「これから東南アジアのIT市場がアツい!」
こういったことを最近よく耳にするようになりましたが、具体的にどのような点が「アツい」のか、イメージしにくい方も多いのではないかと思います。
私自身、学生時代にインドのシリコンバレーと呼ばれるバンガロールで、ベンチャーの立ち上げに関わっていた経験から、アジアを中心とした新興国のIT市場が盛り上がってきていることを肌感覚で感じます。
日本のIT系の会社が東南アジアに事業展開したり、投資を行ったりと実際に動き出している事例が多数あります。サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)が東南アジアのネット系スタートアップに特化したファンドを設立したり、つい最近もグリーベンチャーズが東南アジアへの投資を増額したりと、東南アジアのIT市場が日本にも注目されていることは明白です。
このような時代の流れの中で、「アジアで勝負する仲間を増やしたい」。
そんな想いから、あなたがアジアの、特にIT市場に一歩踏み出すきっかけとなる情報を提供したいと思います!
統計資料を参考にして、どれほど東南アジアのIT市場が「アツい」のかということを書いていきたいと思います。
圧倒的な人口と若い世代の割合
Population Pyramids of the Worldが掲載しているデータによると、2015年には東南アジアの人口は約6億3000万人を超えるとされています。その中で、特に注目すべきは、若年世代の割合の多さです。東南アジア全体で平均年齢は約29歳であり、日本は平均年齢が約45歳であることを考えると、圧倒的に若い市場であると言えます。
では東南アジアの人口を国別で分けた場合はどうなるのでしょうか?
圧倒的に人口が多いのは、多数の島から構成されるインドネシアで、約2億6000万人となっています。その次に、人口約1億人のフィリピン、9千300万人のベトナムと続きます。人口約5千300万で、近年民主化したミャンマーも有望な市場として注目され始めています。
注目すべきはスマートフォンのユーザー数とその成長率!
We Are Socialが発表したSocial, Digital & Mobile Worldwideに掲載されているデータを元に、シンガポール、タイ、インドネシアのスマートフォンの所持率を以下に示しています。(オレンジで囲ってある部分がスマートフォン所持率。)
東南アジアの中でも最も先進的な地区である、シンガポールのスマートフォン所持率は、国民全体の72%で、ユーザー数は約400万人となっています。日本は約50%の所持率となっており、日本よりもスマートフォンが浸透していると言えます。続いて、タイのスマートフォン所持率。国民全体の31%がスマートフォンを所持しており、約2000万人がスマートフォンを所持しています。
個人的に、注目すべきはインドネシアのスマートフォン所持率だと思っています!こちらは14%と一見低く見えますが、人口の母数が多いので、ユーザー数は約3300万人となります。さらに、こちらのデータによると、たった1年でインドネシアのスマートフォン所持率が2倍に増えたと言われており、巨大なポテンシャルを秘めた国であると言えます。
また、世界的なマーケティングリサーチ会社であるComscoreによれば、東南アジア主要6カ国のインターネットユーザーのうち、40%近くが15歳〜24歳であるそうです。
これらのデータをまとめると、
①東南アジアの人口は2015年の時点で約6億3000万人であり、平均年齢は約29歳と若年層が多い。
②スマートフォンの所持率は、インドネシアを中心に急激に成長している。
③インターネットユーザーの割合のうち、15歳〜24歳の割合は約40%であり、今後若い世代を中心にIT市場が拡大する。
といったことが言えると思います。
今後20年で日本がもう一つできる!?
あなたはこの数字をみて、何を思い浮かべましたか?
見慣れた数値である「日本の総人口」をイメージされた方もいるかも知れません。
しかし実はこれ、20年後の東南アジアの人口の増加数、つまり約1億2000万人も増加するということなんです。
今20代前半の方であれば、働き盛りである40代まで東南アジアの人口は大きく増え続けることになります。今後約20年間、私たちの人生の中で、東南アジアとは切っても切れない縁であると思いませんか?
日本では今後「超高齢化社会」が訪れます。生産年齢人口の割合が減少する日本では、今後爆発的に内需が拡大するということは望みにくく、日本という枠の中では、大きなビジネスチャンスがつかみにくくなる時代がもう来ているのかもしれません。
そんな時代の中で、これからの日本を支えていく若い世代である私たちが、有望な東南アジアの市場に関心を持ち、アクションをしかけていくべきではないでしょうか?
今後も東南アジアのIT市場に関して発信していきたいと思います。
Written on May 28, 2014