2017.06.20
この記事は、海外インターンシップの挑戦機会を提供しているタイガーモブ(以下タイモブ)と共同で発信する特集記事です!前回の特集開始から約1年、新たにタイモブを通して海外で挑戦してきた学生をご紹介し、ASEANへ飛び出す若者をさらに増やすことを目的に、発信していきます。
1つの大きな目標を立て、それを達成する1つの方法としてインターンに挑戦された松本さん。勤務したインターン先で設定した目標以上の結果を残すことができたが、その裏には2度の失敗経験があった。結果を残し成長を手にした松本さんにお話をお伺いした。
<プロフィール|松本優也さん>
同志社大学経済学部経済学科4年生。3年生までアルバイトや大学のゼミを中心に活動し、将来海外で活躍できる人材になりたい、という思いから、留学とインターンに挑戦。一年休学し、フィリピン・セブにて5ヵ月間の語学留学を経験。その後ベトナム・ホーチミンの最大手人材企業にて約5ヶ月営業インターンシップを経験する。2度の挫折を乗り越え、当初の目標であった3件の成約を上回る5件の成約を達成し、帰国。
目次
「かっこいい自分になりたい」とは?
—なぜインターンを海外でしようと思ったのですか?
端的に、「かっこいい自分」になりたかったからです。当時の僕の中では、高校時代にオーストラリアに滞在した経験、大学の授業で総合商社を取り扱っていたことも影響して、かっこいい人とは「海外で活躍していて活き活きと働いている人」でした。
一方で、僕が働くであろう日系企業が今後成長曲線が描いていくうえで、海外進出の必要性は増しています。つまり、「海外で活躍できる人」は社会からも求められている、と結論づけました。しかし、同時に当時の僕はそんな理想の姿とは程遠い状況にいると自覚していたので、自分を変える何かが必要だとも感じていました。
こういった背景から、将来「海外で活躍していて活き活きと働いている人」になるために、自己成長、語学運用力向上、海外ビジネスの理解が必要であると考えました。
これらを達成する手段が、僕の場合は語学留学+海外インターンであり、最終的にフィリピン・セブでの語学留学を経て、ベトナム・ホーチミンで5ヶ月の海外インターンに参加することにしました。
英語x異文化x現地人の価値観 を学んだセブ留学
—インターンだけでなく語学留学も経験されたのですね!最近では日本でもオンラインなどで英語を学べる環境が整ってきていますが、なぜあえて現地で学ばれたのでしょうか。
将来海外で活躍するには、異なる価値観や文化を持つ人々の背景理解は必須だと感じており、それを肌で体験したかったからです。東南アジアの国に滞在経験がない僕にとって、現地の価値観や文化を理解するために現地で学ぶことは重要でした。例えば、現地の方々と国の歴史や当時のフィリピン大統領選について議論するのは、現地の人々の考え方を知る上で大きな学びとなりました。
友人と訪れたビーチ。週末は外出を心がけていました。
—僕もフィリピン留学を経験していて、実際に現地で生の英会話を経験することが自分の英会話力の自信にも繋がりました。
5ヶ月の留学を終え、ベトナムへ
ーそのあとベトナムに行かれたということですが、なぜベトナムで、しかも人材会社を選ばれたのでしょうか?
最初からベトナムの人材企業、とは決めていたわけではなく、当時はアジアや欧米なども含めて幅広く検討していました。しかし、欧米のインターンは翻訳やホテルの受付など、「日本語が使えること」を活かすような業務が多かったように感じました。一方、東南アジアでのインターンは営業など「ビジネスセンスを問われる」業務が多かったです。僕が求めるものは後者の働き方だったので、最終的に東南アジアでのインターンを決意しました。
業務内容としては営業を希望していました。理由としては、僕の求めていた方向性に自身を成長させることができると感じたことが大きな理由です。海外営業では、海外ビジネスならではの困難を異なる価値観を持つ仲間と、あくまで自分が主体となって乗り越えていくものだと理解していました。この過程を通して、自己を高めていける営業業務を希望していました。そして、東南アジアと営業に当てはまる会社を見ている中で御縁があったのが、ベトナムの人材企業でした。
—その会社を選んだ決め手は何だったのですか?
「人」でした。実は、他社の方とも面談する機会を頂いていました。他社の方からは、当時の僕の考えを話すと「是非きてくれ」と仰って頂いていました。一方で、僕が参加した企業の方には、「一週間あげるからもう一回考えてきて。まだまだ浅すぎる」という風に言われました。
その後、後の上司になる副社長の方から再度指導して頂きました。面接ではボロボロでしたが、最終的には「覚悟があるなら来てください。やる気さえあればしっかり鍛えます」と言って頂き、正式にインターンに参加することになりました。
今もそうですが、当時の僕の考えはもっと未熟でした。しかし、そんな僕にしっかり向き合って指導してくださいました。こんな人達の下で働き、成長したいと強く感じ、最終的にこの会社に決めました。インターン期間中も多くの時間を割いて指導をしてくださり、今でも社員の方々にはとても感謝しています。
—まだ働くかどうかも決まっていない段階で真剣に話を聞いてくださったのですね。インターン先を決めることはこれからインターン先を探すうえで迷うポイントだと思います。
インターンに参加することが決まったら、企業選びに時間をかけた方がいいと思います。インターンの目的や目標は何で、それを達成するためには、どの企業がベストなのか?という擦り合わせをしっかりした方がいいと思います。自分ならそこで何をしたいのか?が見えない状態で会社を決めては勿体無いと思います。
—インターンに挑戦することに不安は感じなかったのですか?
