「変化を楽しめる5%の人は、日本にいる必要はないと思う」 EventCarnival CEO 斎藤康太氏

 

「旅行体験の最大化サービス」分野において世界ナンバーワンを目指すEventCarnival。東南アジアのスタートアップ支援に積極的なEastVenturesから出資を受け、8月にサービスをリリースした。今後2年でグローバル会員数1000万人を目指すカーニバルCEO 斎藤 康太氏にお話を伺った。


《プロフィール|斎藤 康太氏》

1988年埼玉県生まれ。2011年早稲田大学法学部を卒業。卒業後すぐに株式会社ソーシャルリクルーティングを共同創業し、取締役兼COOとしてマーケティング、経営管理に約2年半携わる。その後、インドに渡り、現地英語学校MISAO India Private Limited.の経営再建に半年間携わり、ITを最大限活かしたマーケティングを展開。英語留学業界で新たな”インド留学”という選択肢を根付かせる。インドで体験したホーリー祭、バンコクで体験したソンクラーンの体験を元に、世界中の旅行者に限られた海外体験を最大化してほしいという想いから株式会社カーニバルを設立。座右の銘は「Life is Carnival」。

 

旅人の旅行体験を最大化するEventCarnival

 

―サービスの内容を教えてください。

世界中のイベントやフェスティバルを発見する旅行者のための体験最大化サービス、EventCarnival
を運営しています。これは、滞在先と滞在期間を入力することで、その国、地域で開催されている厳選されたイベントやお祭りの情報が手に入り、またそのイベントの口コミを見ることができるWebサービスです。

EventCarnival①  EventCarnivalウェブサイト


僕たちがフォーカスしているのは、旅行における体験です。航空券やホテルの検索サイトと違って、旅行時に「どこで誰と何をするか?」という点に着目しています。近年流行している、世界中で家を貸し借りできるサービス「Airbnb」や、無料国際ホスピタリティ・コミュニティの「Couchsurfing」などと同様に、ユーザーが旅先で特別な体験をするサポートをしていきたいと思います。

これまで東南アジアのネットワークに強みを持つEast Venturesからの出資を受け、8月4日にテスト版をリリースしました。10月1日に正式なローンチを考えており、新たな機能をいくつか追加する予定です。

代表的なものは、イベントやお祭りに参加するたびにポイントがもらえる「フェスティバルランカー機能」。これは「誰が一番イケてるフェスティバルピーポーか」を決める機能です。例えばインドの3大祭りに参加したら「インドラバー」のバッジがもらえ、スペインのトマト祭り、インドのホーリー祭り、ソンクラーンの水かけ祭りの3つに参加したら、「物を投げる祭りマスター」のようなバッジがもらえる機能です。ユーザーがサービス内で自分の旅行ログを楽しみながらためていけるサービスを目指しています。また、ユーザー同士がグループを作って、一緒にお祭りにいけるような機能も12月以降に追加予定です。「何をするか」が軸となって人がつながり、旅行先で最高の体験ができるサービスを目指します。


—なぜ旅行時における体験が重視されるようになってきたのですか?


近年何かを知りたい、見たいという欲求は、ウェブ検索で簡単に満たすことができるようになりました。例えばイタリアに行ってトレビの泉を見るよりも、イタリアでしか食べられない美味しいピザを食べるとか、イタリア人にイタリアの歴史を聞くといった経験に価値が見いだされてきているように感じます。見ること、知ること自体のニーズは弱くなってきていて、実際に「体験すること」の価値が高くなっていると感じます。


―コンテンツに日本語が一切ありませんが、英語でスタートした理由はなんですか?


合理的に考えて、英語でコンテンツを制作した場合、日本語のコンテンツしかない場合に比べてターゲットが60倍も広がりますよね。日本人だから日本人をターゲットにするという時代はとっくに終わっているし、世界中の人に価値を届けられるなら英語でやればいいかなと。逆に海外では英語でローンチしていないサービスの方が少ないと思います。インドも東南アジアのスタートアップもほとんど英語でスタートしていて、逆にそうでないのは日本と中国くらいの印象です。


―英語でスタートすることに言語的障壁はありませんでしたか?


確かにありましたが、それをクリアする方法はあります。例えばチームには英語を使いこなすフィリピン人のライターが5人いますし、アメリカ人のメンバーも採用する予定です。彼らのサポートによって、英語で苦労することはないですね。


―なぜバンコクでスタートしたのですか?


