事情は異なりますがインターン先会社や仲介会社のサポートが大切ですね。
その後、話題は海外インターン挑戦の動機へ。
質問者「何で海外インターンに行ったんですか?海外インターンはハードルが高いと思うのですが…」
森「思い入れのあったベトナムにお土産やキャラクターなど自分のものを残したいという気持ちが強かったです。あとは卒業後のキャリアを考える上で、大学→働く(長期インターン)→大学というサイクルをつくりたかったんです。」
永瀬「当初チュラロンコン大学で半年留学したんですが、不完全燃焼だったんですよね。周りに活動的な人が多かったので海外インターン参加のハードルは低く感じましたよ。」
磯部「”ASEANで働く”を近くするが理念のアセナビを運営しているにも関わらず、自分がASEANで働いたことが無いという自己矛盾があったので、海外インターン参加を決意しました!」
続いて話題は海外インターンと海外就職の関係性へ!
「海外インターンは海外就職につながりますか?海外就職するためには海外インターンをする必要があるのでしょうか?」という質問に対し三者は「現地企業が海外インターンから登用する場合が一定数ある」と話していました。
永瀬は海外就職のために海外インターンを経験しなければいけないということはないとしながら、「現地法人の採用では”タフさ”や”コミュニケーション力”も重要なので、海外インターンの経験で語れるものがあればその経験は生きるでしょうね」と話しました。
さらに今後のことを聞かれると、磯部にとっては日系企業であるかぎり国による労働環境の違いはあまりなく、海外で特別に成し遂げたいことがない限り働く場所にはこだわらなくていいとのこと。永瀬も磯部に同意し、場所ではなくやりたいことで選ぶとしました。ぼくにとっては海外就職も選択肢の一つで、その場合はインターン先のコミュニティーを利用したいと考えています。
さてさて、「海外インターンはハードルが高そうに思えて、どんな準備がいるのか分かりにくい!」と考えていた方も、今回のパネルディスカッションを通して海外インターンがグッと身近になったのではないでしょうか。
海外インターンセッションでは活発に質問が行き交い、大いに盛り上がりました!
やはり海外インターンと海外就職のつながりを気にされている方が多いですね。
②海外で働くのは手段なのか、目的なのか
第2パートは株式会社エバディのCEO金さんと岩淵さんによる海外就職セミナー!
金さんは以前リクルートでキャリアコンサルタントをされていて、香港とベトナムで立ち上げた海外法人では現地法人代表もされていました。そしてその後2015年に株式会社エバディを設立されました。
早速スライドで「海外で働くのは手段なのか、目的なのか」というキーワードが出ましたね。
現地採用のその後はどうするのか、現地で成果をあげられるのかというところまで事前に考えておくべきとのことです。
以下ダイジェストで要点を振り返ります。分かっていそうで分かっていなかったことばかりです!
- 日本を含め各国の政策は、自国民の雇用を守ることが最優先のため、就労VISAなどで外国人が自国の国民以上に特別に優遇されるという状況はあまりない。
- 求人は、「今すぐ人が欲しい」というものがほとんどであるため、入社可能の3ヶ月前くらいの応募がいいタイミングであることが多い。そのため、もう既に現地で生活を始めている人の方が採用しやすいということも多い。
- 面接は1, 2回、書類提出から採用発表まで1, 2週間など選考はスピーディーなことが多い。ゆっくり考えている時間がないこともあるため、応募の際はある程度覚悟を持って。
- 職種は日系企業向けの営業や駐在員サポートなど、主に日本人を相手にする仕事が多い。もしくは、工場のプロダクト品質管理やスーパーバイザーなどもある(マーケティングや企画などのポジションでの日本人採用は多くはない)。
現地企業入社後の年功序列はほとんどなく、キャリアアップは功績などの評価が反映され、能力次第ではすぐ昇格できるそうです。
続いては岩淵さんが登場!岩淵さんは以前ホーチミンへ日本語教師として渡航し現地でEVOLABLE ASIAヘ転職されました。その時の経験も交えながら必要な各種手続について軽快に話を進めていきます。
- 海外で働くにはVISAは必須。以前に比べASEANのVISA取得条件が厳しくなっており、応募の際には自分がその国でVISA取得可能かも合わせて考えるべき。
- 現地の人々の給与水準を理解し、物価も鑑みて条件を確認する。現地採用の場合日本と同じ給与はもらえません。
- どの様な受け入れ条件なら入社をするのかしっかり考えておくこと。
- 住民票を日本に残すと、住民税を払い続けなければならない(住民税は前年度の収入に対して課されるため要注意!)
- 海外で適用される保険は?なければ自分で加入する必要も。
- 年金は自己判断!日本に戻らないor年金をもらわない場合の将来設計、代わりになる保険や自分年金なども考えよう。
ASEANの国別のVISAの取得しやすさ・日系企業の募集数などの情報はとても分かりやすく、目から鱗でした!
海外就職を決断する際は覚悟を持って、主体的に下調べをすることがとても重要なようですね。海外就職にはプラス・マイナスのどちらの面もあります。海外就職があなたにとって目的なのか手段なのか、よく考えましょう!
③交流会
交流会では終始活発な会話が飛び交っていました。
海外就職の情報収集組とインターン&ASEAN体験組で分かれ、各々がASEANトークに花を咲かせていましたね!
たくさんの情報を得て、自分を客観的に見る会になったのではないでしょうか。
参加者はこう思った!
以下はイベント参加者の声の一部です。
- 実際の体験談をお聞きできてよかった。(21歳・大学生・女性)
- 基礎的なこと、年金や住民票などのことが大変参考になった。(22歳・大学生・男性)
- デメリット・リスクも赤裸々にお話ししてくださって、大変良かったです。(26歳・社会人・女性)
- 海外インターンから海外就職まで、一連の流れがあったので、現地採用などを希望する人にはとても良いイベントだったと思います。(23歳・大学生・男性)
- イベント時間が少し短かった(21歳・大学生・男子)
- 漠然と頭にあったことを、イベントと言うかたちでまとまった話を聞けて良かったです。(36歳・社会人・女性)
本イベントでは海外就職の基礎情報を提供し、海外就職のポジティブな面もネガティブな面もお見せできたと思います。
参加者が海外就職を「憧れ」ではなく「現実」のものとして考えるお手伝いができたのではないでしょうか!