2016.11.27
Xin chào !「シン チャオ」(こんにちは)
2016年は、ドイモイ(刷新)政策が行われてから、ちょうど30周年となる記念すべき年です。
ベトナム経済は1986年のドイモイ政策を起点に、急激な経済成長を遂げてきました。現在のベトナムは人口ボーナス期*にあり、若者が多く活気に満ち溢れています(もちろん、年配のベトナム人の方もとても元気)!
今のベトナムは、まさに経済成長のゴールデンタイム! そんなベトナムの経済成長の背景には何があるのでしょうか?
今回の記事では、そんな経済成長が著しいベトナムの経済成長の背景について、お伝えしたいと思います!
*人口ボーナス期:総人口に占める生産年齢“15 歳以上 65 歳未満”の人口比率の上昇が続く、もしくは絶対的に多いとき
ベトナムの基本情報
面積:32万9,241平方キロメートル (日本の面積の0.85倍)
言語 ベトナム語(少数民族では独自の言語を使用する民族もある)
人口:約9,000万人
平均年齢:28歳(日本は46歳)
民族:54の民族(キン族が約9割、他の53民族は少数民族)
宗教:仏教、カトリック、カオダイ等
政治:社会主義共和制(ベトナム共産党による一党独裁制)
主要産業:農林水産業、鉱業、軽工業
国の標語:Độc lập, tự do, hạnh phúc(独立、自由、幸福)
ベトナム経済の推移
ベトナムのGDPの推移
出典 : TRADING ECONOMICS
世界銀行によると、2015年のベトナムのGDPは193.6億USドル (日本は4,124.2億USドル) でした。上記のグラフより、この10年の間に急激な成長を記録していることがわかります。
ベトナム経済成長の大きな起点となったのは、なんといっても1986年にベトナム共産党によって打ち出された「ドイモイ政策」。
その主な内容は、以下の6つあります。
- 国家主導の重工業化政策の放棄
- 農家への土地の使用権・譲渡権・継続権の付与
- 国有企業の株式化を通じた経営責任制の導入と不採算企業の合併・解体
- 民間企業新規参入許容や貿易圏の開放
- 外資導入による工業化の推進
- 物資配給制の廃止と統制価格の廃止
参照:ベトナム発展の起点! あなたは「ドイモイ政策」を説明できますか?
ドイモイ政策により、企業の自主権拡大や対外経済開放、そして市場経済の導入を行ったことにより、ベトナムの経済成長率は年々、高成長を記録しました。政策から10年後の1995~1996年には年間9%という高い成長率を記録しました。
ベトナム経済はこれまで順調に、安定して成長を続けてきたように思えますが、1997年7月よりタイを中心におきた「アジア通貨危機」の影響をうけ、ベトナム経済の成長も一時的に鈍化傾向に陥ってしまった時期もあり、その際には、急激なインフレや通貨安に悩まされました。
そのような不景気をうけ、ベトナム政府は2000年に「外国投資法」を改正。その法律により、海外の投資機関や外資系企業によるベトナムでの開発やインフラ設備を行いやすくなり、海外からベトナムへの直接投資を増加させることに成功しました。
その結果、2000~2010年の平均経済成長率は7.26%と、再び高い経済成長率を記録したのです。
2010年には、世界銀行とアジア開発銀行によって、後発途上国(一人当たり国民総所得がUS$992以下)から(低位)中所得国(一人当たり国民総所得が US$1,916~US$3,975)へ認定されました。
また近年、ベトナムは「チャイナ・プラス・ワン*」の国として投資が集まっている影響もあり2011年から2015にかけても、年間約6%という高い成長率を記録しています。
(参考:JICA Growth Performance of Vietnam March 30, 2012 )
*チャイナプラスワン:製造拠点を中国に集中させて置くということによるリスクを回避するため、他国にも拠点をつくり分散投資をするというリスクヘッジ戦略
ベトナムはどんどん変化していく!
建設中のハノイ都市鉄道と現在の道路の様子
ベトナムは、まさに転換期!
ハノイでは現在、「ハノイ都市鉄道」が建設中で、ベトナム鉄道総公社によると、2016年12月末に完成予定だそうです。都市鉄道によって交通渋滞の緩和、大気汚染の改善、経済活動の活性化など多くのプラスの影響を与えてくれるでしょう。
現在、ハノイ市民にとっての主な交通手段はバスかモーターバイクです。鉄道が開通すれば、多くの人が通勤や移動するために鉄道を利用することになると思います。そうなれば、ベトナムのトレードマークである大量のモーターバイクの数は減少し、現在のハノイの景色や雰囲気は大きく変化していきます。
現在のハノイの景色をいずれ見られなくなると思うと名残惜しさもありますが、ハノイの新たな景色は、ベトナムのさらなる繁栄、経済成長を予感させてくれるものであると思います!
ハノイ市内にある線路と隣接している住宅地
ベトナム経済は急速に成長していますが、一方で、多くの社会問題も増えています。
例をあげれば、所得格差、貧困問題、開発による環境破壊、教育格差、廃棄物の処理問題などです。これからのベトナムは経済発展のみではなく、このような現実にもしっかりと向き合っていかなければならないと思います。ベトナムがさらに発展していくために必要不可欠なことでしょう。
同時に、社会問題の解決策を考えていくことは新たなイノベーションを生み出すきっかけにもなってくれると思います。国が発展していく中で、社会問題を解決していくことが出来れば、ベトナムはさらに豊かな国になっていくことでしょう!
それでは、Hẹn gặp lại!「ヘンガップライ」(またお会いしましょう)