アジアに行く目的に! 海外ボランティアでASEANと繋がろう

あなたはASEANに行くとしたら、どんな目的で渡航してみたいですか?

ASEANに興味はあるけど行く目的が見つからない人や旅行目的では何か物足りない人も多いのではないでしょうか?

今回は、ASEANへ渡航する目的として「ボランティア・国際協力」をご提案。この記事では「具体的にはどのようなプログラムがあるのか」「国際協力に携わった人へのインタビュー」の二部構成でお送りします!

 

日本語教育から象の保護センターまで!

ひとくちに「ボランティア・国際協力」と言ってもさまざまですよね! 今回はその一例を紹介します。

 

1.ベトナム日本語教育ボランティア

日下さん2日本語を学んでいるベトナムの若者たち

ベトナムのホーチミンにて、日本語学校の日本語教師のアシスタントをするものです。個別指導塾の先生のように、日本語の音声や会話を学生と行います。

主に高校生から大学生が通っていて、彼らの日本語レベルはさまざまです。例えば、「あいうえお」から勉強している初級の学生や、留学するために必要となる日本語能力試験の勉強に励んでいる上級の学生もいます。

活動内容は、日本語の「あいうえお」などの音についてマンツーマンで指導したり、テキストの会話文の音読練習をお手伝いをしたり。

大学生の中には、日本への留学を志して日本語学校に通っている学生や、就職志望先で日本語が求められているという理由で日本語学校に通っている学生もいます。

そんな彼らに対しては以下のようなことを行うのです。

①日本語で書いた日記の添削

②日本語能力試験の読解問題の解説

③小論文の添削

正直、日本語を教える機会に慣れていなければ手こずる部分も多くあります。例えば「は」と「が」の違いや「〜なら」と「〜時」の違いなど、日本人が当たり前に使っている表現について説明しなければいけないこともたくさんありました。苦労も多いです。

ですが、こちらが一生懸命説明して分かってくれたときは、大きな達成感がありました。

実際にこの活動を通じてプログラム後も学生とのSNS上でのやり取りもあったり、日本語学校の学生が日本に留学にきて再会できたりというようなこともあり得ます。

日本語ボランティア|ベトナム孤児院&日本語ボランティア|CEC海外ボランティア

 

2. インドネシア Citarum Camp(川の清掃活動、植林)

日下さん3(Photo from NICE

このプログラムでは、以下のような活動を行います。

・Citarum川のプラスチック撤去作業
・植林、植竹活動
・ゴミのリサイクルマネジメント
・学校訪問で環境・英語教育

ジャカルタからそう遠くない西ジャワにあるCitarum川は、世界で最も汚染されている川の一つとも言われています。そこには、400トン以上もの生物廃棄物、25000立方メートルもの生活排水、280トンもの工場廃棄物があるとのこと。この活動の目的は、環境保全に対して意識の高くない地域住民への啓蒙活動として行われています。

Citarum Camp(川の清掃活動、植林)  NICE

 

3. タイ 象の保護センター支援と象使い体験7日間
日下さん4

これは、実際に水浴びなどで象の世話を通じて現地の象使いの文化を理解するボランティアです。

タイにおいて、象は古くから神聖なものとして扱われています。しかし、森林伐採などの影響で野生の象が次第に減ってきており、働かせる象の負担は増える一方。保護センターでは、酷使され捨てられたり、大怪我した象の治療や保護をしています。

そこでは、象の世話や訓練も体験も可能。このプログラムだからこそ足を踏み入れられる象文化を体験してみたいという人にはぴったりのプログラムです!

他にも数えられないほどのASEANのボランティア・国際協力プログラムが存在します。誰でも気軽に参加できるものばかりですが、一方で注意すべき点があります。

それは、プログラムの金額です。近年では、意識が高い学生に向けた高額なプログラムを設定し、いわば「ぼったくり」プログラムも存在しています。プログラム内容を確認の上、「高すぎる…」と思ったらまずはASEANボランティアに参加したことのある人にすぐに相談したり、同じようなプログラムをいくつか比較してみましょう。

地球の歩き方の旅| 14春タイ 象の保護センター支援と象使い体験7日間 地球の歩き方 海外ボランティア

 

実際のトコどうなの?大学生にインタビューしてみた!

今回は國學院大學「国際協力サークル〜優志〜」 関ゆりえさん、鼻輪展尭さんにインタビューを敢行!ASEAN(カンボジア)のボランティア・国際協力に携わってみた上での感想などを聞いてみました。

 

国際協力サークル〜優志〜

 

日下さん7

2008年からカンボジアを拠点にして活動しています。今まで、井戸5基、トイレ2基をカンボジアの農村に支援してきました。そして現在は、設備支援といったハード面の支援だけでなく、彼らの衛生意識を変えていくために、村や小学校における衛生教育といったソフト面の支援も行っています。また団体内において、日本国内でカンボジア支援に繋がる企画を発案・実施する国内企画事業部とカンボジアの幅広い知識を習得し、現地で行われる支援内容の決定やその調査を主導するカンボジア支援事業部に分かれています。団体としては、カンボジアで経験したことを還元するために高校に訪問して授業や国際協力フェスタへの出展などしています。(国際協力サークル~優志~

 

