【新卒海外】ベトナム就職後、人材紹介会社立ち上げ。平衡舎 室井匡人さん

2016.02.24

大学2年生の時からベトナム・ミャンマーでのインターンを経験し、卒業後はホーチミンで働かれていた室井さん。現在は人材紹介会社を立ち上げ、ご活躍されている。独立して人材紹介会社を運営されている立場から見る、新卒のベトナム就職とは。そして、「平衡舎」という社名に秘められた思いとは?

《プロフィール|ベトナム就職なら!室井 匡人(むろい まさひと)》
海外在住4年目。関西学院大学経済学部卒業。新卒でベトナム現地の人材紹介会社を経て、独立し平衡舎を立ち上げる。主に、ベトナム就職・転職サポート、法人営業、自社Webメディア足で稼いだベトナム「生活・就職」ウェブマガジン「WALKERS」制作・運営を担当。

売上を第一優先しないことで、結果的に売上がついてきた。

②

—なぜ海外就職をしようと思ったのですか?そのきっかけを教えてください。

もともと海外に興味があったので、学生時代に留学したかったのですが、交換留学できるほど授業は真面目でなく、お金もなかったので海外インターンをしようと思いました。 たまたま知りあったベトナム現地の人材紹介会社に、「無給でなんでも雑用をやるので!」と直接お願いして働かせてもらいました。

実際に行ってみると衝撃で !(笑)2011年はベトナムが最も経済成長していた時期で、すごく活気があって。そこにいる日本人もイキイキとしていました。

こんな場所があるんだな ! と感動し、卒業後はこういった「新興国で働きたいな」と思いました。

ー私もベトナムに来て熱気を感じます!その後、どのようにベトナム就職が決まったのでしょうか。

日本での就活もしましたが、ベトナムのアツさを知っていたので、当時は全く魅力的に感じる会社がありませんでした。

エントリーシートとかSPIやTOEICとかをやるくらいなら、他の国でインターンをした方が良いと判断し、ミャンマーにも半年行きましたが、2カ国比較した上、ベトナムでお世話になった会社で働くことになりました。

—ベトナムで就職後、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

法人営業と転職サポートの2つを担当してました。猛暑の日もスコールの雨の日も、毎日バイクで営業をしていましたね。

入社して間もない時は、仲の良い友だちもいないし、旅行では楽しかったベトナムも住むとなると、けっこう生活がキツイ。(笑)当時の給料は手取り800$だったので、ある程度貯金もするとなると経済的にも困難で、肉体的にも精神的にも疲弊し、何度も日本に帰ろうと思いました。

そんな時、まわりの先輩だったりお客さんだったりに恵まれまして、どうせ辞めるんだったら、自分のやりたいようにしよう!と思い、当時の会社の方針だった「とにかく売上をあげる」というのを一旦無視しました(笑)

売上のため、自分のためにではなく、出会ったお客さんになるべく価値を提供したい、と目先の売上にはならないことや、仕事と関係ない分野でも僕ができることは何か提供したい、と行動してからは、不思議と仕事がうまくいったんです。その時、初めて仕事が楽しい!と思いました。そういった良い循環ができて、結果的にかなりの売上を出すことができました。

ニーズに応え、対等なビジネスを。新卒でも、働くチャンスはいくらでもある!!

③

—その後、起業されていますね。

会社の方針と自分の意見が違うということに気づき、その後は何度か当時の社長と話し合いをしましたが、全く通じず…お世話になった会社を去ることに抵抗はありましたが、自分が目指したいサービスを作りたかったので、同じ志をもった3人で会社を立ち上げました。

その方針が正しいかどうかは最終的にお客さん(市場)が判断することだと思っています。結果的に大変好評を頂き、お客さんがお客さんをご紹介くださることも多く、現在はかなり好調です。

ー社名の由来は?

平衡舎の平衡とは、釣り合う(均衡している)という意味で、ロゴマークの八咫烏(やたがらす)は初代天皇を大和に導いたと言われる神様です。おこがましいかもですが(笑)人材紹介を通して人をより良いところに導く、良い状態に釣り合わせるという願いが込められています。

heikosha_logo大_pmcdeg(平衡舎のロゴマーク クリックすると企業HPへ)

—新卒のベトナムでのビザ事情について教えていただけますか?