バンコクにはターゲットとなる世界中の旅行者が多く、マーケティングがしやすいからです。実際に旅行者が集まるカオサン通りなどでは、ヒヤリングやプロモーション活動ができる。今はバンコクにいますが、サービスの拡大に伴い、僕等自身も中東、アフリカ、ヨーロッパと拠点を増やすのではなく、移り住みながら会社を経営していく予定です。インターネットがここまで発達した社会なので、世界中のスタッフと特定のオフィスを持たないで働くといったスタイルも可能なのです。

「旅行体験の最大化サービス」分野において世界ナンバーワンを目指す

EventCarnival②

(ヒッチハイク中の共同創立者、高木氏)

―どのような経緯で起業されたのですか?

当初、僕とパートナーの高木は東南アジアで起業することを前提に、半年くらい旅しながらどこで何をしようか決めようと思っていました。東南アジアを選んだ理由は、僕が日本で人材会社を経営している時に、事業の成長に限界を感じていたからです。起業家として「成長国」×「成長ドメイン」で勝負がしたかったのです。

サービスのアイデアは、旅を始めたばかりの時に、ソンクラーンというタイの祭りに参加したことがきっかけで生まれました。それがめちゃくちゃ面白い祭りで、僕の人生で一番楽しい日でした。ソンクラーンとはタイ中の人が3日間水をかけ合う祭りなんですが、その3日間でタイの一年間の水の消費量を超えるくらい水を消費します。水鉄砲で溺れそうになるくらい水をかけられたと思ったら、しまいには消防車やゾウまで水をかけてくるんです(笑)

その後、他の国を周ろうと思っていたのですが、どこの国に行こうかが全く決まらなかった。その理由は、ソンクラーンで味わったようなスペシャルな体験が、どこで味わえるかが全く分からなかったからです。行く場所が決まらず迷っている時に、まさにこれが旅行者にとっての”課題”だと確信しました。「世界中のイベントやフェスティバルを発見できるサービス」。これはまさに僕と高木が一番欲しいサービスだったのです。


―今後の展望を教えて下さい。


会社のミッションとしては、「世界をもっと楽しくする」ということを追い求めていきたいと思います。海外旅行者って結局60%くらいしか旅を楽しめてないと思います。みんな海外旅行でいい景色を見て、おいしいものを食べて楽しかったと言いますが、実は暇な時間も結構ありますよね。もっといろんなことが経験できたはずの海外旅行者がほとんどだと思います。でも旅行に大金を支払っているから「楽しかった」と自己肯定せざるを得ない。そのような、「もっと海外旅行を楽しめたはず」という旅行者が多い現状を変えるために、その国で得られるスペシャルな体験を発信し、世界をもっと楽しくしてきたいと思います。

ビジョンとして、「旅行体験の最大化」にフォーカスしているサービスの中で、世界ナンバーワンを目指します。ホテル検索の分野ではHotels.com、航空券検索の分野だとSkyScannerがありますが、「旅行体験の最大化サービス」分野でトップを取り、世界3大サービスと呼ばれるようになりたいですね。今後2年でグローバル会員数1000万人を目指し、いずれはバイアウトも視野に入れています。

EventCarnival③(斎藤氏がバンコクで運営するシェアハウス、StartupHouseにて)

 

「みんなと同じことをやらない」が希少価値となる

 

―日本の若者に何か伝えたいことはありますか?

「みんなと同じことをやらない」
ことを意識してほしいと思います。大学生であれば、みんながサークルをやっているなら別のことをやった方がいいし、みんながアメリカに留学に行くなら、アフリカに行った方がいい。就職するならほとんどの学生が知らない会社に行き、起業するなら日本ではなくて海外でやり、一つの国をターゲットにするのではなく、世界を目指す。このように、人がやらないことをやっていけば、それが「価値」になるので、まずは人と違ったことをするのを当たり前だと思うことが大切ですね。

あと日本は正直に言えば”成長している国”ではありません。変化を楽しめる人は海外に出た方がいいと思う。楽しいから日本にいるというより、楽だから日本にいる人が大半だと思いますね。日本人の95%は現状維持派で、残りの5%の人は変化を楽しめる人だと思います。その5%の人は日本にいる必要は全くないはず。これから劇的に変わっていく国に行った方が活躍できると思います。

 

Interviewed in Aug 2014

(文・インタビュアー:長屋智揮 校正:杉江美祥)

12月18日(月)夜、アセナビ主催イベントやります!12月18日(月)夜、アセナビ主催イベントやります!

ABOUTこの記事をかいた人

長屋智揮

同志社大学政策学部卒。在学中に休学し、インド・バンガロールで会社の立ち上げ、事業拡大に関わる。それをきっかけに、今後急成長が見込まれるアジア各国の市場に興味を持ち、現在ASEANを周遊しながらインタビューを行う。現在は渋谷のIT系企業に就職。