突然ですが、皆さんは“日越大学”という大学を知っていますか?
日本の大学ではなく海外の大学なんです!
「日本」の名前が入った海外の大学って珍しいですよね。
私はベトナムの首都ハノイにあるこの日越大学(Vietnam Japan University)でインターンシップをしていました。
日本とどのような関係があるのでしょうか?また、大学生である私が海外の大学でインターンをし始めたワケとは?
これからこのアセナビで、特集を行いこの前途有望な日越大学について皆さんに知って頂きたいと思います!
今回はこの日越大学の概要と私が日越大学をどのように知ったのかその経緯についてご紹介します。
ベトナムの経済発展と現代抱える課題
日本製の車やバイクが目立つハノイの道路
近年ベトナムの実質GDPの成長率は6%を超えており、今ASEANの中で最もアツい国の一つです!ハノイで生活をしていると日々発展のエネルギーを肌で感じます。
対して日本国内に目を向けると、少子高齢化に伴って労働人口の減少が進み不足する労働力を補うために外国人雇用が重要視され始めています。
現在日本における外国人技能実習生の数は中国人よりもベトナム人の方が多くなっており国籍別ではベトナム人技能実習生が約10.5万人(2017年)で一番多いです。
また、経営的な観点から国内市場の縮小を背景に日本企業は海外市場を開拓していく必要があります。ベトナム日本商工会の会員数は2017年現在で約700社と日系企業もベトナム市場の重要性を認識しています。
しかし!! 著しい経済成長を遂げる一方でベトナムの教育制度は未だ整っておらず高等教育を受けた人材が少ない(大学進学率約30%)というのも事実です。
2010年にベトナム政府から要請がかかり「ベトナム・日本の協力を得て質の高い大学を設立することを検討する」という内容を含む日越共同声明を発表しました。
そしてベトナムの高度人材育成を目指し、ベトナム国家大学ハノイ校(VNU-HN)の傘下の大学として2016年9月に日越大学が開校しました。
二国間の政府が共同で大学を設立し運営するというのは非常に稀な例で新しい国際協力の形とも言えるでしょう。
現在大学の運営は「日越大学修士課程設立プロジェクト」としてJICAとVNU-HNが中心になって行っています。ちなみに日本人スタッフの方は全員JICA専門家の方です(インターンの私以外・・・)!
大学のロゴは両国を象徴する国花「桜」と「蓮」
日越大学の概要
では、日越大学の学生は一体どんな勉強をしているのでしょうか?
現在(2016年開設)の学部は以下の6つです! ※(大学名)は協力大学
◆地域研究(東京大学)
◆公共政策(筑波大学)
◆企業管理(横浜国立大学)
◆ナノテクノロジー(大阪大学)
◆環境工学(東京大学、立命館大学)
◆社会基盤(東京大学)
日越大学の修士課程プログラムはベトナム社会と日系企業が求める管理能力を備えた質の高い人材を育成するために、日本の幹事大学の教育・研究活動の支援を得て開設されました。
ちなみに、2018年以降は下記の修士課程プロジェクトを開設予定です!
◇気候変動・開発(茨城大学)
◇グローバル・リーダーシップ(早稲田大学)
◇農業と水産(東京大学)
盛大に行われた2017年9月の入学式の様子
この日越大学のプロジェクトはまだ始まったばかりなんです!2016年秋に一期生が64名入学し今年2017年の秋には二期生が96名入学しました。
まだまだ人数は少ないですが現在の修士課程に続いて学士課程、博士課程を設立していき将来的に学生数6000人規模のアジア最高水準の研究大学を目指しています!
また、日越大学の場所はハノイの中心部から10km程離れたMy Dinh地区にあり治安もよく近くに美味しいレストランも多く安心で快適です。
現在のMy dinhキャンパスは閑静な住宅街にある
そして大学内には自習室や図書館などが整備されています。
図書館にはベトナム語、英語だけでなく日本語の本も多く置かれている
2024年にハノイから30km離れたHoa Lac地区に移転されこちらがメインキャンパスになる予定です。このホアラク・ハイテクパークという場所は広さ約1千haでベトナムを代表する科学技術の一大拠点として開発が進められています。未来のキャンパスを想像するとワクワクしますよね!
未来のキャンパス移転先は日本も援助する一大開発拠点(写真:Ban Quản lý Khu Công nghệ cao Hòa Lạcより)
サマープログラムが私の日越大学との出会い
日越大学サマープログラムの様子
実は日越大学は今年の8月に初めて提携校の立命館大学と法政大学の学生を対象にサマープログラムを開催しました!
昨年度インドネシアに留学をしていた私は他のASEAN諸国の歴史文化や経済の発展度合いにも興味を持ちベトナムにもいつか行ってみたいと考えていました。
その矢先に大学のHPでベトナムに関する講義や観光・ホームステイ・現地学生との交流など内容がぎっしり詰まった日越大学のサマープログラムを見てこれは行くしかない!と思ったんです。
それまでベトナムに行ったこともなければ日越大学の存在も全く知らなかった私からするとサマープログラムはその後の僕の人生を変えた運命の出会いでした!
ただ単にベトナムのことが好きになっただけでなく、日本とベトナムの懸け橋を本気で目指しベトナムの今後の未来を担う人材を日本の協力で育成する日越大学の大規模国家プロジェクトにこの上無い可能性を感じ、その運営にも携わりたいと思ったんです。
※今後もサマープログラムやスプリングプログラムなども開催予定ですので是非参加してください!
今後の日越大学特集では
学生と一緒に昼食を食べた時の写真
私は学生寮で生活を送り、毎日、日越大学に通ってインターンの仕事をさせてもらっていました。仕事終わりや休日はいつも日越大学や他大学の学生と食事や旅行をしたりしていました。そのため出会ってすぐに彼らと非常に仲良くなりました!
今後の特集では日越大学の関係者も知らない様な学生目線から記事を書くことが出来れば良いなと思っています。ぜひ楽しみにしていてください!
休日に学生と旅行に行った時の写真(東南アジア最大の仏教寺院バイディン寺にて)
今後の特集予定
Ⅰ日越大学の概要と私がインターンを始めたきっかけ(今回)
Ⅱ学生の授業・カリキュラムについて
Ⅲ学生寮と学生の日常生活について
Ⅳ職員インタビュー
Ⅴ学長インタビュー