「一人一人の違いを認めるマレーシアで、日本人女性はもっと輝ける」マレーシアへの進出支援事業を23歳にしてゼロから起ち上げた、今西佳子氏

 

「もっと多くの日本人女性に海外で活躍してほしい」

「人生は何度でもやり直せる。だからこそ、ゼロから自分がどこまでできるのか試してみたいんです。」

―そう語る彼女の目は真っ直ぐで、海外で仕事をするわくわくに溢れているようだ。
17歳で社会人に、そして現在は女性支援の企業をマレーシアにて展開中の今西佳子氏。
常に前を向き、夢に向かってがつがつ突き進む、23歳の若き女性起業家、今西氏を取材した。

《プロフィール|今西佳子氏》
日本人とマレーシア人のハーフで人生の半分をマレーシアで過ごす。若干23歳にしてマレーシアで起業。現在は女性海外進出支援、ファッション事業、マーケティングマネジメントコンサルティングなど様々な分野で事業を展開中。


日本人女性の活躍できるフィールドを、海外にも広げたい

―今西さんは若干23歳にしてマレーシアで起業され、今は手広く様々な事業をされているということなのですが、具体的にどのような事業をされているのですか?

今はファッション、女性対象海外進出支援、ほかにも5つくらい事業をやっています。
進出支援の事業を始めたのは2013年の10月です。

最近、個人の海外進出が本格化し始めています。
2年ほど前から「マレーシアの良さを少しでも伝えたい!」という思いからブログを始めました。だんだんこのブログの読者の方からマレーシアに関する質問や相談を頂くようになったんですね。それは旅行に関する小さなことから、マレーシアで起業したいというような大きなことまで。

そこで感じたのが、多くの方が「海外に出て何かしたい!でもどうすれば良いのか分からない…」というように願望で終わってしまっているな、ということです。

できる限り読者の方の力になれるよう相談に乗っていたんですが、
やはりネット上でできることって限られてしまうんです。

もっと力になりたいという気持ちがどんどん大きくなって、マレーシアに出て行きたい女性の進出支援の会社を起ち上げることにしました。 具体的には実践英会話研修、起業のサポート、インターン先の斡旋、おしゃれで住みやすい女性向け住居紹介、専門家の紹介等を行っています。
私の事業の特徴は単に事務手続きの代行を行うような進出支援ではなく、定期的かつ綿密なカウンセリングを行うことで、海外進出をした女性達の活動を単なる経験に終わらせることなく、成功させるためのサポートをしていくというところです。

女性だけに限定したのは単に読者様に女性が多いっていうのもあるんですが、日本の社会ってやっぱりまだ男女格差を感じるのは否めないと思うんです。読者の方からもそういったお話もよく聞いていて、特に女性の方を助けたいと思いました。

日本に比べてマレーシアは女の人でも仕事で活躍しやすい環境があります。
マレーシアは民族国家なので、本当に多様な人種で成り立っていて、その分格差を感じることがほとんどないんです。外国人を受け入れる器をみんなが持っているし、親日のため日本人に対してもすごい優しいんです。

なので、日本人女性の海外進出にはうってつけの場所だと私は思います。
女性ってすごく強いと思うんです。考えるだけじゃなくしっかり行動に移せる方が多い。だからこそ、もっと多くの日本人女性に活躍してほしいです。


日本と他の国の違いを知ること、そして柔軟に受け入れること

―海外で働くのに適している人ってどんな人だと思いますか?

日本人的な感覚とか文化も大切です。でもそれだけでは海外ではやっていけなくて、もっとがつがつしていく必要があります。
国際的なマインド、それってつまり柔軟性を持つということです 。
例えばマレーシア進出している日系企業の場合、勿論日本の会社なのでローカルの社員に日本のやり方を教えないといけない 。でもここはマレーシアなので日本的な要素だけでなくマレーシア要素現地の文化もとりいれていかないといけないんです。つまり、ローカル、現地の人を理解しようとすることが最も大切です。

自分のこと、自分の持っている日本的常識や感覚だけを強制的に理解させるのではだめです。相手の文化や考えを理解した上で、ローカルに合わせることがすごく大切なんです。

現地の人を使えない、馬鹿だと言って突き放して裏で現地のことを悪くいう日本人も実際います。でも歩み寄ろうとせず陰口をいうだけでは何も解決しないですよね?直接話して歩みよるべきなんです。それが、相手のことを理解しようとすること。相手の文化もとりいれるということです。

 

—外から見た日本はどんな風に見えていますか?

