トビタテ!留学JAPAN2期生 谷美千帆さんがインドネシア留学を選んだワケ


幼い頃からご両親のオーストラリアでの体験を聞き海外に興味を持っていたという谷さん。トビタテ!留学JAPANにも選ばれた谷さんの留学や将来の展望に迫る。身近な存在である大学生を通してASEANがまた一歩近くなるかも!?

《プロフィール|谷美千帆氏》

1994年滋賀県生まれ。滋賀県立膳所高校卒業後、大阪大学外国語学部に入学しインドネシア語を専攻。現在大学3年生。2015年の8月中旬からトビタテ!留学JAPANでインドネシアの国立イスラム大学シャリフ・ヒダヤトゥラ校に1年間留学する。将来の夢は日系企業に就職してインドネシアで働くこと。

 

高校生の時からインドネシアの可能性を見抜く!

―初めてインドネシアに行ったのはいつですか?

大学1年の時の夏です。お世話になっている教授が毎年夏にインドネシアへ行くスケジュールを組んでいるのですが、それに参加したのが最初です。2年生の時にも参加しました。

2回目に行った時は、現地の大学の寮に泊まりました。4人部屋だったのですが、3人インドネシア人で私だけ日本人という状況でした。話す言語はインドネシア語でたまに英語を挟む、という感じです。

 

―ということは、インドネシアへまだ行ったことがなかった高校生の頃にインドネシア語を専攻すると決めたんですね!かなりリスクがあったのではないですか?

そうですね、大冒険ですよね(笑)。

母が東南アジア料理がすごい好きでよく作ってくれます。その影響もあって東南アジアに興味があり、どこがいいかなと考えた時に今後すごく発展するところといったらやっぱりインドネシアかなと。

あとは学びやすいかどうか。インドネシア語は「アルファべット」なので何とかなるかなと思って選びました。

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―初めてのインドネシアで驚いたことはありますか?

ジャカルタの渋滞とバイクの量が多すぎて、怖くて渡れなかったことですね。

あと朝からムスリムがお祈りをしていて、「アザーン」という宗教の音楽が流れてきました。いかにもイスラム教の国だなと感じました。

 

留学するためにここにいる。

―ご両親のお話を聞いて海外に興味を持ったということですが、留学に興味を持ち始めたのはいつですか?

留学したいなと思ったのは中学校1、2年生の頃です。でも特に留学に向けて準備をしていたわけではなく、ただひたすら高校受験に向けて勉強していました。

 

―トビタテに申し込んだきっかけは何ですか?

母がチラシを持って来て「こんなのがあるよ。」と言ってくれて、その後教授からも教えてもらいました。

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―留学先の国立イスラム大学を選んだ理由は何だったのでしょうか?

その大学ではイスラム教のことを詳しく学べからです。あとは「ジャカルタだしここにしよう!」という感じで。ジャカルタには有名な大学もありますが有名だし面白くないかなと。留学中はインドネシア語をもっと磨いて、イスラム教のことを理解したいですね。

 

―「イスラム教」というのがキーワードだったんですね。

そうですね、今後日本から進出する上でやっぱりそういうことはちゃんと知っておかないといけないかなと。

前にスマトラ島のアチェに行った時にイスラム教徒の中で生活して分からないことが多すぎて、これはちゃんと勉強しないとこの国で生きていけないなと思いました。

12007212_899032010173266_906772962_n(ムスリムの女性が巻くスカーフ、「ヒジャブ」を巻いている谷さん(左上))

―分からなかったこととは、例えば?

食べ物です。私の後輩がイスラム教徒にアメをあげると、これはハラルかどうかを私に聞いてきました。豚とアルコールは入っていないけれど、ハラルマークが付いてないから「ハラムとハラル、どちらとも言い切れない・・・」何がいいんだろう、どうすればよかったのだろうかと思いました。

あとはトイレが濡れていることですね。向こうは「水浴び場」と一緒なので。それを知らなくてトイレにスリッパで行ったらスリッパがびっちょびちょになってしまいショックでした(笑) いつもどこか壊れています。水が出なかったり扉が閉まらなかったり。 

寮だとちゃんと一日5回お祈りしたのかというチェック表があって守らないとペナルティで単語をいっぱい覚えなきゃいけないとか、私の知っていることと全然違いました。

11998461_899032000173267_1735758828_n(お友達とのツーショット)

―日本人がいない大学に留学するということですが怖くないですか?

そう思ったのですが、やはり日本人ばっかりだとつい固まってしまいますよね。インドネシア語を徹底的に勉強できる環境に身を置きたかったので特に心配はしていません。インドネシア語を話さなかったら本末転倒なので。近くに日本人留学生がたくさんいる大学があるので、いざという時は何とかなるかなと。(笑)

 

―トビタテは留学と+αがセットですが課外活動は何をしますか?

ボランティアをします。長期休暇の間にスマトラ島のアチェに行き、教育支援と職業訓練を行っているNGOで活動させていただきます。

 

―ここがトビタテに選ばれた決定打や理由なのではないかということはありますか?

「日本に貢献したい!」という想いを強く伝えたからだと思います。「計画書の書き方」も教授に指導していただきました。 ぱっと見てどこがポイントなのか掴みやすいようにする。例えば、番号を振ってみたり線を引いてみたり、とここだけ見たら分かるように書きました。

インドネシアは今とても注目されている国 なので、そこに行きたいということもあり採ってもらえたのではないかと思います。

 

将来は日本に貢献したい。

―将来はどんなことがしたいですか?

日本に貢献したいですね。日本企業に入ってインドネシアで商品を開発したり売ったりする仕事に就きたいです。どういった業界とかはまだ決まっていませんが、やはり「インドネシアで働きたい」です。食べることがすごく好きなので食品関係に興味があります。

 

―日本とインドネシアがこれから強い結びつきを持っていく為には何が必要だと思いますか?

昔日本が「植民地支配」をしていたのですがそういうのもちゃんと知って、インドネシアに行く日本人もそのことをきちんと知っていたらもっと協力していけるかなと。

テレビのニュースでもやっていましたがインドネシアの「慰安婦」のことも大学に入るまで知らなかったのでもっと教えてくれたらいいのになと思いました。

 

―インドネシアへの出発が近いですが、どんなことが楽しみですか?

そうですね、まずは現地で自分の専攻のインドネシア語を学べるのが楽しみですね。もっと上手く喋れるようになりたいです。

 

―なるほど!では、心配なことはありますか?

心配はいっぱいあります。向こうで「留学の手続き」をしないといけないので、それがややこしそうです。生活面は寮に住むのですが日本人がいないので「悩みが出来た時」が不安ですね。それを説明するだけの「語学力」があるか・・・

 

―谷さんが思うインドネシアの魅力は何ですか?

国の規模ですかね。今後世界トップ5 に入るくらいの国になるのでそういうところで働けたら楽しいかなと思います。あとご飯がおいしいです!「ミバッソ」や、エビがすごくおいしいです。

 

最後に、この記事を読んでくださっている同世代の若者へ背中を押すメッセージをお願いします。

「夢があるなら一回やってみる」のがいいと思います。自分の可能性を広げるという目的で留学するのもありかなと思うのでぜひ「挑戦」していただきたいですね、みなさんに。

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ABOUTこの記事をかいた人

藪 聡子

同志社大学グローバル地域文化学部2年生。アセナビに入ったきっかけは、タイ・マレーシアへの一人旅。現地の食、人、雰囲気にどっぷりはまりました。ASEANに精通している人や行ったことのない人など、様々な人の好奇心をくすぐるような情報を発信していきたいです!