ー実際にASEAN(カンボジア)の活動に携わってみて… カンボジアに行く前の気持ちと、行った後の気持ちはどのように変わっていくのでしょうか。

(鼻輪)初めてカンボジアに行く前は、「向こうでとにかく何かがしたい!」という気持ちでいっぱいでした。「何か」というのは、自分の中では支援活動でした。

そしてカンボジアに行くと、早速生活環境の違いや格差を感じるようになって、その気持ちが段々と強くなりました。しかし当時国内での活動を中心とする事業部に所属していた僕は、プロジェクトの関係もあって、現地で行ったことと言えばひたすら現地の子どもたちと遊ぶだけ。現地の子どもと遊んでいる時に、他の同級生のメンバーが熱心に現地の住民に調査をしている様子がうらやましくなる時もありました。その時自分の中で、「自分は何をしにカンボジアに来たのか」と考えるようになりました。そして、帰国後にカンボジアでの活動を中心とする事業部に移籍しました。

(関)最初はとにかくカンボジアを知りたいと思い、渡航しました。渡航後はカンボジアの人々の生活状況などを知り、今、自分が何をしたいのか、何ができるか、が明確になりました。プロジェクトを行うことで、悩みも多く出てきますが、渡航したときのことを思い出すと自分の原動力につながります。

 

日下さん7

 

ーしかし、活動中も楽しいことだらけではないのが実情です。それは人それぞれではありますが、活動中に苦労することとしてどのようなことがあげられるでしょうか。 

(鼻輪)活動していく中で、時々「本当にこの人たちのためになっているのか」と考えてしまうことがありました。何か向こうに行ってからそのように思ってしまう自分がいるのは、なんか恥ずかしいし辛いことでした。

 あとカンボジアに行って観光地を歩いていると、物乞いをする小さな子供や家族に会った時は少し辛かったです。僕はアルバイトで塾講師をしているのですが、ぼくの生徒と同い年ぐらいの人とかその両親にあたる人が、このようなことをしなければならない状況・・・を考えると、「本当はこのような人たちに支援をすべきなのでは?」なんて思う時がありました。

 

ー渡航する前の思い描いていたものと現実のギャップは現地で活動する上でつきものかもしれません。しかし、もちろん苦労ばかりではなく、必ず何かやりがいがあるはず。そのやりがいの中に活動する意味も見えてくるでしょう。ではカンボジアでの活動中のやりがいとは一体何でしょうか。

(鼻輪)優志が支援した井戸を使っている場面を実際に見たり、現地の人たちと活動や交流を通じて仲良くなったりすることは毎回の渡航で感じる嬉しさです。ただ今までの渡航で一番嬉しかったことは、優志が井戸を支援した村の村長さんとの関わりです。

1年生のころにその村長さんと出逢って、帰国するときにくれた言葉に思わず感動して泣いてしまいました。その後、二年生になって再びその地を訪れた際、その村長さんが私のことを覚えていてくれたのです!そこに喜びを感じましたし、その時には村長さんの家でホームステイをさせてもらって、前年以上にお世話になりましたね。

(関)やっぱりカンボジアの人々の笑顔です。カンボジア人からすれば私たちのことを、見知らぬ外国人が突然来て話しかけられたという感覚のはずで緊張もするはずなのに、みんな笑顔で挨拶やお話をしてくれて、本当に嬉しかったです。

 

 

日下さん7-2

ー実際に現地の人の温かさに触れることができるというのがボランティアの醍醐味かもしれません。やりがいとしては、2人とも笑顔という言葉を挙げてくれました。
このような体験は実際に踏み入れてみなければ分かりませんし、ボランティアに行ったからこそ得ることのできた貴重な価値観だと思います。では、カンボジア渡航で経験したことを今後どのように活かしていきたいと考えているのでしょうか。

(鼻輪)私は将来教職員を目指しています。カンボジアや優志での活動は教職員になった時でも活かせるものが多いと思っています。例えば現地で行った聞き込み調査の手法や何より自分が経験した事やその他国際協力に関連する内容を、次代の社会を生きる生徒たちに還元していけたらなと思います。そこで生徒たちが、国際協力のことや途上国のことを考えるようになったり行動したりしてくれるようになったらうれしいです。

(関)私は国内企画事業部に所属し、訪問授業プロジェクトを行っています。自分が渡航で得た経験を次世代に伝えたいと思っています。そして、カンボジアや国際協力、学生の活動について知ってもらい、将来の国際協力の視野を広げていきたいと思っています。優志を引退してからも身近な人たちに発信していきたいです。

 

2人ともカンボジアの経験を次世代へ伝えるということを考えています。毎年のカンボジアでの活動から経験したことを自分たちの周りに伝え、それをきっかけにカンボジアの「今」を知ってみたいという人が1人でも多く出てきたら嬉しいですね。

お話しをしてくれたお二人、ありがとうございました!

日下さん8-2

 

ASEAN渡航のきっかけとしてのボランティア・国際協力!

ボランティア・国際協力をきっかけにASEANに行ってみれば、もしかしたら普通の旅行では分からないASEANの人の温かみや新たな価値観を手に入れられるかもしれません。

そして、ぜひ「”ASEANの国名” ”ボランティアor国際協力”」で検索してみてください。きっと誰にも味わうことのできないあなただけの貴重な経験ができるプログラムに出会えるはずです!

 




ABOUTこの記事をかいた人

日下康平

國學院大學3年の日下康平です。カンボジアとベトナムで日本語を勉強している大学生と交流して、ASEANの日本語教育に興味を持ちました。まだまだASEAN2カ国しか行ったことがありませんが、大学生の間に他のASEANの国にも行く予定です!