特にありませんでしたね。周りの友人が就職活動をする中、僕は、1年休学をして留学とインターンという選択をしました。初めて周りと異なる自身に違和感を感じながらも、自ら決断した以上、あとは頑張るだけのはずなので、常に前を向いていました。なので当時はどんなことでも乗り越えてやる、という気概は持っていました。
—インターン先での業務内容を教えてください。
僕がインターンとして働いていた企業は、ベトナム国内トップシェアを誇る求人広告を運営している企業でした。幾つか事業部があり、僕は新設約2年の日系企業向け人材紹介事業部に所属していました。業務内容としては、日系企業向け営業、現地求職者との面談、市場リサーチなどです。人材紹介の営業について少し説明すると、我々の役目は企業と求職者のマッチングを実現することです。そこでの難しさは、企業と求職者の相反する利害の調整でした。企業と求職者の間に入る我々が採用の可否を左右する、そんな緊張感を持って業務に取り組んでいました。
インターン先の部署内。アットホームな雰囲気で、
しかし結果は出す。毎日楽しく働けていました。
2度の挫折を乗り越えて
—インターンシップの中での失敗経験を教えてください。
挫折経験が2つありました。1つ目は、クライアント企業から「松本さんとは仕事したくない」と言われたこと。2つ目は、採用確率が極めて高いと思われていた案件で採用失敗してしまい、その案件に推薦していた求職者が落胆する姿に触れたことです。
—では、一つ目の失敗経験について詳しく教えてください。
あれは1番最初に顧客企業と商談の機会を頂いた時のことでした。商談の時は特に問題なく進めていけたのですが、その後、商談の中で聞き漏らしたことが沢山あり、電話で再度いくつも質問をしてしまいました。加えて、僕の質問の仕方が悪かったこともあって、最終的には「松本さんとは仕事をしたくない」と言われてしまいました。この失敗から、プロとしてやり遂げる大切さを学びました。顧客は我々を採用のパートナーと見なしているためです。改めて、ビジネスの現場に自分がいることを自覚をした瞬間でもありました。
—初めての営業でそこまで言われてしまうとぐさっときますね…実際にはどのような対策をされたのですか?
ぐさっときましたね(笑)。
この経験以降、商談で聞くべきことを社内の採用コンサルタントと話し合い、それを事前にリスト化して面談に臨むことで、漏れの無いヒアリングをすることができるようになりました。また、商談の前に相手が知りたいような情報をまとめるなど、商談への準備を怠りませんでした。経験不足な僕は、他の営業の方と同じようにやっても敵わないので、それを準備で補うことを心がけていました。
ー続いて、二つ目の失敗経験について詳しく教えてください。
僕が担当していた案件で、企業の採用要件を完全に満たしていた求職者が居ました。そういったことから、採用の見込みが高いと思われていた案件でした。しかし、結果は不採用でした。振り返ると、僕の企業側に対する働きかけが不十分でした。それは、企業側と信頼関係を築けていなかったことが要因だったと感じています。
—信頼関係を築くことが大事なのですね。
はい、信頼関係が大切とはよく言いますが、そのことを実感しました。また、その求職者の方が不採用であるという連絡を受けた日に、ちょうど彼がオフィスに来ていて、そこで結果を知って落ち込んでいる姿を見ました。その時、僕ではなく経験豊富な営業が担当していれば成約できたかもしれない、という思いからくる不甲斐なさと、僕が企業と求職者の将来を背負っているという責任を痛感しました。
—2回もそのような大きな挫折を経験されたのですね。逆に成功体験を教えてください。
はい。推薦した求職者が1度書類選考で落選してしまうなど、難しいといわれていた採用を成約まで導いたことです。この案件の顧客企業は日系大手アパレルメーカーで、マーチャンダイザー職で1名求職されておりましたが、3ヶ月間他の人材企業に依頼していていたものの、採用できなかったという状態でした。実際に、我々もその企業に対して求職者を1名推薦したのですが、該当ポジションでの経験が無かったため、書類選考で落ちてしまいました。ただし、アパレル業界での勤務経験はあり、この求職者であれば採用までもっていけるという根拠のない自信はありました。
—どのように成約に導いたのですか?
