「海外で働きたい。」あなたはそう思ったことがあるだろうか?しかし現実は甘くなく、タイミングや周りの環境がそれを阻み、一歩を踏み出せないでいる人も少なくはないだろう。そんな中、新卒で国内で就職したが、30歳を目の前に「ベトナムで働く」という選択をした女性がいた。JAC Recruitment Vietnamに勤務している宮原氏だ。宮原氏に、海外就職を決意したいきさつ、そして、ベトナムで働く女性はどのような人がいるのか、取材した。
<プロフィール|宮原 優紀氏>
2006年、神田外語大学卒業し、日本で7年間、物流・商社にて営業実務を経験。その後、転職し2014年よりJAC Recruitment Vietnam勤務。現在は、JAC Recruitment Vietnamハノイオフィスの立ち上げに抜擢され、奮闘中。
2年間悩んだ末に決断した、「ベトナムで働く」という選択
―宮原さんの経歴を教えてください。まず、ベトナムに行く前はどのようなお仕事をされていたのですか?
大学時代は、ベトナム語と英語を専攻していました。就活のとき「せっかく勉強した語学を使う仕事に就いて、海外と関わりたい」と思い、新卒で国際物流の会社で働き始めました。
ここでは営業事務として働いていて、航空貨物の輸出手配業務をしていました。英語の書類作成やメールでのやり取りを通じて、英語を使う機会は結構ありました。ですが、働き始めてちょうど3年が経ったとき、「会社の中で仕事をしているだけじゃなくて、実際に外に行って仕事がしたい」と強く思うようになりました。激務でもあったし、一通りの仕事を覚えてやり切った感がありました。
また、学生時代から興味のあった映像翻訳の勉強をしたいと思っていたこともあり、結構簡単に「やめちゃえ!」と退職を決めました。
―その後、どうしたんですか?
物流会社を辞めて、2010年から夜間の映像翻訳スクールに通い始めました。このとき稼ぎがなかったので同時に、大手商社のグループ会社である鉄鋼専門商社で派遣社員として働き始めました。
半年後には正社員になり、夜間のスクールと会社の両立が大変でしたが、2年後に卒業しました。長年、学びたかった映像翻訳のノウハウや知識を一通り身につけて、ふと「翻訳は老後でもできるな」と思ってしまったんです。それよりも、今は体を動かして色んな所へ行きたいという気持ちが強くなって、「海外で働く」ことを真剣に考え始めました。
―なるほど!ここで海外転職がより現実的になったのですね。
2012年頃から、働きながら海外へ転職するチャンスがないか情報収集をしていました。それに、「今転職して海外に行かないと30歳になってしまう」「今後のライフプランを考えると今が最後のチャンスだ」という想いが強かったです。そこで、インターンやワーキングホリデー等も視野に入れて転職活動をしていました。
そんな時登録していた人材紹介会社の1つがJAC Recruitmentだったんです。2013年秋、ちょうど立ち上げ期だったJAC Recruitment Vietnamの社長に「それならうちで働かないか?」と声をかけて頂き、2014年3月にベトナムで働くことを決めました。
―潔くベトナム転職を決意したんですね!迷いは全くなかったんですか?
ベトナムへ行くことを決めたときは、全くありませんでした!
約2年間悩み続けて、途中、転職活動を止めた時期もありました。こうやって声をかけてもらえることも人生に何度もあるわけじゃないと思いましたし、悩みすぎて疲れていたので、「潔く決意した」というよりは、この長い悩みの期間を終わらせたという感覚でしたね(笑)
ベトナムで働く女性ってどんな人?その実態に迫る
―紆余曲折ありながら、「やっぱり海外で働きたい」という想いを現実のものにしたんですね!宮原さんのようにベトナムで働く日本人は多いですか?また、日本人雇用の需要はまだまだありますか?
そうですね!
ベトナム在住の日本人は約12,000人と言われています。日系企業・外資系企業のベトナム進出もまだ続くでしょう。ベトナムに来て約1年が経ちますが、日本人のニーズは増えていると感じています。日本人ならではの強み、例えば「言葉にしなくても相手の意図を汲み取って対応できる」など、日本人を募集している企業から求められる要素のひとつです。
ベトナムにいても、日本人相手にビジネスをすることが多いですから、“日本人同士で通ずるものを持っている”というのは、ひとつの利点だと思います。条件としては、やはり英語はマストですね。企業によっては、社内の公用語が英語というところもあります。
それに加えて、少しでもベトナム語ができると好ましいでしょう。せっかくベトナムで働くのだし、現地の言葉を少しでも知っていた方がベトナム人スタッフとも、よりコミュニケーションが取りやすくなると思います。私もベトナム人の同僚と話すときはできるだけベトナム語で話すようにしています。それによって距離がぐっと縮まり、より親密なコミュニケーションを取ることができると実感しています。ちなみに、仕事の話をする上では、情報伝達にミスがないように英語で話しています。
―やっぱり言語は重要な要素のひとつなんですね。現在ベトナムで働いている日本人はどんな人が多いですか?また、宮原さんのように女性が活躍できる機会は沢山ありますか?