2014年の法改正により現在は、新卒など日本で就業経験がない場合は、建前上は労働許可証はおりません。

ただ、ベトナムの法律自体が整備されていないグレーゾーンだらけなので採用する会社次第です。新卒でも働いて欲しいという需要はありますし、実際に採用されているケースはたくさんあります。

具体的な方法については、弊社にお問い合わせ頂ければと思いますが、結論、新卒でもベトナムで働くチャンスはいくらでもあります。

—なるほど・・・新卒で就職した場合、収入はどのくらいになるでしょうか。

新卒だと平均1500ドル前後です。8割が営業職で、残りがそれ以外のお仕事ですね。

海外で働くと、哲学者のひよこになる。

④

—海外就職して良かったと思うこと、メリットはありますか?

1つは、日本ではなかなか会えない人に会えるということですね。

営業をしていると大手〜中小企業の社長・部長、創業者の方にお会いできることも多いです。仕事の話以外でもためになる話をしてもらうことも多く、今でも大きな財産になっています。

2つ目は、無理やりにでも人生について考える機会が増えることです。刺激の強い環境にいると、なんで自分はここにいる?何をしたいのか?今やるべきことは?と、考えてしまうので、いつしかそれは自分の軸になります。

—日本にいる同世代との違いを感じることはありますか?

感じますね。大学の同期に会っても、あまり仕事を楽しんでいる人がいないということです。上司や会社の悪口を言うだけで仕事の話をあまりしてくれません。

外を知らないで恐いと言っていることが、一番恐い。

⑤

—描いている今後のキャリアについて教えてください。

年収1億!とか会社の規模をもっと大きく!とかあんまり興味ないので、今やりたいことが達成できればいいです。その結果何かしらのキャリアになるかもしれませんね。

—海外就職をしたいけれど、迷っている人に向けてメッセージをお願いします。

僕が大学生の時に影響を受けた言葉は、「20代のうちは、やるかやらないか迷ったら、やれ」という言葉です。

20代のまだ経験の浅い人の判断力と、30代以降の経験豊富な人の判断力って、全然違うじゃないですか。 だったらどんどん挑戦してみて、失敗しても経験として蓄積した方がいい。「一歩踏み出す勇気が大事」とかよく言われますが、一歩も踏み出さず知らないままでいることが一番恐いと思います。

最後に、現在ベトナムでは圧倒的に日本人の人材不足なので、新卒だろうが採用したい」という会社はたくさんあります。日本の会社でみんなで一緒に入社して研修して・・・みたいに、右向け右で生きていくのもいいかもしれません。

でも、このご時世、大手企業でもいつ潰れるかわからないという状況で、皆と同じ行動して生き残れる保証はありませんよね

一方で、ASEANでは、進出し続ける日系企業では人材が足りず、若手でも要職につける、結果的により多くの経験や実績を積める、という大きなメリットがあります。成長し続けていく国の中では、日々サービスも進化し、新しい市場ができたりと変化の日々です。その中では新しいビジネスチャンスも常にありますし、現地の言葉・商慣習を習得すれば、替えの効かない貴重な人材にもなれます。

特に、ベトナムは日本人の給与水準も高く、日本食レストランが多々あり、ベトナム人の方々もかなりの親日で、そもそも親切なので、生活もし易いです。

皆さんもご経験があると思いますが、最初の一歩さえ踏み出してみると、案外こんなもんか。と思うものですよ!

以上、ちょっとでも海外就職にご興味を持った方、お気軽にご連絡ください。

室井さん カメラ目線

【編集後記】
「知らないままでといることが、一番恐い」この言葉がとても印象に残った。私自身も外に出たことで多様な生き方があることを知り、日本を客観的に見る機会を得ることができた。20代で社会に出たことのない私なんて、まだまだ知らないことばかり。どんどん挑戦し、失敗し、経験していきたいと思った。

 




ABOUTこの記事をかいた人

山村 あおい

法政大学国際文化学部4年。2014年に休学、フィリピンのNPOとマレーシアのwebメディア企業にてインターンシップを経験。2015年12月、1ヶ月間でASEAN6カ国を回り、新卒で海外就職・起業をした日本人26名にインタビューを実行。新卒での海外就職を決意し、現在ASEANで絶賛求職中!