東南アジア発 世界最高峰のサービスを届けたい Kokotel COO 中塚亘氏

<中塚亘氏 / Kokotel 最高執行責任者 COO>
1983年生まれ。慶應義塾大学を卒業後、ディズニーリゾートの運営をするオリエンタルランドに新卒入社。その後、ATカーニーにて戦略コンサルタントとして活躍後、KokotelにCOOとして参画。現在はオペレーションの構築、ブランディング、マーケティングを統括している。

Wow!を生み出す最高のサービスを提供したい

ー 現在のCOOとしての仕事内容について教えてください。

Chief Operation Officer(最高執行責任者)という立場で、Kokotelに宿泊するゲストと接するサービスの統括を行っています。CEOの松田はホテル展開のために企業との交渉や、新規契約などを担当しているのに対し、私はカスタマー、ゲストに関する全てを管轄しているという整理です。

具体的にはホテルを運営するためのオペレーションの全体を統括しており、Kokotelのブランドのコンセプト創りやスタッフのマネジメントなども担当しています。

Kokotelのスタッフたち。制服のデザインにもこだわりが垣間見える

ー Kokotelが他のホテルとサービスの点で異なるところやこだわりはありますでしょうか?

対ゲストという視点でいうと、Kokotelに泊まったら「Wow!」と良い意味でのサプライズ作りをしている点では他のホテルとは大きく異なるところです。ホテルとしてのポジショニングは3つ星ですが、リーズナブルな価格で高品質の宿泊体験を提供できる点や、子供連れの家族でも楽しめるような設備の仕掛け作りにもこだわっています。

また宿泊したゲストが自然と「おすすめしたい!」と心から思えるかがもっとも重要だと思っています。

ディズニーで世界最高峰のサービス創りに没頭

ー ではKokotelに参画される前までのキャリアについて教えてください。

新卒では東京ディズニーリゾートの運営をするオリエンタルランドに入社しました。

オリエンタルランドに入社したのは、もともと学生時代にレストランのアルバイトを経験して接客が非常に楽しく、単純なように思えるけれども奥の深い世界だと感じ、好きだったからです。また、ディズニーは世界的にも唯一無二のゲストサービスを生み出しており、多くの学びがあると思い入社しました。

「接客は奥が深い」、というのはゲストサービスが受け手に与える感情が非常に繊細で再現性を高めることが非常に難しいという点です。卑近な例でいうと、コンビニで物を買った時に店員から良いサービスを受けると、受け手の感情や気持ちって一瞬で変わりますよね。ちょっとしたゲストとのコミュニケーションが世の中に小さなハピネスを生み出していく、そういった世界に非常に興味がありました。

ー オリエンタルランドへ入社後はどういったお仕事をされていたんですか?

オリエンタルランドでは合計4年間働きました。入社1年目は現場でディズニーランドのキャストとして働いていてシンデレラ城の清掃をしたり、ぬいぐるみを売ったりしていました。

もともと接客が大好きだったので直接お客さんと対面できて非常に楽しかったです。
特に印象的だったことは、シンデレラ城の掃除をしている時に、ゲストの写真撮影を極められたことです。繁忙期は多くのゲストが訪れるので、掃除だけでなく写真を撮る必要がありました。

掃除をしつつ様々なゲストの写真を撮影していたんですが、ある時大学の先輩の自宅を訪れた時、私が撮影した覚えのあるシンデレラ城の前での写真がありました。これを見た時に、たった一枚の写真を撮影するという仕事であっても、「単純にその場の写真だけに留まらず、その人の人生を彩ってくれるような素敵なモーメントを生み出せるんだな」と思ったんです。

それからは「珠玉のベストショットを撮影するには?」をひたすら考え抜いて日々撮影をし続けていたら、思ったより奥が深くてはまってしまって。気付けばパーク内で写真撮影が上手いキャストとして有名になっていたんです(笑)。
自分で言うのもなんですが、ダンボの待ち時間より私の撮影の列の方が長くなっていたり(笑)。

この経験から単純に”Serve”するだけでなく、自分だからこそ生み出せるより良い”Serve”を形にすれば、1から100にする、100から1000にできるんだ、という学びがありました。

ー 素晴らしいですね。2年目以降は何をされていたんでしょうか?

