2016.03.14
「あと5年したら、この国はすっかり変わってしまうと思うんです」そう話すのは、ベトナムでプラント製作事業を行うソルテックベトナムに新卒で就職した長谷川さん。なんと、ASEANで働くきっかけはアセナビだったという。発展の真っ最中に現地へ飛び込んだからこそわかる「アジアの熱さ」について、また新卒で海外就職することについてのインタビューをおこなった。
《長谷川裕磨さん|プロフィール》
埼玉出身。明治大学政治経済学部卒。
学生時代に1年休学し、シンガポール南洋理工大学に留学。休学中に回ったミャンマー、ラオス、ベトナム、フィリピンの旅を通じ、東南アジアの熱気に圧倒される。この経験から、成長著しい東南アジアで働くことを決意。
ソルテックベトナムに入社。2016年1月より、ソルテックタイの現地責任者となり、給料が倍増。
目次
すぐに海外で働きたいという気持ちを持ち続ける
—海外就職のきっかけを教えてください。
私は、普通の就活生と同じく日本で就活をしました。その時には、「日本で働きたくない」とか「現地採用としてこの国で働きたい」とは思っていなかったんですけど、重点を置いていたのは「すぐに海外へ行ける会社がいい」ということ。
就活時には、商社を中心に見ていました。就活を終えて内定をもらったところもあったんですが、海外赴任するまでには早くても3~5年かかると聞いたんです。出張ベースではなく現地に入り込んで働きたかったので、このままじゃすぐに海外行けないなと。
そんなあるとき、たまたまアセナビで代表のソルのインタビューを見たんです。4年生の12月くらいですかね。新卒でも海外で働く機会を掴めるということで、それを見た時に、「すぐに行っちゃってもいいかな」と感じて、応募しました。
参照:「最高の企業文化でつながったアジアンコングロマリットを作る」ーソルテックベトナム代表 薛悠司氏
1月に履歴書を出して、Skypeで社長と面接したあと、入社を決めましたね。
ーアセナビのインタビュー記事を読んでベトナムで働くことを決めたんですね!どうしてソルさんの記事を見て、入社を決めようと思われたのでしょうか?「海外に行きたい」という軸だけだったら、他にも探せば新卒でも海外に行ける会社あったんじゃないかと思います。
理由は3つあります。
1つ目は、業界としてインフラ開発を通じて途上国の発展に携わりたいと思っていたからです。その点で言うと、商社も合致していますし、製造業もマッチしています。
2つ目は、東南アジア全域を巻き込んでビジネスを展開しようとしているところ。会社を大きくすることに携わりたかったのも、理由ですね。
そして、記事で「世界一元評価」と話していて、そこに強く共感をしました。日本人だから新卒で全員が20万円もらえる時代は、近い将来終わると思っているので。
—面接のときはどんなことを聞かれたのですか?
なんで現地採用なのとか、なんで海外行きたいのとかどうなりたいのとか、覚悟について深く聞かれました。
私は、今後自分が他人と差別化を図る際に、工場の職人や英語が話せない現地人をマネジメントする能力を身につけたいと思っていて。
あとは、学生の頃からアジア成長の熱気を面白いと感じていたので、すぐに海外で働きたいという固い意志がありました。
—「海外で働く」ことを決めた時、周りからの反対はありませんでしたか?
この質問でよくあるのは、「親が反対するケース」ですよね。
私の場合は、父親がよく海外に行く仕事をしていたので、親は「行きたいのであれば行っていいと思う」という意見でした。自分で選んだことには反対しない家庭なので。
周りからは反対されることはありませんでしたが、「まずは日本で働いたほうがいいんじゃない?」「本当に大丈夫?」と言われたことは結構あります。
実際に本当に大丈夫か不安になったこともありました。海外の企業では、日本語使えるだけの人材としてこき使われるイメージもあったからです。でも、インタビュー記事を見て、そういう潰され方はないだろう、という確信がありました。だから、卒業後すぐ、ソルテックベトナムに就職したんです。
ベトナム人ワーカーたちと、大変な現場で苦労した話
—どんな仕事をされているのでしょう?
ソルテックベトナムは、工場設備を製造している会社で、主に工場での製作とその据え付けを行っています。例えば、タンクですね。
肩書はコストマネジメント部のアシスタントとして働いていますが、規模が大きいわけじゃないので部署名に合った仕事だけをするわけではありません。
コスト関連で言うと、コンテナオフィスをレンタルしたときどの会社が安いのかという分析は行いました。他にも、工場を見たり図面を覚えたり、営業の同行もしましたね。あれだめこれだめというのはないので、興味を持ったら何でもできる環境だと言えます。
でも、入社2ヶ月でタイに出張になって、タイに3ヶ月滞在しながら働いていました。
—ええ、2ヶ月でタイ出張ですか!タイでも同じような環境だったのでしょうか?
いいえ、タイでは、タンクを工場へ据え付ける工事の現場で、現場監督の立場を担っていました。
手取り足取り教えてもらうと言うよりは、現場で、やりながら覚えていくという形です。一緒に働いていたのは、ベトナム人のワーカーとタイ人のスタッフ、そして日本から60歳の職人の方です。
3ヶ月ほど担当して、ベトナムに帰ってきました。
現在は、ホーチミンで製品の品質を管理する部署のベトナム人マネージャーの元でアシスタントとして働いています(2015年12月まで)。
—タイでの仕事はどうでしたか?