まず僕は、その企業が3ヶ月間も採用できないという状況に疑問をもち、会社が保有する膨大な求職者データより現地アパレル業界の採用動向を探ってみました。すると、ある日系大手企業がベトナムでのアパレル製品の製造開始に向け、マーチャンダイザー職の人材を他企業から何名も高給で引き抜いている、という事実が浮かび上がってきました。そのため、この顧客企業含め、アパレル業界全体で日本語が堪能なマーチャンダイザー職の人材難に陥っていました。そこで、企業にこの事実を伝え、「それは話が変わってくる」ということで、一度書類選考に落選してしまった我々の推薦した求職者と面接の機会を頂くことになりました。
—企業側との交渉に成功したのですね!その後どうなったのですか?
僕と社内の採用コンサルタントと求職者の三者での面談対策を行いました。例えば、実際にその企業の店舗に行って商品見てもらったり、面談を重ねて志望動機の明確化を行いました。また、いかに経験不足を補うか、今ある知識をどう生かすのかという議論を重ね、その企業に入社した後の活躍するイメージを言語化するところまで持っていくことができました。こういった取組みの甲斐もあり、最終的に、採用成功に至ることができました。(あくまで我々はサポートしたまでであり、この採用成功は、求職者当人のこれまでのキャリアの積み重ねによるものであることは言うまでもありません)。
このように、業務の中で自分のできること、できないことの線引きをしっかりして、できることの中で最善を尽くしました。
熱心な素人は玄人に勝る
—インターンを通しての学びを教えてください。
成功体験から得た学びは “熱心な素人は玄人に勝る” ということです。初めは何の経験も無い素人でしたが、素人なりに何ができるか、また、どう経験不足を補うのかを考え、その中で僕にできることには、腰を据えて着実に取り組んできました。そうすることによって、上記の成功経験のような、他の人では実現できないことができたと思っています。
初めは失敗の連続でしたが、目の前のことに着実に取り組んできた結果、実働3ヵ月の営業期間で、目標であった3件の成約を上回る5件の成約を達成することができました。
—日本を飛び出してビジネスを海外で経験し、様々な人たちの価値観に触れられてきたと思うのですが、松本さん自身の将来の夢はありますか?
僕はインターンでの経験を通し、人や企業が抱えている想いを、自ら当事者になって実現していくことに喜びを感じてきました。今後もこのような働き方をしたいと思っています。200名以上の現地求職者との会話を通じて、豊かな暮らしというのは彼らにとっての悲願であることを知りました。同時に、日系企業が現地の豊かな暮らしを着実に実現しつつあることも知りました。僕も将来的にはビジネスを通じて、現地の豊かな暮らしの実現に携わりたいという思いに至り、10年以内に海外駐在することが明確な目標となりました。
—最後にインターンに参加することを迷っている人に一言お願いします!
僕は、結果を出す覚悟があるのなら、インターンに参加する理由は多少粗削りでも構わないと思います。論理だけに導かれた結論に、思いは乗らないはずなので。自分で決めたことを最後までやり遂げることの方が、綺麗な理由を語るより重要だと思っています。
ただ、その上で僕が伝えたいのは、インターンシップに参加する際、「プロ意識」を持って業務に取り組んで欲しいということです。インターンで僕たちが所属お世話になるのは利益を追求する企業です。そこには経験豊富な同僚や付加価値を求める顧客がいます。その中でインターン生も同僚と同じく常に結果が求められます。
僕は成長したい、という一心で参加したため、この視点が欠けていて、当初苦労しました。
実際にインターンを通して気付いたことは、結果を出したその先に成長があるということです。また、結果無しに何も任せてもらえませんし、信頼もされないということも学びました。ですから、プロ意識を持って結果を出すということに拘って、目の前のこと一つ一つに全力で取り組んで欲しいです。
そうすれば、次やるべきことが見えてくるはずです。成長は後からついてきます。
自分の道は、自らの力で切り拓いて行ってください。陰ながら応援しております!
取材後記
僕自身、就職活動中で将来これからどうしようか悩んでいる時期に取材させていただき、まさに目から鱗が落ちる思いでお話を聞かせていただきました。彼が安易にインターンをオススメしない理由には彼自身がインターン生に求められる水準を理解できていなかったことが失敗経験に繋がったということだと思います。始めからプロ意識をもって行動できていれば失敗を防げたかもしれない、だからこそこれからインターンに参加される学生には自分同じ失敗をして欲しくないという思いが伝わりました。
インターンに行くことは覚悟も必要です、ですがそれでも挑戦したい!! という自分の思いや目標とそれを達成する方法を理解することが大事なのだなと感じました。
イベント開催!! 6/23
6/23日にアセナビ、タイモブ主催でイベントを大阪で開催します。
今回取材させていただいた松本さんを含め、3人のインターン経験者に登壇していただき、参加者のみなさんで海外インターンについて考えます!
イベントの詳細はイベントページをご覧ください。
登壇者の他、タイでのインターン経験者、フィリピン留学経験者、その他アジアに関わりのある方も参加します。興味のある方はお気軽にご参加ください!
また、当日は松本さんが利用したタイモブのスタッフも出席します!
参加の際は参加フォームに入力うえご参加ください。
参加フォーム:https://goo.gl/eAUQvf
イベントページ:https://asenavi.com/archives/15938