ベトナム生活の実体験から生まれた!通訳者とつながるオンライン通訳アプリ「JellyTalk」

海外で生活したり旅行する上で、誰しもが直面する「言葉の壁」。都会部や観光地では英語が使えても、一歩ローカルのお店に足を踏み入れてみると、英語は全く通じなくなります。私自身、農業プロジェクトのために、ベトナムの片田舎で生活をせざる終えないという状況のなか、言葉の壁にぶつかりました。

この体験をきっかけに、パートナーと一緒に、プロの通訳者とつながるオンライン通訳アプリ「JellyTalk(ジェリートーク)」を開発しました。私達が、言葉も通じないベトナムで、どのように暮らし働いていたか、そしてオンライン通訳アプリの開発に至るまでのストーリーをご紹介したいと思います。

就農1年目はベトナムからスタート

もともと日本でフリーランスのWebディレクターとして働いていたのですが、違う業界とITを結びつけることで何か新しいサービスを作りたいという思いがあり、パートナーであるエンジニアの宮里と一緒に半年間の東南アジア周遊に出ました。そのときバンコクで農業に取り組む日本人と出会ったことがきっかけで、農業分野でなにかできるのではと考え、急遽帰国し農業の研修を受けることに。それから有機農業の技術を学び、しばらくはどこかで就農しながら、農業関連のWebサービスやデバイスを作っていこうと画策していました。

そんな中、研修先の農家さんから、ベトナムで農業をしてみないか?というお誘いを受けました。東南アジアは、旅をしている中でも居心地が良い場所だったし、これから国がどんどん発展しようとしている中で、新しいことも生み出しやすいのではと考え、ベトナムに行くことを決めました。農業研修が終わったわずか1ヶ月後に、ベトナムで就農1年目をスタートさせることになったのです。

私達が暮らした町、フーリー(ベトナム・ハナム省)

私達が暮らしたのは、ハノイから南に約50km下ったところにあるフーリー(Phủ Lý)という町です。ハナム省の中心都市ではあるのですが、いわゆる”田舎町”で当時はコンビニもスーパーもありませんでした。

私達が住んでいたのは、ホテルでもサービスアパートでもなく「Nhà nghỉ(ニャーギー)」。ホテルというよりは、モーテルのような宿で、ベトナムでは都心でも地方でもどにでもあります。家族経営で運営している宿ということもあり、毎週1回は洗濯をしてくれたり、テト(旧正月)にはごちそうを少し分けてくれたりと、親切に対応してくれました。

一方、農場はというと、最初に訪問したときには、前作で使ったマルチシートがそのままの状態で、雑草が私の背丈ほどまで伸びているという荒れ果てた状態でした。草刈機を購入し、近所の農家さんにも手伝ってもらいながら、畑を整備し、作つけをしていきました。

近所の農家さんと。いろいろサポートしてくれました。

 

 

オンライン通訳アプリをリリースするまで

順調に進むベトナム生活の中でも、日中は農場での畑作業をし、夕方は宿に戻ってパソコンと向き合うという毎日を繰り返していると、いろいろとトラブルや不満がでてきます。

  • マットレスがやたら硬い。全然カラダが休まらない。
  • シャワーからお湯がでない
  • インターネットが急に重くなる
  • 預けた洗濯物がなくなっている
  • 毎度の外食に飽きる(宿のキッチンを貸してほしい)
  • ベッドに座りながらのパソコン作業が辛い(机と椅子がほしい)

もちろん宿の人に、英語は通じません。翻訳アプリで伝わることもあれば、伝わらないこともあり、とてももどかしく感じていました。常勤の通訳者がそばにいない私達は、ベトナム人とのコミュニケーションにかなり苦労しました。

竹を指定の長さに切ってもらうだけでも一苦労。

 

どうしても伝えたいことがあるときは、離れた場所に住む知人の通訳者に電話をしてヘルプを求めていました。「電話で通訳」というと、うまく伝わらないのでは・・と不安に感じる方も多いかもしれませんが、実際にやってみると意外とうまくいくんです。翻訳アプリでは、私達の状況やコンテキストまで読み取って翻訳してくれないので、簡単なワンフレーズの会話にしか使えません。しかし、通訳者に電話で通訳を頼むと、コンテキストまで理解してくれて、私達が伝えきれない部分まで、ベトナム人に伝えてくれます。これが本当にありがたくて、私達の生活の救けになってくれました。

この体験が、オンライン通訳アプリ「JellyTalk」開発のきっかけとなりました。
通訳者を必要としている人が、いつでも通訳者に電話をして通訳を依頼できる。とてもシンプルなことですが、これが実現できれば「言葉の壁」を取り除けるのではないかと思いました。

また、通訳者の働き方を見てみると、客先への「同行」が基本となっていて、時間的にも経済的にも非効率な働き方でした。実際に、インタビューをした通訳者の中には、育児中で外出する仕事ができず、働く機会を失っている方もいました。ビジネスにおける会議やアポイントメントでは「同行」が必要になるかもしれませんが、私達のような生活における通訳の場合、音声やビデオによるオンライン通訳でも充分に通訳サービスを提供することができます。オンライン通訳が、従来の通訳者の働き方をより効率的にする仕組みだと考えました。

開発をエンジニアの宮里が、通訳者の採用やマーケティングを私が担当し、構想から約6ヶ月後にJellyTalkをリリースすることができました。農業プロジェクトも無事に予定していたプロセスをすべて終了することができ、今後は、JellyTalkの運営に注力していきたいと考えています。まだまだ課題は多いので、ユーザーからのフィードバックをもらいつつ、開発を進めていきたいです。

農業をきっかけに来ることになったベトナムですが、まさか通訳アプリの開発をすることになるとは、当時は思いもしませんでした。自分が実際に体験した課題に対してソリューションを作っていくということをしたかったので、そういった意味ではやりたかったことが実現できていると感じています。もちろん、ベトナムの農業を約1年間体験して感じた課題もたくさんあるので、今後JellyTalkの仕組みを使ったり、チャンスを伺いながら農業分野でもサービスを作っていければと考えています。

オンライン通訳アプリ「JellyTalk」は、AppStoreから無料でダウンロードすることができます。通話料は、1分につき1ドルで、クレジットカードで決済されます。ベトナム生活中、旅行中の方がいらっしゃいましたら、ぜひお使いください!

AppStore ダウンロードリンク
https://itunes.apple.com/app/jellytalk-online-translator/id1316370294?ls=1&mt=8
公式サイト
http://jelly-talk.com/

ABOUTこの記事をかいた人

徳嶺 あかり

沖縄出身のWebディレクター。2016年からベトナム・ハナム省に滞在し、野菜栽培をしていました。ベトナム人通訳者に通訳を頼める、オンライン通訳アプリJellyTalk(ジェリートーク)を運営しています。