【アセナビ×GlobalWing】海外インターン経験者対談「ASEANインターンのリアル」朝舩氏・舞原氏

2017.9.10

9月16日(土)のイベント“ASEANでインターン”を近くするに登壇する、海外インターン経験者2人の対談を行った。シンガポールとベトナムの厳しい環境でビジネス経験を積んだ2人は、現地で何を得たのだろうか?これからインターンを考えている学生に向けてのメッセージも頂いた。

《朝舩颯哉(アサフネタツヤ)氏 |  プロフィール》(写真左)
1992年生まれ、九州大学卒。大学3年次に1年間大学を休学し、アメリカの大学へ6ヶ月の留学を経て、その後6ヶ月間、シンガポールの旅行系ベンチャーでインターンを経験。帰国後は人材スタートアップ企業の創業に
携わり、現在は外資系コンサル会社に勤務。

《舞原勇雅(マイハラユウガ)氏 |  プロフィール》(写真右)
1994年生まれ、国際基督教大学5年次4年。1年間のイギリス留学を経て、4ヶ月間ベトナム人向けメディアでインターンを経験。最初に渡された名刺は「営業部長」。現在はインターンとして民泊におけるインバウンド事業を行う。18卒で外資系コンサル会社に就職予定。

成長市場でアウトプットをする“ASEANインターン”

ー 海外インターンをしようと思ったきっかけを教えてください。

朝舩颯哉さん(以下朝舩):最初はアメリカの大学で1年間勉強する予定で留学していました。ですが、英語を身につけるだけではなくビジネス経験も積みたいと思い、後半の半年は授業料を返してもらって、海外インターンをすることを決めました。

舞原勇雅さん(以下舞原):留学前に、社会人の方と交流できるイベントで、Global Wing代表の神田さんと出会い、留学中も海外インターンが気になっていました。留学では勉強や国際交流はできますが、アウトプットの機会がなかったこともあり、留学後にインターンをしようと決めました。

キャリアに直結する厳選海外インターンを通し、グローバルリーダーを輩出する GLナビゲーション代表神田滋宣氏

ー 渡航先の国はどのように決めましたか?

朝舩:英語が使える場所であることと、将来海外で働くとしたら日本から近いアジア圏の国なのではと漠然と考えていたことから、香港とシンガポールが魅力的でした。

大学で経済を学んでいたこともあり、結果的には、アジアの金融の中心であるシンガポールを選びました。

 

舞原:留学前のイベントで神田さんと出会った時に、神田さんが「東南アジア熱いよ、特にベトナム良いよ」とおっしゃっていたのを覚えていたんです。

調べたところ、ベトナムのホーチミンが「10年後に伸びる都市」のランキングの上位に食い込んでいたんですね(※ 参考)。そのような伸びゆく市場を自分で確かめたいと、インターン先をベトナムに決めました。

手探りの仕事と営業「全部吸収してやろう」

ー お二人とも営業をなさっていたようですが、インターン先の業種は初めから決まっていたのですか?

朝舩:行くまで決まっていませんでした。最初の2ヶ月間は営業ができなかったので、ツアー企画のWebコンテンツを作成したり、日本人のお客様にヒアリングをしてニーズを調査するなど、サービスの理解に徹しました。

その後、自分から営業をしたいと社長に頼んだところ、やらせてもらうことになりました。

舞原:僕は少し違って、インターン前のカウンセリングの段階で、営業ができる企業を紹介してもらいました。

というのも、元々色々な人と会って話すことに興味があったんです。さらに以前国内でインターンをした際に、営業でうまく成果を出せなかったので、もう一度挑戦したいという気持ちがありました。

その結果、着いた初日から「営業部長」の名刺を渡され、営業に連れて行かれましたが(笑)。

 

ー なるほど。インターン先によって様々なんですね。営業をしていて、日本より難しかったことや、楽だったことはありますか?

舞原:ベトナムの文化的な背景もあると思うのですが、連絡が返ってこない、時間を守ってくれないといったことが大変でしたね。

ただ、あまり気を遣う必要はなく、「なんで時間を作ってくれないんですか」と踏み込んで話をすることができました。あと、飛び込み営業もたくさんしました!

 

ー シンガポールはどうでしたか?

朝舩:そもそもインターン先が旅行業界でエンターテイメントに近かったので、個人的にはやりやすかったです。あと、英語だとある意味バカになれたんですよ(笑)。その単刀直入な振る舞いが外国人のお客様には結構刺さったりして。初めての営業では数をこなすのが大切なのですが、海外インターンではそれが遠慮せずにできました。

(左から2人目が朝舩さん、インターン先の仲間とツアー企画について議論する)

 

ー 朝舩さんはシンガポールでかなりハードに働いていたそうですが、現地の方も同じくらい仕事をするのですか?

朝舩:現地の方たちはそこまでではなかったのですが、インターン先の日本人の社長がとてもたくさん働くんです。いつ寝ているんだ、と疑問に思っていました。

私にとって学生時代のインターンの半年間は長く感じましたが、その半年間を濃密にするために、全部吸収しようという気持ちで働いていました。今になって思うのですが、6ヶ月間のインターンなんて、社会人のスパンから考えると、とても短いですよね。

 

ー ベトナム人はたくさん働くイメージがないのですが、どうでしたか?

