特集「ハノイがスタートアップの中心となる理由」 - #00 日本人が知らない、超エンジニア大国

 

”ベトナムスタートアップ特集”、始めます

ベトナム大好き、三上と申します。
これまで短期での渡越を6回、長期での渡越を1回経験しており、入国スタンプは8つです。

日本人はこの国を知らなさすぎる。
スタートアップとしてのベトナムを知らなすぎる。

そのように感じています。

連日各スタートアップ関連メディアが発信し、SNSで盛り上がるのは中国やインド、もしくはシリコンバレーの記事ばかり・・・。
私は、間違いなくベトナムがこれからアツいと確信しています。
あえて言いたいです、「もう北京も深センも手垢ついてます」と。

私はベトナムとITスタートアップが大好きです。
だからこそ私自身がもっと知りたいし、かつ日本のスタートアップに関わっている人たちに知ってほしい。

・・・ということで。
ハノイで関係者への取材を通し、ベトナムのスタートアップ事情を解明する旅に出かけました!
特集タイトルは、「ハノイがスタートアップの中心となる理由」です。

調査地はハノイ

 

「ベトナムでスタートアップと言ったらホーチミンでしょ」
そんなご意見が聞こえてきます。いや、待ってください。それだとこの特集を組む意味がないと考えています。

ご存知の通り、ベトナムのスタートアップシーンでよく語られるのは間違いなくホーチミンです。ホーチミンは商業の中心で、お金も人も集まります。事実、投資家の多くはホーチミンにいます。またスタートアップやテック系メディアも拠点の多くはホーチミンです。
しかし、今回の特集では「今後世界から注目されるようになるスタートアップ拠点」を紹介したいのです。現在知られている場所を紹介したところで、それは中国やインドを取り上げるのと変わらないし、それどころか読者にとっての価値は落ちるだろうと考えています。
日本に届いていない情報発信をしたいです。

このような想いから、ホーチミンではなく、ハノイなのです。

 

今後、優秀なエンジニアが大量輩出されるのがハノイ

ハノイの魅力、ポテンシャルとは。その答えは「優秀なエンジニアが多数輩出される地」ということです。
ハノイには、「FPT(https://fpt.com.vn/en)」という巨大IT企業の本社があります。これはアメリカでいうGoogle, 日本でいうYahoo!Japanのような「国を代表するIT企業」です。ここで毎年優秀なエンジニアが育てられ、そして巣立っていくのです。

また、ハノイ工科大学というベトナム最高峰の技術大学の存在もあります。近年、ベトナムのIT企業によるハノイ工科大学への教育支援も盛んになりつつあるのです。
まさに、優秀なエンジニアが育つ環境がハノイにはあります。これがハノイに着目すべき理由であり、そのポテンシャルです。

良いスタートアップや成功するスタートアップには、様々な共通項があるでしょう。タイミングやお金、アイデアが大事などとも言われますが、それらを全て取っ払って、まずはそれを作れる人がいないと始まりません。コードは勉強しながら書くことも可能ですし、多くの非エンジニア創業者はそうするでしょう。しかし、どこかのタイミングで必ず優秀なCTOは必要になります。
将来、ベトナムスタートアップにおけるCTOの多くはハノイから輩出されることになるでしょう。

ハノイ / ベトナムのポテンシャルを示すデータたち

そしてそのポテンシャルはベトナム国内に留まるレベルではありません。
国としても、ベトナムのスタートアップが盛り上がることを想像させられるデータがあります。

国際数学・科学オリンピック(IMSO)でベトナムは総合1位
国際数学オリンピック(IMO)でベトナム優勝/全員がメダル獲得
技術力の高さ、テクノロジーへの精通度が伺えます。

超富裕層の今後10年における増加率はベトナムが1位の見通し
超富裕層の増加に合わせて投資環境も盛り上がることが予想できます。

みずほ総研調査 - ASEANでもっとも注力すべき国の伸び率1位
2019年に発行されるであろうTTPが実現すれば、ベトナムの経済成長はさらに加速します。

超成長のFPTと急拡大のIT人材
ベトナムIT最大手のFPTは、科学・技術省、教育・訓練省などとも連携をし、IT人材の育成に本気になっている。

ベトナムの技術拠点としてのポテンシャルを考察している記事 もありますので、併せてご覧ください。

それでは、「ハノイがスタートアップの中心となる理由」、はじめます。

 

今回の特集で紹介する方々

戦いやすい場所?起業の地にベトナム・ハノイを選んだワケ - TalentWasabi代表 佐藤樹人氏(6月19日掲載)



若い人たちがもっと活躍できる場所を創りたい - これからのFramgiaはスタートアップのためのプラットフォームへ CEO小林泰平氏(6月20日掲載)


「ハノイは人工知能の聖地になるか - アジラ代表 木村大介氏」(6月21日掲載)


「ベトナム人エンジニアの秘密」Awesome Academy - Phan Lac Phuc氏(6月22日掲載)