「金なし、コネなし、ノウハウなし」の状態で起業し、今では業界トップクラスの企業に。ベトナムで人材会社を経営するICONIC代表 安倉宏明氏


「世の中を創っているのは起業家である」。学生時代にドラッガーの書籍に感銘を受け、起業を志した安倉宏明氏。3
年間勤めたベンチャー企業を辞め、「金なし、コネなし、ノウハウなし」の状態でベトナムに渡り、日系企業向け人材紹介会社を起業。今ではベトナムにおいて業界トップクラスの企業へと成長させた。今後、新興国で成功した日系企業のモデルとなるべく、東南アジアを中心に事業拡大を行う同氏を取材した。

 《プロフィール|安倉宏明氏》
関西学院大学総合政策学部卒業。株式会社ベンチャー・リンクにて中堅中小企業のコンサルティング、小売店フランチャイズ事業の全国展開に従事。同社を退職後ホーチミンに渡り、日系企業にて年間500社程度ベトナム企業に営業・訪問する。2008年5月、ベトナムのホーチミンでICONIC co., ltdを設立。現在ハノイ、ジャカルタ、東京にもオフィスを構える。

ベトナムを中心に、インドネシア、東京にも事業を拡大

 

会社の概要を教えてください

2008年にベトナムのホーチミンで会社を設立し、現在7期目を迎えます。事業内容は大きく分けて二つあり、一つ目は人材紹介サービスで、マネージャークラスの人材を主に現地に進出している日系企業に紹介しています。現在人材紹介サービスは、ベトナムのホーチミンを拠点に、ハノイ(ベトナム)、ジャカルタ(インドネシア)、東京で展開しています。

 二つ目は、人事労務コンサルティングサービスで、日系企業向けに会社の評価制度や就業規則など、会社の運用面のコンサルティングを行っています。従業員が長く働いてくれるための社員のモチベーション管理や、人事労務に関する法的なアドバイスを、弁護士とタッグを組みハンズオンで行っています。現在社員は全拠点を合わせて50人程の規模で、インターン生を含め16人の日本人が働いています。

ICONICWebサイト                ICONICウェブサイト

―ベトナムで起業された経緯を教えて下さい

2007年に勤めていた会社を辞めて、起業の準備をするためにベトナムに渡りました。現地にある日系企業で一年働きながら事業のアイデアを考えており、30〜50年の長期的なスパンで事業をやりたいと考えていました。そのためには、短期的にお金を儲けるようなビジネスではなく、ベトナムの発展に長期的に貢献できるようなものでなければならないと考えた。また、自分には「金もない、コネもない、ノウハウもない」という状態だったので、若さと情熱で何ができるかを考えました。そんな中で、ベトナムにある日系企業の方から、日本人を採用したいという相談を受けたことがきっかけで人材紹介サービスという分野に可能性を感じました。ベトナムが今後発展していくためには、技術やノウハウが必要となる。それらを持った日本人がベトナムで働く機会を創れば、ベトナムの発展に大きく貢献することができるのではないかと思いました。また、ビジネスとしても成立するモデルで、「売り手良し」「買い手良し」「 世間良し」の三方良しだと思い、人材紹介サービスで起業することを決めました。

競合する企業が多くいる中で、持続的に会社を成長させることができた要因は何ですか?

特別なことをやっているというよりは、やるべきことをやっているからだと思いますね。課題があれば一つ一つ改善し、電話対応のスピードなど当たり前のことを大切にしています。やるべきことを要素分解して、実行できるか否かがうまくいくかどうかを決めていると思います。

 

「若さと情熱」で何ができるかを考えた

 

ベトナムで起業される前の、安倉さんのキャリアを教えてください

大学時代はドラッガーの「イノベーションと起業家精神」に影響を受け、世の中を創っていく「起業家」に憧れを持ち、起業を志すようになりました。大学を卒業後、3年間働いてから独立すると決めてフランチャイズのコンサルティングを行うベンチャー企業に就職しました。

 そこで一番始めにやっていた仕事は、豆腐を中心としたこだわり食品売り場の提供を、酒屋などに行う事業でしたね。始めはバックオフィスでクレーム対応から始め、商品の決定や流通の仕組み作りを行っていました。クレーム対応が自分には向いていないと苦しんだこともありましたが、全ての経験が勉強だと思いました。毎日夜遅くまで働き、休日も出勤するくらい必死で働いた結果、仕事の責任範囲も増えていきました。