舞原:ベトナムの女性はよく働きますよ。僕のインターン先はスタートアップで、社長と自分以外は全員アルバイトの女性たちでした。ベトナムの女性は男性よりもよく働くから、女性しか雇わない、というのが社長の方針でした(笑)。

僕も仕事が残っている時は遅くまで働きましたが、割とライフワークのバランスを重視していましたね。

 

言語よりも大切な、結果を出す姿勢

ー お二人は留学を経てからインターンに行かれていますが、英語が話せない人でもインターンに挑戦して大丈夫ですか?

朝舩:大丈夫だと思いますよ。ただ英語はもちろん重要で、英語を使えると営業先で話せる内容の幅が広がります。ただ、英語は働きながらでも身につくし、一番大事なのはやる気です。自分自身の成長という意味では、英語を話せても話せなくても一緒だと思います。

舞原:そうですね。インターンに行かれる方たちそれぞれの目標によると思います。留学は英語を学ぶ場であり、インターンは英語を使って働く場です。

 

ー 英語を積極的に使う姿勢が大事ということですね。では、お二人がインターンの中で一番大変だったことを教えてください。

朝舩:同僚や現地の方々に認めてもらうことです。組織の内部と外部で自分がどのように思われているかはとても大切で、これは社会に出てからも同じです。「この仕事なら朝舩」って言ってもらえるような得意分野を探しました。

自分の場合、それを見つけるのに2ヶ月間はかかりましたよ。それを見つけ出すためには、とにかく尖って自分に仕事を集めてもらうことが重要です。

舞原目に見える結果を出すことですね。最初の2ヶ月くらいはできない言い訳を探していましたが、次第に結果が伴っていない焦りの気持ちが湧いてきました。仕事を取ってこいと社長から後押しされていたこともあり、会社に貢献していることを社長に認めてもらう上で、成果を出すことが大切だと考えていました。

 

ー お二人ともインターン開始から2ヶ月後がターニングポイントだったようですね。インターン先の社長は厳しかったのですか?

舞原:最初は厳しいと思っていたのですが、他のインターン先の方たちの話を聞いていたら、そうでもないなと(笑)。しかし、社長は結果を求めることに関しては厳しかったですね。

 

ー インターンをしていて嬉しかったことはありますか?

舞原:初めて契約を取れたときですね。会社に貢献できた感じがして、自信を持って「自分はここにいていいんだ」と思うことができました。

朝舩:まず、シンガポールという新規市場で、サービスのプラットフォームの立ち上げができたことが嬉しかったですね。そして、それよりも嬉しかったのは、帰国するときに、実は自分が会社に役に立っていたと分かったことです。

帰国直前に社長と個別面談をした際に、社長が「朝舩は会社に貢献してくれた」と言ってくれたんです。正直自分のバリューは無いと思っていたので、社長が自分を認めてくれていたと知れて嬉しかったですね。

 

ー 朝舩さんの頑張りを見てくれていたんですね。

朝舩:そうですね。社会人になっても同じで、必ず辛いことは出てくると思います。ただ、自分から上司などにフィードバックをもらいに行くことで、自分には出来ていないこともありつつ、結構出来ていることもあると気付けたりします。自身のモチベーションを高めるという意味で、フィードバックを得ることは大切ですね。

舞原:僕も帰国前日に初めて社長から褒められて、嬉しかったですね。

(帰国時に同僚のベトナム人たちからプレゼントをもらう舞原さん)

 

海外インターンは、自分の当たり前の基準を高める経験

ー お話を聞く限り、国ではなく経営者でインターン先を選ぶのもよさそうですね! 次に、海外で仕事をしたからこそ身についたことがあれば教えてください。

朝舩:インターン先では、一つ一つの仕事の難易度が高く、自分の能力を大きく超えていたことで、難題にキャッチアップする力が身についたことですね。

何をするにも不自由な海外で働くことで、自分の当たり前の基準を高めることができました。

日本で難しい事業を立ち上げることと、海外で一生懸命営業する難易度は、そんなに変わらないと今になって思いますが、どうせ同じ難易度のことをするなら、海外のほうが刺激的で良いのではと思います。

舞原:文化が違うからこそ、相手の目線に立つことをより意識するスキルが身につきました。現地では、メールを見てくれない、資料を読んでくれないということは日常茶飯事で、だからこそ「どうしたらメールを見てくれるのか」「なぜ資料を作っているのか」といった目的意識を持って働けるようになりましたね。

 

ー 最後に、これから海外インターンを考えている学生に向けて一言お願いします!

舞原:行動することの大切さは強調したいですね。海外インターンに行くというのは大きな選択肢ですが、迷っているなら行っちゃえば、と思います。人生が変わった、というと大げさかもしれませんが、それぐらい良い経験ができました。

朝舩:学生時代の4年間は本当に有限なので、時間の使い方を早めに組み立てたほうが良いです。仕事をする上でのスタンダードを作ることになる大切な若い時期に、どれくらいストイックなことをするかはとても重要です。そのオプションとして、海外インターンはかなり良い経験になると思いますね。迷っている時間は無駄なので、一歩踏み出して、自分の中で誇れる経験を作ってください。

 

さいごに:9/16に“ASEANでインターン”を近くするイベントを開催!

朝舩さんと舞原さんが登壇されるASEANでインターン”を近くするイベントが9月16日(土)に開催されます。本記事では伝えきれなかったお二人のキャリア選択の話に加え、海外キャリアのプロに直接、海外インターンやキャリアについて相談する機会もあるので、ASEANでのインターンに興味のある方はぜひご参加ください。参加フォームはこちら