2年目からは現場を離れて、経営企画部の調査分析グループで働いていました。

具体的にやっていたことはディズニーランドのサービスレベルを向上させるためにゲストの顧客満足度の可視化です。ディズニーランドのようなエンターテイメントビジネスでは顧客満足度が業績評価に大きく関わります。ただ当時の顧客満足度調査は業績評価の指標としては十分ではありませんでした。

ゲストがパークから帰る前にアンケートを取っていたため、ほとんどのゲストが「とても満足している」と回答してしまうんです。1日楽しんだあとなのでもちろん満足度は高いはずで、そのアンケート結果が本当に顧客満足度を示しているのか懐疑的でした。

本当に大事なのは、ゲストが帰宅してから「今日ディズニー行って本当に良かったね。」と誰かに話したくなるような状態を生み出せているかが真の顧客満足度です。

ー 具体的にどういう改善をしたんですか?

来園したゲストが自発的に書いていたブログの内容を形態素解析という技術で分析し、ポジティブ・ネガティブな言葉を解析しました。アンケートでは分析することではできないゲストの声を拾うことで新たなインサイトを得ることに成功できました。

大量のビッグデータから得られるテキストのレビューを解析すると、具体的な改善点が浮き彫りになってきます。そこから得られるインサイトを現場に落とし込むことで、現場での暗黙知が可視化され、刷新されたフォーミュラが生まれ、より顧客体験が進化していくことを経験を通じて学べました。

ー 感覚的でもあると言えるホスピタリティ、ゲストサービスをデータで捉えることがより革新的な改善に繋がるんですね。

良い意味で、顧客満足度にはゴールがないからこそ、飽きることなく探求し続けられる領域だと思っています。顧客がハピネスを感じる瞬間・モーメントは再現性を求めるのが非常に難しい。なぜならサービスの受け手によって感じ方は三者三様だからです。

再現性を求めるのが難しいからこそ、いかに「顧客満足度を最大化できるか?」という問いを突き詰めて、方程式を組み立てていくことがとても重要だと思っています。

また、自分だけの成果ではありませんが、東京のディズニーの顧客満足度は世界でも注目されるようになるまでのレベルまで洗練されていったので非常に良い経験ができました。

さらなる成長環境を求めて経営コンサルティング会社へ

ー その後、経営コンサルティングの世界に飛び込まれましたね。

一人のビジネスプロフェッショナルとして新しい環境で挑戦したいと思うようになり、ATカーニーに転職をしました。自分が今まで積んできた経験がどこまで通用するか、を試したかったというのもあります。

転職してからは前職の経験を活かし、サービス関係のコンサルティング案件に関わっていました。具体的には消費財メーカー企業のマーケティング支援などをしていて、クライアントの商品、部門をどうすればより良くできるかということがミッションでした。この仕事が非常に面白く8年間も没頭していました。

ー 特に印象的だったプロジェクトはありますか?

とある地方の中小企業のコンサルティング案件が最も印象に残っています。クライアントは経営危機に陥っていて、何が何でも新規事業を立ち上げてV字回復させないといけないという状態でした。

そこで私は1年間ほどクライアントに常駐をして、アイディア立案から実行までをクライアントと一緒に作り上げる経験をしました。ありとあらゆる手段を一緒に考え尽くし、汗をかき、最終的にクライアント企業のコア技術を用いた新たなビジネスを生み出すことができました。

無事、販路も確立することができ何とかプロジェクトを成功させることができたんです。

この成果だけでも相当嬉しかったんですが、何より感動したのは、共に汗を流したクライアントの社員さんから「中塚さんと一緒に今後も働きたい」と仰っていただけたこと。

自分の持っている知見・スキルを全て出し尽くした結果、クライアントに心から感謝を伝えられる。これほど嬉しいことはないなと感動した瞬間でした。

この経験から、プロフェッショナルとして新たな価値を生み出し、顧客の課題を解決することの面白さを学ぶことができました。またこの案件をやり切ったという経験から、さらに違う業界や領域で自分の培った能力を活かせるのでは?と次のキャリアを考え始めました。

0から1を作り、1から100にサービスを進化させたい

ー そこからどういう経緯でKokotelに参画されたんでしょうか。

Kokotelに参画するまでに、一般的な転職活動をしていました。それこそ世界的な大手企業からオファーも一部いただいていましたが、どれを見てもワクワクできなかったんです。どれだけ高い給与や高いポジションを提示されても、あまり心が躍らなくて。