ソルテックタイは2014年に会社として立ち上がり、その初めての仕事 (現場工事) だったのもあってめちゃくちゃ大変でしたね!
日本語が話せる通訳がいるのですが、それ以外はベトナム語・タイ語・英語をうまく使い分けながらコミュニケーションを取っていました。オフィス系の仕事は英語でいけると思うのですが、現場で働く人たちのほとんどは英語が話せません。だから、現地の言葉が少しでも理解する必要がありますね。
仕事を通じて、ベトナムから一緒にタイに行っていたワーカーたちとの絆が深まりました。一緒のアパートに住んでいて、大変な現場で苦労を共にした感覚があるからです、
ーなるほど…。次に、生活のことについてお聞きしたいです。ベトナムでの住居はどうされたのでしょう?
弊社ではインターン生のためのサービスアパートメントを借りていて、そこで生活しています。
めっちゃ快適ですよ!(笑)掃除・洗濯・インターネットついて300ドル。ホテルみたいな感じで、贅沢な暮らしをしています。
—休日はどんなことしていますか?あとは、気になるお金周りのことも…!
お酒が好きなので、休みの前日には工場の近くの小汚いお店で飲んでますね!(笑)
赴任当初は、フランス人の友人がベトナムに長期滞在していたので、旅行に行ったり飲みに行ったりしていました。
生活については、初任給が1,000ドルなんですけど、全然困らないですね。奨学金を返さなくちゃいけないのでそれはきついですが、それ以外は心配ありません。妥当、というかちょっと贅沢しているなという感覚です。
有休は日本の普通の会社と変わりません。あと、1年に1回は帰国手当が出るので、JALでもANAでも乗って帰っていい制度が整っていますね。私はまだ帰っていませんが(2015年12月当時)、テトにはベトナムにいる日本人たちは一時帰国するみたいですね。だいたい、10日くらいかな。
わからない中でも、仕事を進めていく大変さ。そして、達成感
—新卒で海外就職して、良かったことやメリットみたいなものってありましたか?
生活の話で言うと、日本ではない味わえない刺激が日常茶飯事です。ぼくらの世代って、国がウハウハと発展する感覚って知らないですよね。ベトナムでは同世代となる若い人口が多いし、店どんどん変わったり、バイクがガチャガチャしていたり…。
仕事の話で言うと、「ベトナム人といかにしてコミュニケーション取るか」という能力が伸びました。お客さまは日本人で、ご要望は日本語で教えてもらいます。それを、現地のスタッフにどう伝えるか、どうしたら要求を満たしてせるか。海外で働く上でこれをやりたいと思っていたので、この点については良かったです。
—逆に、どんな苦労がありますか?
実戦を通じて、学んでいかなければならない点。私は、これを求めて入社した訳ですが、思っていた以上大変です。ただ、実力以上の仕事を任されているという、やり甲斐を日々感じることが出来ています。
だから、「なにもかも教えてもらいたい!」っていう人だったらきついです。自分で学んでいかなくちゃいけないので。
—研修があるわけでは無いんですよね?
ほとんどないですね。
研修というよりかは、「現場あるけどどう?」と言われて、なにも分からない中、仕事を進めていく必要があります。大変でしたが、力はつきました。
仕事では図面を元に製作をしていくのですが、たまに、それ通りにいかないことがあって。エンジニアの人に、図面の専門的なことを説明する必要があるけど、技術的な問題があったらやばいしヒヤヒヤする場面が多々あります。本社の人とか職人の人に教えてもらいながらやるんですが、自分に判断を迫られることも多くて。
けれど、仕事に対しての達成感はありますね。 自分が プロジェクトに大きく貢献できた感覚は確かで、やらされている感覚は全くありません。
アジアの熱気を感じるなら、今しかない!
—今後のことについてお聞きしたいです。
実は、正式にタイに異動になったんです。ベトナムに就職したはずなのに、ホーチミンには半年くらいしか住んでいないんですけど...。当面の目標はタイでやっていくことですね。
会社としての規模感がまだまだ小さいので、うまく軌道に乗せられるようにがんばります。がんばるしかないですよね。まさか、こんなに早く働く国が変わるとは思ってもみませんでした(笑)
—そうだったんですね!タイでのご活躍も期待しています!それではさいごに、ASEANで働きたいと思っている若い人に向けてメッセージをお願いします。
いま、ASEANで働くことで1番面白いなと思うのは、熱気を感じられる点です。
というのも、あと5年したら、この国はすっかり変わってしまうと思うんです。少なくとも、都市は完成されてしまい、ここまでの急激な発展を見られることはないはず。バンコクなんかはもう都会ですよね。
私が来た2015年のタイミングでもギリギリか遅いくらいだったと思っていて、国が変わっていく雰囲気を味わえるのは、今しかありません。だから、来るなら今だと思いますね。
現地採用がいいとか、新卒で来るべきとか思っているわけじゃなくて、純粋に「海外ですぐ働きたい」「熱気感じたい」というひとに対しては、そういったオプションを選んでみたらいいと思います。以前に比べたら、早く海外で働ける機会も増えている気がしています。ゼミの同期で、2年目にしてベトナム駐在している友人もいますし。
本当に海外で働きたいのであれば、そこに繋がるオプションを探してみてください。その中で、その時の自分に何が1番合うのかを考え、選んでみたらいいと思いますね!
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