2015年が幕を開け、日本ではすでに正月気分も消え去っていますが、あっという間にまた正月がやってきます。旧暦の2月19日(2015年)は“旧正月”、中華圏はこれからが正月本番を迎えるのです。年が変わる新暦の正月よりも盛大に祝われ、春節とも呼ばれています。

日本の元日が祝日であるようにシンガポール、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、ベトナム(旧正月=テト)、フィリピンといったASEAN諸国でも旧正月が国の祝日として設定されています。その中でも2015年の今年、マレーシアからの独立50周年の節目を迎えるシンガポールのチャイナタウンから旧正月の開運フードをご紹介しましょう。

 

干支のヒツジが登場と思いきや・・・ナニこれ?


ASEANの中でも人口比率で74%と、最大の華人系国であるシンガポール。公用語である英語と中国語が頻繁に飛び交う様子が国中で見受けられます。その中でも、チャイナタウンは華人の台所であり、観光客にも人気スポットとなっています。

写真2-ヤギメイン通りのニューブリッジロード。夜にはライトアップされて一層賑やかになる。

今年の干支であるヒツジをモチーフにした装飾品もたくさん。きれいに描かれたヒツジやぬいぐるみも多くある中、チャイナタウンのメイン通りには大きなオブジェが・・・

えっ!これって“ヤギ”じゃない?

中国発祥の干支ですが、英語で”The Year of the Goat”というだけあってシンガポールではヤギなのです。ヒツジもヤギも同じウシ科の動物。未年の「未」は本来、「山羊」だと言われ、愛くるしいモコモコした感じが馴染みやすいことからヒツジが干支の象徴となったとも言われています。ASEANではベトナムやタイでも山羊年で新年を祝います。

 

旧正月の準備でアメ横並みの大賑わい


通りには旧正月を迎えるための正月用食品を売る露店がずらりと並び、活気にあふれています。ナッツ類や乾物、お菓子など、売られている物はどれも縁起の良いものばかりで目移りしちゃう。

写真3-チャイナタウン露店が出始めると一気に旧正月モードに。買い物客が日に日に増えてくる。

歩いていると中国の祝いの象徴である赤色が目に飛び込んできます。「福」「恭喜發財」「万事如意」など、祝いや縁起言葉が書かれている賀紙や吊るし飾りのランタンが華やかです。露店の店主は買い物客に試食をすすめ、路上には落花生の殻が散乱。どれを買おうか、品定めの客たちも楽しそうです。

 

お供えしたり、交換したり 柑橘類は旧正月の必須アイテム


よく見ると、日本のスーパーでは見慣れない果物もたくさんあります。中でも目を引いたのが、その風貌に一瞬ドキッとする不思議な形をした果物。その名も「BUDDA HAND(仏陀の手)」。日本では佛手柑(ぶっしゅかん)と呼ばれる柑橘です。

写真4-佛手

天井から吊り下げられている手のような形の果物。緑色は未熟の状態で熟すと黄色くなる。

何ともありがたい形をしているではありませんか!ミカン科の果物ですが、生食部分は少なく、主に新年のお供物として活用されているとのこと。食べるとしても皮の部分を香りつけ用に使うか、甘く煮詰めてジャムのように加工するそうです。柚子と同じ仲間なので、香りを楽しみながらご利益!ご利益!

BUDDA HANDと同じ屋台で売られているのは「ポメロ」。食材のほとんどが輸入のシンガポールでは、お隣マレーシアからの食材もたくさんあります。ポメロは、マレーシア第三の都市であるイポーの名産物なので、こちらのお店でも“イポー産”押し!

【ポメロ】
「柚子(ヨウズ)」中国語(写真では紅肉柚)
「柚」は「有(ヨウ)」と同じ発音から“物がある豊かさ”を象徴

続いては、日本でもおなじみのミカン。シンガポールで良く見かける品種は、マンダリンオレンジです。街中でオレンジを箱買いする人続出となっています。

写真5-オレンジ

願いを叶えてくれるオレンジの木。オレンジ色には「黄金」の意味がある。

新年のあいさつ回りにオレンジは必須です。縁起の良い偶数個のオレンジを持って地元の方は大忙し。挨拶する相手には2個渡すのが礼儀です。そうすると、相手も自分に2個渡します。あれ?これってオレンジの数が減ることなく、循環しているみたいでしょう。でも、それで良いのです。金運をもたらすオレンジによって、どの家庭にも互いにお金が入ってくるのですから。

【オレンジ】
「桔子(ジューズ)」中国語
「桔」は「吉(ジュー)」と同じ発音から“吉日”の縁起物

これまたありがたい語呂合わせ。

 

開運フードは正しく食べて運気もアップ


柑橘だけではなく、甘いお菓子にも縁起物がたくさん。「New Year Cake」と呼ばれる「年糕(ニェンガオ)」は、Cakeとありますが、お菓子のようでお菓子じゃないのです。

写真6-ニェンガオ日本の餅のようにもち米を使うので食感はモッチリ。店舗によって大きさが多様にある。

旧正月と言えば年糕ですが、なかなか日本人には馴染みがないのが本音。しかし、大根餅やトッポギも同じ仲間と言えば身近に感じられるでしょう。出来立てはとても柔らかく、手に持ってもプニュプニュです。そのまま食べるのではなく、正しい食べ方は切って焼いたり、炒め物として使ったりするとか。実は何を隠そうこの私はそれを知らず、数年前までそのまま食べていました(笑)。

【年糕】
「年糕(ニェンガオ)」中国語
「糕」は「高(ガオ)」と同じ発音から“年々高い”と向上ある言葉

数を上げればキリがないほどに開運、縁起物とされる食べ物が他にも多くあります。日本でも一部の中国食材店では年糕が売られているので、いろいろ食べて幸運や金運を引き寄せましょう!

注)旧正月の日程は旧暦によって毎年移動します。