どうせ新たに挑戦するなら、オンリーワンの仕事に関わりたいと思っていました。既に成功している大きな組織の一員として働くのではなく、より小さな組織で大きなインパクトを生み出せるような仕事をしたいと。

ー そこで運命的にKokotelの求人と出会ったんですよね。

はい。唯一給与を記載していない怪しい求人がありまして、調べてみると「タイで働けます。」と(笑)。

そしてKokotelが元ドリームインキュベータの松田さんが立ち上げられた会社だと知って興味がわきました。またアジアに行ったこともあまりなかったため、純粋な好奇心で海外で働くことも面白いなあと。

で、実際にタイにまず行ってみて、松田さんと投資家の諸藤さんとお会いしました。「熱い想いを持っているなあ」という強い印象を受けましたが、その時は社員は松田さんのみ。ホテル1号店すらオープンしていなくて、「これからどうするのだろう?」と正直思っていました。まだ結婚したばかりだったので、「Kokotelに入ろう!」とすぐにも思えず。

ー そして初めて松田さんとお会いして約1年後にKokotelに参画されました。何がきっかけだったんでしょうか?

松田さんにお会いしたあとの2016年2月に、一号店であるKokotel Surawong店をオープンさせていたことに驚きました。純粋に想いを形にして、ゼロからイチを創り出している松田さんに凄みを感じました。


記念すべきKokotel第一号店はバンコク都心のSurawongに構えている

そこで自分は1から100を生み出すことができるのではないか、という道筋が見えてきました。意を決して2016年5月にタイに移住し、KokotelにCOOとして参画することとなりました。

ー 決断するときに相当な覚悟が必要ではありませんでしたか?

正直、不安しかありませんでした。 冷静に考えると、待遇面、生活環境、治安の面でもリスクはありました。  ただ、その不安やリスクをかき消すくらいのワクワクがあったんです。間違いなく日本ではできない刺激的な挑戦ができると確信しました。

日本のホテル業界は隙間がなく、斬新な挑戦は難しいですが、まだ何も整っていないタイにはビジネスの余白があり、イノベーションを起こせると思ったんです。周囲を説得することは容易ではありませんでしたが、自分の未来を切り開いていくのは自分しかいないと思っていましたし、自分の強みを活かして新たなフィールドで挑戦していきたいと思い決断することができました。

世界レベルのサービスを提供し、Kokotelを世界で通用するブランドへ

ー 今後、中塚さんが取り組んでいきたい目標について教えてください。

Kokotelの世界観を世界へ広めていくために、スケーラビリティのある仕組み作りを構築していきたいです。

新しい店舗を猛スピードで増やしているKokotelではサービスの高いクオリティを維持し続けることが何より大切です。クオリティを維持し続ける仕組みを構築しつつ、現場のサービスの改善を追求していきたいと思っています。


Kokotelブランドのアメニティの商品開発・販売にも力を入れている

そしてゲストが「Wow!」と思うようなサプライズのあるサービスを提供したい。良い意味でゲストの期待を裏切っていくようなKokotelならではのおもてなしを生み出していきたいです。

また働く環境でいうと、全スタッフがまずKokotelで働くことを楽しんでくれて、ゲストの幸せを本気で考えられるような環境を整えることが重要です。

Kokotelにはマニュアルは最低限しかないので、自分の頭で「素晴らしいおもてなしとは?」を考えることが求められます。個々のスタッフが自主的に働けるような場を創ることもCOOとしての役割だと考えています。

ー 最後にメッセージをよろしくお願いいたします。

この記事に少しでもピンと来た人は是非ご連絡ください。

今までのバックグランド、経歴は一切関係ありません。変化の激しく、急成長する環境で何か挑戦したい!と思える人は是非。意志と覚悟を持って決断できる人はご連絡ください。

Kokotelで働く醍醐味は、今後急成長していくスタートアップの当事者となり、その成長するプロセスに関わって創っていくことは日本では経験できないと思っています。

またKokotelでは正社員、インターンシップ生を常に募集されているそうです。
ご興味のある方はぜひ「info@kokotel.com」までご連絡下さい。