突然ですが、あなたはベトナムで日本語の需要が増えているのを知っていますか?
英語が世界共通語のような扱いをされている中で、どうしてベトナムでは日本語が流行っているのでしょうか。
僕は、3月に日本語教師アシスタントのボランティアでベトナムに行ってきました。現地で得た知見から、皆さんにベトナムの日本語熱をお伝えします。
そもそも日本語教師の役目とは何なのでしょうか。その名の通り、外国人に日本語を教えることが主な仕事です。日本国内では、進路指導や試験対策、レクリエーション企画といったいわば高校教師のような役割も担います。一方、海外では日本語を教えることはもちろん、日本文化を伝えることも重要な役割です。
海外の日本語教育の今
国際交流基金によると、海外の日本語学習者は、400万人もいるそうです!統計が始まった約33年前と比べて31倍以上も増加しました。
それに比例するように海外で活躍する日本語教師も上昇中。33年前と比べて15倍の31万人の日本語教師が海外で活躍しているのです。
世界の中でも特に日本語学習者が多いのは、東アジアと東南アジアです。なんと、国別学習者数トップ10の中にASEANの国が5カ国も入っています。ASEANの中での学習者数の順位はこの通り。
日本語学習者数トップ3
1位 インドネシア 約90万人
2位 タイ 約13万人
3位 ベトナム 約4.5万人
日本語教師数トップ3
1位 インドネシア 約4500人
2位 ベトナム 約1500人
3位 タイ 約1400人
インドネシアでは、高校の選択必修科目の一つに日本語が指定されています。最近では、全国的に日本語の専攻課程を開設している大学も増えているようです。もともと人口が2億4千万以上と多い国なので、日本語学習者、日本語教師数も必然的多くなったということが背景にあると言えるでしょう。
タイでは、「WORLD-CLASS STANDARD SCHOOL」という新しい方針が導入され、中等教育機関の理系学生が日本語を第二外国語として選ぶようになり、それが日本語学習者数の増加につながっていると言われています。しかし、日本語教師の確保が大きな課題の一つとして浮かび上がっています。
ベトナムでは、「中等教育における日本語教育試行プロジェクト」が導入され、中学校や高校で第一外国語としての日本語教育が実施されています。そして、近年では日越経済連携協定が発効されるなど、日本との文化交流や経済交流の発展がベトナム内での日本語教育の発展を助長しているのではないかと言われています。
ここは日本?ベトナムで感じた日本
日本語教師アシスタントとしてベトナムで感じた経験をお話しします。日本のマンガやアニメが人気とは聞いていたのですが、実際は想像以上でした!「コスプレのイベントがあるよ」とホテルのスタッフから聞き、バイクタクシーで駆けつけてみると、なんと信じられない光景が!
ナルトのコスプレが!ベトナムではこのように日本のマンガ文化が広まっています。
さらには、以下のように大型スーパーには寿司まで売られています。実はこれベトナムのイオンモールで売られていたものです。
他にも街には日本メーカーの自動車やバイク、日系企業など、たくさんの日本のモノも見つけることができました。そして、街中のバイクタクシーの運転手が日本語で話しかけてきたり、寿司屋があったり、ラーメン屋があったりなど「ここは日本!?」と思う場面がいくつもありました。
ベトナム人学生とゲームセンターに行くと、太鼓の達人が!J-POPまで入ってます。しかも、ベトナム人の友人は日本人の僕より「達人」でした。(笑)
実は、“気軽に日本文化に触れられること”が彼らが日本語を学ぶ一つのきっかけになっているようです。実際にベトナムの日本語学校の学生の多くがアニメやマンガに影響を受けたみたいです。
日本にいるとなかなか実感しにくい、海外での日本人気。まだ海外に行ったことのない人は特に、現地で日本人気を実感していただきたいです!