【Slush Tokyo 2018講演レポート】「Fintech」「東南アジア」「スタートアップ」という3つのテーマから一挙にお届け!

2018年3月28,29日に開催された世界最大級のスタートアップイベント、Slush Tokyoに我々アセナビは参加しました!Slushには日本だけではなく、海外からも多くの参加者が来られます。そのため全てのピッチや講演などが英語で行われるのが特徴的です。今回は数多くの魅力的な講演のうちの3つをピックアップし、読者の皆さんに届けたいと思います。

 

Fintechがどのように世界を変えていくのか

まずは「How  FinTech Is Changing the World」というテーマで行われたこちらのパネルディスカッションから。日本銀行でFintechセンター長を務める河合裕子さんがファシリテーターとなり、Fintech領域で活躍されているマネーフォワード CEOの辻傭介さん、メルペイ代表取締役の青柳直樹さんの2名が質問に答えていく形で行われました。

パネルディスカッションのテーマを大まかにまとめると以下の3つ。

・両社が掲げるミッション
・Fintech領域における現在の具体的な取り組み
・今後に向けてのチャレンジ

マネーフォワードの辻さんは「お金を前へ。人生をもっと前へ」というミッションのもと、現在2つのサービスを提供しています。1つ目が個人向け自動家計簿サービスである「マネーフォワード」。2つ目が事業者向けにバックオフィス業務の効率化を行うべくSaaS*型の「MFクラウドサービス」を提供しています。

SaaS*とはSoftware as a Serviceの略。ネットワーク通じて顧客アプリケーションソフト機能必要に応じて提供する仕組みのこと。


今後、マネーフォワードは既存事業で集めたデータを活用し、革新的なFintechサービスを開発しようとしています。GoogleやFacebookは巨大なデータカンパニーですが、彼らが実現できないようなサービスを創り出し、そして海外、特にアジアでのサービス展開も積極的に行なっていくそうです。

青柳直樹さんはフリマアプリでおなじみのメルカリのFintech領域の子会社であるメルペイの代表取締役として活動されています。メルペイは「信用を想像してなめらかな社会を創ること」をミッションに設立されました。

今後メルペイは決済を通じてユーザーの生活スタイルや経験を変えたい、と言っていたことが印象的でした。日本では現金を使った決済がまだ主流ですが、中国ではWeChat PayやAlipayなどを利用したスマホ決済が浸透しており、キャッシュレス化が一段と進行しています。

日本でも人々がメルペイを使えば簡単に不自由なく決済をすることができる。そんな社会を今後作っていくことをメルペイは目指しているそうです。

 

東南アジアビジネスにおけるトレンド

次に紹介したいのは、「Global Expansion – Strategies for the Southeast Asian Market」というテーマで行われたパネルディスカッションです。

パネルディスカッションに登壇されていたのはこちらの3名です。

左:オンライン教育サービスを提供するQuipperでインドネシアのカントリーマネージャーとして活動している本間拓也さん

中央:タイで最大級のコワーキングスペースやコミュニティを提供するHUBBAのCEOであり、タイや東南アジアのスタートアップに特化したメディア、TECH SAUCEの共同創業者であるAmarit Charoenphanさん

右:タイ、バンコクにて株式取引のプラットフォーム及び株式取引の分析サービスを提供するStockRadarsのCEOであるMax Kortrakulさん

大きなテーマとして取り上げられていたのは東南アジアのビジネスで起きているトレンドについてです。

「Grab」「Tokopedia」「Go-jek」といったローカル発のユニコーン企業が東南アジアでは次々に誕生しています。こういったユニコーン企業が生まれる背景には、東南アジアのスタートアップを育てようと、アリババなどを中心とした中国の巨大企業から多額の資金が東南アジアに流れているからです。

また東南アジアではスタートアップのエコシステムがどんどん出来上がってきています。今は昔と比べてスタートアップがエグジット*できる機会が東南アジアにもたくさんあるため、スタートアップに参画したり、スタートアップを自分たちで興そうとしたりする人が増えてきているようです。

エグジット*とは創業者やファンドが株式を売却し、利益を手にすること。エグジットの方法として株式公開、株式譲渡、経営陣による会社の買収なども含まれる。


講演の終盤では、東南アジアでビジネスを展開するにあたって、、
東南アジアと一括りにするのではなく、それぞれの文化や慣習に適応した、国・地域レベルでのローカライゼーションが重要であると強調されていました。

 

スタートアップの成長の鍵とは

最後に、FOLIO代表取締役社長である甲斐真一郎さんの「KEY to FAST  GROWTH」というテーマで話された講演内容を紹介したいと思います。

FOLIOはテーマ投資型の資産運用サービスを提供していて、最近だと、LINEやゴールドマンサックスなどから約70億円の資金調達を果たした注目のスタートアップです。そんな大型資金調達を実現させたFOLIOがどのように成長してきたのか、この講演で聞くことができました。

会社にとって成長のためにもっとも重要なことは何でしょうか?

それは創業時に強いチームを作ることである、と甲斐さんは話します。採用においてはリファラルでの採用を徹底し、FOLIOが目指す世界観に共感してくれたファイナンスやデザイン、エンジニアリングなどのバックグラウンドを持った優秀なメンバーを集めたそうです。彼らにはストックオプション*などのインセンティブをつけ、メンバーを補強するよう工夫しました。

ストックオプション*とは会社が従業員や取締役に対して、会社の株式を予め定めた価格で将来取得する権利を付与するインセンティブ制度。

 

また成長の要因は、強いチームを作ることだけではなかったと言います。その次に重要となってくるのは、プロダクト(商品・サービス)です。これに関して、FOLIOが投資家から評価されたのは、挑戦するマーケットサイズが巨大であったこと、他サービスと比べてテーマ型投資にフォーカスしたプロダクトがユニークだったことの2点でした。

甲斐さん自身、これまで会社経営やコーポレートファイナンスの経験が全くなかったにも関わらず、巨額の資金調達を達成し、これからもっと会社を成長させていこうと取り組んでいます。

これからスタートアップを立ち上げたい方にとってこの講演は、これまでの経験よりもなぜその事業を行うのか?という軸を大切にし、それを周囲の人に伝え、巻き込み、仲間にしていくことが重要であることが伝わってきたのではないでしょうか。

 

まとめ

今回はFintech, 東南アジア,スタートアップという大きく3つのテーマでの講演内容を紹介しました。今回紹介した講演以外にもブロックチェーン、ロジスティクス、AI、エネルギーなどの様々なテーマでの講演があって、本当にエキサイティングな2日間でした!

アセナビではこの記事以外にもSlushを通じてRippleのCTOや、東南アジアを舞台に破竹の勢いで成長されているAnyMind Group CEOの十河宏輔さんにインタビューをした記事などもあるため、興味がある方はぜひご覧ください。

 

【インタビュー記事①:Ripple CTO Stefan Thomasさん】

決済をより良いものに!Ripple CTO Stefan Thomas氏が世紀の発明を目指すワケ【独占インタビュー】

 

【インタビュー記事②:AnyMind Group CEOの十河宏輔さん】

設立1年で売上約14億円!アジア10カ国・地域に12拠点もつ代表に聞く成功する鍵とは!?【AnyMind Group CEO十河氏】