日本から出向で来ている駐在員、私のような現地採用の日本人、また自分でビジネスを立ち上げている方も非常に多いです。
また、ベトナムでは一般的に仕事において、日本ほど性別にこだわりません。
例えばですけど、私が新卒の頃は、「男性は営業」「女性は事務」という雰囲気がありましたが、ベトナムでは性別に関係なく個人の能力やポテンシャルを評価されます。ここだけの話、そうは言ってもベトナムでは日本人女性の営業を募集している企業が少なくありません。理由は様々ですが、例えば、電話で企業訪問のアポイントを取るにしても、男性の声よりも女性の声の方が取りやすい、ということは私も経験しております(笑)。もちろん、アポイントを取ってからの努力は大切です。
「女性だから」という理由だけで、たくさん契約が取れるわけでは決してありません。ですが、入り口が入りやすい分、ベトナムは女性にとってチャンスが広がりやすいフィールドです。そう言った意味では、女性であることを100%ポジティブに捉えてスキルを付けキャリアアップしていくことができるので、私は特に女性にベトナムで働くことをおすすめしますね!
また、ベトナムで働く日本人はモチベーションが高くてバリバリ仕事をしている人が多い印象があるのではないでしょうか?この記事を読んでいて、「私が海外で働くなんて…」と不安に思っている方がいるかもしれません。でも、ベトナムで働く日本人女性は「ガツガツ仕事します!」というよりは、「自然体でやりたいことをやる。でも、きちんとやることをやって信頼を得ている」というような方が多いですね。
そして新天地、ハノイへ。
―日系企業が増えていくというお話でしたが、JAC Recruitment Vietnamのこれからを教えてください!
実は今、JAC Recruitment Vietnamは7月のハノイオフィス立ち上げに向けて絶賛準備中なんです!私はホーチミンで働き始めて丸1年が経つんですが、今後はハノイオフィス責任者としてハノイに赴任します。ベトナムに来て1年が経ち、また新たな目標を立てたいと思っていたところで、ハノイ支店立ち上げという大きなチャンスをいただけたのがとても嬉しかったです。
―今回、どういった経緯でハノイオフィスを立ち上げることになったんですか?
もともとJAC Recruitment Vietnamでは会社目標として、2015年にハノイオフィスを出すことを掲げていました。それに、なんといってもベトナムの首都はハノイです。ベトナム政府は日系企業・外資系企業のハノイへの投資・進出を促進しているので、今後も私たちが人材紹介サービスをご提供できるような日系・外資系企業のハノイ進出が続くでしょう。それに伴って、人材採用の需要が増えるので、私たちもハノイオフィスを立ち上げることにしました。
そのため、ハノイオフィスでインターンをしてくれる学生を探しています!業務内容としては、PR活動、書類の整理、転職希望者の履歴書のデータ入力等を考えています。新規立ち上げですので、新しい環境で新しいことを楽しんでやってくれる人、自ら考えて、積極的に動くことが好きな人にとっては、非常にやりがいのある仕事ではないでしょうか?
私と一緒にハノイオフィスを盛り上げてくれる方を募集中です!
―これは学生にとっても、良いチャンスですね!「学生」というキーワードが出たので、最後に学生に向けてメッセージをお願いします!
新卒で働き始めると、分からないことだらけでミスも沢山すると思います。だけど、「自分は自信満々です!」という姿でいることが大切。「自分は自信ないんです…」という雰囲気だと、本当に自信なくなってきますから、表向きは余裕をかましてください!そうすれば、それが周囲にも伝わって、きっとあなたを頼りにしてくれるでしょう。その方が良いチャンスが巡ってきます。
もちろん、陰ではたくさん努力をしてください。新聞を読むこと、その業務に関する勉強、誰も見ないような資料を見ること等、そういった努力があとからついてきて、その努力は必ず誰かが見ていてくれます。ですので、自信がなかったとしても、“自信満々”で社会人を楽しんでください。
〜宮原氏へのインターンのお問い合せや、その他ご連絡は以下へどうぞ!〜
yuki.miyabara@jac-recruitment.com
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