 そしてあっという間に3年がたった時に、独立して何をやろうか考え始めました。自分はITやネット系のサービス等起業に適した事業をやったことがなく、「起業するために何ができるか?」ということを考え、自分と向き合っていました。仮にITで起業しても、ITバブルの崩壊で多くのITベンチャー企業が失敗していた時期でもあったので、日本で自分の強みを生かして成功できる分野がないと思いました。また人口が減り、市場が縮小する日本で起業することが間違っていると感じており、「海外でやればいいんじゃないか?」と思うようになりました。学生時代にイギリスに留学していたこともあり、もともと海外に行くことは好きだったので海外で起業することに抵抗はあまりなかった。日本で起業する必要性がないと考えるようになってから、発想が自由になり、どの国でビジネスを始めようか考え始めました。今後伸びていく新興国に可能性を感じており、ちょうど少し前にベトナムを旅行していたことを思い出し、ベトナムでやってみようと思いました。事前に調査をして決めたというよりは、現地でトライアンドエラーを繰り返して成功しようと思っていました。自分はまだ若かったので、失敗することはリスクではなく、むしろ経験になると考えていましたね。ベトナムで起業しようと決めてから会社を辞めた時は、人というのは本当に「個人」であるということを感じ、「何かを築かない限り、自分は何者でもないんだ」ということに気づきました。それまでは組織の中で守られていましたが、初めて一人で裸で生きているということを感じましたね。 

安倉氏

 

新興国で成功した日系企業のモデルとなる

 

今後のビジョンを教えてください

新興国で成功した日系企業のモデルケースになりたいと考えています。そのために、2018年までに「東南アジア×人材」の分野において、日系企業の中でナンバーワンになりたいと思います。まだ東南アジアで進出していない国に事業を展開し、その後はアフリカに展開することにも興味がありますね。今後は人材サービスにとどまらず、ITを使ったビジネスも展開していきたいと考えています。

日本の若者に向けてメッセージをお願いします

本質的に、自分がやりたいと思ったことにフォーカスすべきだと思います。大学生であるなら「学生のうちにしかできないこと」にこだわる必要はないと思う。「大学生だからこんなもんでいい」という言い訳はせずに、高い目標を持って自分の興味があることに打ち込んでいくべきだと思います。自分も学生時代に音楽をやったり、サッカーをやったりしていましたがあまり情熱を注ぐことができず、やりたいと思ったことをもっとやれば良かったと思います。

また、自分の強みをのばしていくことも大切です。世の中は競争原理で成り立っており、自分の強みを生かした方が世の中に価値を生み出しているという実感を得やすいと思うし、その方が楽しいと思います。誰もが起業をするべきではないと思うし、例えば文章が得意ならWebで何かを発信し、お金に変えることも可能かもしれない。若いうちはできるだけ興味のあることに挑戦し、そこから「自分の勝負すべきフィールド」を取捨選択することが大切だと思います。

―長期インターン生募集中!

弊社は半年以上勤務できる大学生の長期インターンを受け入れています。インターン生には責任ある仕事を与えており、大きく成長するベンチャー企業働くことができます。インターン開始時と終了時では、会社の状況が全く違うと言われるくらい変化の多い環境だと思います。仕事内容は人事労務のコンサルティングのアシスタントや、対日本向けの営業フォロー、Webを使ったマーケティングやサイトの運営を行っています。インターン生には、大学生だからという扱いはせず、ビジネスマンとしての基礎を徹底して教え込んでいます。ぜひチャレンジしてほしいですね。

インターンへの応募を希望される方は、こちらのメールアドレス(jp@iconic-intl.com)からお問い合わせ下さい。

 

《ICONICウェブサイト》

ICONIC Co., Ltd  ベトナム法人
www.iconic-intl.com

ICONIC Japan Co., Ltd 日本法人
www.iconic-jp.com

Interviewed in Aug 2014

ABOUTこの記事をかいた人

長屋智揮

同志社大学政策学部卒。在学中に休学し、インド・バンガロールで会社の立ち上げ、事業拡大に関わる。それをきっかけに、今後急成長が見込まれるアジア各国の市場に興味を持ち、現在ASEANを周遊しながらインタビューを行う。現在は渋谷のIT系企業に就職。