「若さに巻き込まれなくてどうする!」ベトナムの将来性に胸を打たれ、越境メディアの立ち上げへ YappanTVマネージャー 中井真実氏

2017.02.02

「私はベトナムのインフルエンサーになります!」と元気よく話してくれたのは、越境メディアを試行錯誤しながら立ち上げている中井真実さん。彼女が一部上場企業の内定を辞退してまで情熱を注ぐ、そのメディアの魅力やベトナムの将来性とは一体何なのだろうか。

《プロフィール|中井真実氏》

明治学院大学4年。旅行で好きになったベトナムの魅力を伝えようと、インターン生として2016年8月からベトナム人向けYouTubeチャンネルのYappanTVの立ち上げに参画する。就活中に東証一部上場企業から内定をもらうも、Yappan TVへの想いを捨てきれず、YappanTVを運営するGLナビゲーション株式会社への就職を選択した。

 

学生生活の最後に、訪日ベトナム人向けメディアをスタート!

 

ー中井さんは今春に大学を卒業してからも、インターン先のベトナム人向けメディアにマネージャーとして就職されるそうですね。そもそも、どうしてそのメディアでインターンをしようと思ったんですか?

就活が終わってヒマだったタイミングで、大学3年の時からインターンをしていた、GLナビゲーション代表の神田に「YouTubeで越境メディアをつくるから、何でもやっていいよ!」と言われたんです。面白そうだったので、2016年8月にジョインしました。もともと、動画・写真・SNS・旅行・日本文化・ベトナムが好きで、世界と繋がりたいと思っていたんです。Webメディアや広告にも興味があったので、ベトナムのリサーチから始めました。ゼロからつくっていく感覚が楽しかったですね!

 

ー中井さんのわくわくを満たすものがそのメディアにはあったんですね!では、その越境メディアとはどのようなものなのでしょうか?

そのメディアは“YappanTV”といい、コンセプトは「日本人以上に日本を楽しむ、体験を発信する動画メディア」です。YappanTVでは、日本で暮らしているベトナム人スタッフが、アクティビティやスポット、レストラン、Howtoなど日本の観光情報をベトナム人目線で発信、インバウンド誘致を目的としています。視聴者ターゲットは、ベトナムに住んでいる旅行好きのベトナム人ですね。

現在はYoutubeをメインに、facebookやInstagramの運用もしています。近々、Webサイトもローンチ予定で、更に有益な情報を届けるつもりです!YappanTVはメディアとしてはまだ未熟ですが、旅行先に日本を検討している全てのベトナム人が見るメディアにできると思っています。

 

ー訪日ベトナム人向けのメディアを日本人が運営するとは珍しいですね。また、“YappanTV”とは聞き慣れない名前だと思うのですが、どのような意味なんですか?

“YappanTV”は、YABAI JAPANの造語です。Yは”Yabai”や”Yeah!”を意味します。うちのベトナム人スタッフの女の子が考えました(笑)。日本のディープでヤバいスポットや、ヤバいニュースをベトナム人目線で届けて、日本を身近に感じてもらいたいと思っています。

実は、ベトナム人観光客の1人あたりの旅行支出金額は世界1位です!中国人、オーストラリア人より多いんですよ。ベトナムから日本への観光客数は18万人と、まだまだ多いと言えるわけではありませんが、昨対比では150%も伸びています。また、ベトナム人が旅行で行きたい国のNo.1に日本が選ばれるなど、親日度も高いんです。

 

(YappanTVの紹介動画)

 

越境メディアの将来性にワクワクし、就職を決意

ーなるほど、将来性のあるメディアなんですね!しかし、始めてから約半年のメディアに就職するというのはかなり大きな決断だと思います。中井さんがYappanTVに就職を決めた時はどのような想いだったのでしょうか?

私は昨年8月にメディアに関わり始めてから、すっかりYappanTVの虜になっていました。その理由としては、将来に対するわくわくが一番大きくて、動画を制作する過程も大好きだからです!文化祭や体育祭のように、みんなで一つのエンターテイメントをつくることが大好きで。YappanTVでも、元気いっぱいなスタッフやカメラマンと一緒にいいコンテンツをつくって、そこにユーザーが付いてきてくれて、反応が返ってくる。そのことが気持ちいいですね!

そんなふうにわくわくしながらYappanTVに関わっていると、名刺を作るタイミングでマネージャーという役職をもらい、事業運営を任されました。いつの間にか、YappanTVを絶対に愛されるメディアにするぞという強い主体性が生まれていましたね。ちなみに、YappanTVの運営会社のGLナビゲーションは、事業に対して強い想いがあれば、たとえ学生やインターン生であっても事業をまるっと任せてくれる、そんな文化を持った会社なんです。

それからしばらく時が経って12月に、YappanTVの今後についてGLナビゲーション代表の神田さんと話し合いました。その時に、「あれ?これからが楽しくなるときじゃない?」「これからYappanTVがビジネスとして価値を発揮する時に、私はもういないの?」と、悔しく思いました。大学を卒業する3月末に辞めるとなると、すごく中途半端に終わる。これからもっと楽しくなっていくYappanTVを関係ないところで見ていたくなかったし、正直、誰にも渡したくないという気持ちもありました(笑)。

そして気づいたら、東証一部上場企業の内定を辞退してました。内定先の会社も、海外事業を推進していて、自分にはないものを持っている同期がたくさんいたので、嫌いになったわけではありません。ですが、YappanTVへの思い入れがそれを超えてしまいました。その後、YappanTVの年間スケジュールを立てたのですが、事業主になることがどれだけ大変なのかを身をもって体感しています。それからは、より一層「逃げられない感」が増して、事業に対する想いも強くなりました。

 

ベトナムをターゲットにする面白さと難しさ

 

ーYappanTVのメディアとしての将来性や、ベトナム人と一緒につくる面白さとは何なのでしょうか?