今の日本には、
「やりたいことが見つからない」とか「夢が無い」と言う若者がたくさんいますよね。
とりあえず、という気持ちでなんとなく仕事を見つけて働く人もとっても多いと思います。

将来の夢を無理にすぐ探す必要はないと思います。
でも、今目の前にあることを一生懸命やることが大切。それがきっと何かに繋がるんじゃないかなって。出会いやご縁でも。
何事にも嫌々な態度や、しょうがないからという気持ちで取り組むのではなく、今ある環境で一生懸命がんばることが大切だと思います。


ただそう思う反面、日本の中だけで生活してたら息苦しくなってしまうと思うんです。海外から日本に帰ると空港に着いた瞬間空気がどんよりしていて、みんなケータイを見て下をむいてうつむいている、というような感じ。その環境にずっといると暗くなってしまうのは当たり前じゃないかなって。そういう環境だから、働く気力がわかないのも仕方ないのではないか、とも思います。

だから、勇気をだして一回日本を飛び出してみて、外から日本を見てほしい。自分のことを客観的に見たら違う部分にも気づきますよね?
それと同じで一回外に出て客観的に日本を見てほしいです。短期でも旅行でもなんでも良いんです。

特に東南アジアを私は勧めます。東南アジアって日本に比べて時間を感じるのが遅く、 ゆったりしています。アジアでのんびりする。その日本にはない、ゆったりした感覚、 環境に入り、気持ちを落ち着かせて自分を見つめ直してみるのもありじゃないかと。
日本はみんなせかせかしていて、せっぱ詰まるようになるし、将来どうしようって焦ってどんよりしてしまうと思うんです。
外に出て、「そんなに細かいことを気にする必要がない」とか、「みんな違って当たり前」という感覚を一度知ってみてほしいですね。

 

今は、夢を叶えるその途上

—自分のアパレルのお店をマレーシアに出すのが夢と伺ったのですが、きっかけは何ですか?

元々ファッションが好きで、小さい頃からマレーシアで自分のアパレルショップを開きたいという夢がありました。
今でこそおしゃれな人も増えたんですが、数年前のマレーシアはみんなファッションに気を使っていなくて、日本的ファッションをマレーシアに持ち込みたいって思ったんです。
17歳でインターナショナルスクールを卒業し、某有名5つ星ホテルのセールス&マーケティング部に就職しました。アシスタントマネージャーとして勤めたのですが、やっぱりファッション関係で働きたくて1年半で退職しました。
どうしてもファッション関係で経験を積みたいと思い、ひとり日本に帰りアパレルショップのスタッフとして3年働きました。
でも、ショップ店員では表面的なことしか学べませんでした。自分のお店を経営するとなるともっとビジネスの奥深いところまで知らないと行けません。それを学ぶためにはアパレルという分野関係なく、色んなビジネスで経験を積んで、そこから始めようと思ったんです。
そういうこともあり様々な分野でがつがつ挑戦しようと決めました。

 

私、目標の立て方には自分なりのこだわりがあります。 逆算方法です。アパレルが最終目標なので、そこから逆算して、そこにたどり着くためには…という風に逆算方法で目の前の身近な目標を考えています。今はその過程にいるって感じですね。

 

「違いを認めるマレーシアで、日本人の女性はもっと輝ける」23歳にしてマレーシアへの進出支援事業で起業、今西佳子氏2


—その若さで起業、不安もあったと思います。その行動力の源泉は何ですか?

人生、何をするにもリスクはつきものです。
でも自分がやりたいと思ったことにがつがつ突き進んだほうが絶対楽しいじゃないですか

たとえば起業したいなと思っていても色々なリスクを考えてなかなか踏み出せないかもしれません。
でも私の個人的な考えですが、ゼロとかマイナスからはじめるのってめちゃくちゃ楽しいじゃないですか。
そこから這い上がるのってめちゃくちゃわくわくしませんか?

今の会社も自分が17歳から働いたお金で起ち上げました。
借りるというのはあまりしたくないので、本当にゼロからのスタートですね。

でもそうやって、ゼロから自分がどこまでできるのかを試しながらやってきたい
そのほうが絶対に楽しいじゃないですか。

お金を貯め、マネジメント、マーケティングの知識、ビジネス経験も自分で身につけ、そこから最終的に自分のアパレルショップを開く。
リスクを恐れて一文無しになったらどうしようと思うかもしれないけど、
そこからまた頑張れば良い。

人生は何度でもやり直せますよ。

やりたいと思ったらとことんつきすすむべきです!




ABOUTこの記事をかいた人

中島由莉

上智大学理工学部情報理工学科4年。3年の冬にインドに行ったことをきっかけに海外に出ることを決意。4年次を休学して現在ベトナムホーチミンでインターン真っ最中。ベトナムを中心に東南アジアの面白さを発信していきたいです!