ベトナムは今一番アツい国で、インバウンド業界でも注目されているマーケットだと思います。でも今は、日本からベトナムに特化した観光動画メディアは少なく、YappanTVが今後担える役割はとても広いと思っています!YappanTVを日本企業のPRや集客の新しいプラットフォームにして、YappanTVを利用して欲しいと思っています。そこに将来の可能性を感じ、わくわくしますね!

ベトナム人スタッフと一緒にYappanTVをつくっていくのも超楽しいんですよ!日本の魅力を伝えたい人に話を聞き、ベトナム人スタッフと企画を考え、撮影して編集し、それが多くの人に届けられることも、面白さの一つです。スタッフと話すこともすごく好きですね。彼らは私にとって新鮮な目線を持っています。勉強になることばかりですし、一生懸命なので、私も頑張らなきゃって思います。

YappanTVの動画の一番最初が浴衣を着るロケで、4人のベトナム人女性スタッフと一緒に撮りました。その日は一日撮影で、私はクタクタだったんですけど、ベトナム人スタッフたちはカメラが回った瞬間にパッと笑顔になって、「この人たちは私よりずっとプロ意識がある!」って感動したんです。

 

(浴衣姿で行った最初の撮影)

 

あと、Yappan TVをやっていて嬉しいことは、facebookメッセージなどを通して「有益な情報をありがとう!」「Yappanが好きです!」「いつも見ています!」と言ってもらえることですね。私はベトナム語が読めないのでGoogle翻訳を使っているんですけど(笑)。国も価値観も遠いのに、感想をシェアしてくれるのがとっても嬉しいですね。

 

ーお話を聞く限り、メディアづくりを存分に楽しんでいるようですが、YappanTVの難しさはどこにあるのでしょうか?

コンセプトや一貫性です。我々日本人はどうしても、あれもこれもと伝えたくなってしまいがちですが、そうするとメディアがぶれてしまいます。自分がやりたいことばっかりやっても、ユーザーは喜ばないじゃないですか。そこを修正して、ベトナム人目線を重視して、伝えたいことや「ターゲットは誰だっけ?」とふりかえることを忘れないのが、すごく大変です!

YappanTVを設立した当初、“日本”というトピックは狭いと感じていて、YappanTVの最初のコンセプトは「日本を届ける動画メディア」でした。でも、“日本”って実際は広くて、スポット・生活・武士・浴衣とか伝えたいことがたくさんあったんです。そこで、「誰が見るのこれ?」とふりかえる、ベトナム人がアクティビティー・ショッピング・レストラン・電車の乗り方などに興味があることがわかったので、そこに絞ることにしました。メディアの一貫性をどこまで絞るかという試行錯誤が大変でしたね。

特定の人々に愛されるメディアにするためのマーケットリサーチや企画の質の向上に、日々頭を悩ませています。現地のニーズを把握しなきゃいけないので、現地のスタッフにもたくさん聞いてリサーチします。

 

(ベトナム人スタッフと一緒に食品サンプルの撮影を行う中井さん。一番左。)

  

ベトナムの若さに巻き込まれ、本質的にwin-winなメディアへ

ー試行錯誤を繰り返して、本当に求められているものをつくる努力をみなさんでしているんですね。では最後に読者へのメッセージ、YappanTVと中井さんのこれからについて聞かせてください。

日本は成熟していて、そんな日本が私も大好きですが、その一方で、若さ溢れるベトナムも魅力的です。私はベトナムの元気な国民性が好きで、ベトナム人は家族をとても大事にするなど、日本人にはないものも持っているように感じます。さらに、ベトナム人には語学ができないといい会社に就職できないというプレッシャーがあるので、日本人よりもハングリーです。「日本がその若さに巻き込まれなくてどうする!」って思いますね。若さに巻き込まれたい企業は、ぜひYappanTVを利用してください!本気でプロモーションします。

今後は、日本の企業がベトナムに進出する時に、プロモーションツールや販路のプラットフォームとしてYappanTVを使ってもらいたいです。そのためにはベトナム側のユーザを増やすのが第一!メディアのコンテンツクオリティーを上げて、ユーザーと協賛してくれる会社を増やします。

  

 

私は思い切りの良さで、スタートアップでのアジアビジネスをすることにしましたが、もちろんこれからが本当の勝負です。周りの親や友人を安心させられるようにも、まずはYappanTVを大きくしていきます。まだ決断しただけで、何も始まっていません。YappanTVを本当の意味で理解して、ユーザーファーストになることにトコトン注力して、決断したことが正解になるように頑張るしかないと思っています!

 

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