「ASEANでインターン」を近くする。バンコクでインターンに挑戦する学生特集!

昨今では当たり前の選択肢になりつつあるのではないか?と言われている海外インターンシップ。実際バンコクに来てみると、大学を休学して、長期インターンシップに挑戦している学生は多くいます。そこであまり知られていない海外インターンシップの実態・実情を取り上げるため、2名のアツい学生に取材をしてきました!


《プロフィール|岡本祥茉氏》
慶應義塾大学総合政策学部を2017年9月に卒業。現在はバンコクの人事・組織コンサルティング企業のAsian Identityで長期インターンシップ中。渡タイ前は、海外インターンシップを運営するAIESECに4年間在籍し、慶應湘南藤沢委員会の代表、アイセックジャパン支部の副代表を務める。来年4月より大手総合商社に就職予定。

《プロフィール|仁井健斗氏》
早稲田大学国際教養学部4年次在学中。中1から渡米し、大学受験までシリコンバレーで育つ。大学受験を機に帰国し、イベントサークルの立ち上げを行う。2015年8月からSingaopore Management Universityに1年間留学し、組織論やマネジメント論を学ぶ。また2016年1月から株式会社ユーザベースのSPEEDA事業部にて長期インターンシップを経験。その後、2017年6月より渡タイし、人材紹介会社のAdecco Thailandで長期インターン中。

《インタビュアー|清沢康平》
同志社大学法学部4年次在学中。アセナビのタイ支部統括。2016年はJAC Recruitment Thailandで10ヶ月間の法人営業インターンシップを経験。またアセナビのコアメンバーとして、複数のインタビューや交流会イベント、タイ人を巻き込んだアイディアソンを実施。帰国後はSansan株式会社で半年間の長期インターンシップを経験。現在はDonuts BangkokのHRチームでインターン中。来年4月よりSansan株式会社に新卒入社予定。

 

多様なバックグラウンドを糧にアジアへ。

― 仁井さんは中高はアメリカ、しかもシリコンバレーに住まれていたんですね!

 仁井氏:父親の仕事の関係で中1から高3までアメリカで育ちました。当時は中学校で「I have a pen.」レベルの英語しか習っていなかったので、突然、英語がネイティブレベルの環境に変化したのでキャッチアップするのに約2年間かかりました。また当時はまだ中学生だったのでシリコンバレーが世界のイノベーションの中心地であることを認識しておらず、大学受験中にシリコンバレーの外から見た凄さを知りました(笑)

通っていた現地校はアジア人が8割ほどを占めていたので、特に人種差別などはありませんでしたが言語の壁が大きく自分の人生にとって意味のあるターニングポイントだったと思います。

 

写真左:岡本氏 写真右:仁井氏

 

― 仁井君と岡本君は大学入学後はどういう活動をしていたんですか?

仁井氏アメリカにはない日本独自の文化祭に憧れて早稲田大学に入学しましたが、早稲田祭の運営スタッフになるよりも、自分で運営した方が面白そうだと思ったので、国際教養学部のためのイベント企画サークルを立ち上げました。立ち上げた結果、とてもいい経験は出来ましたが、うまく組織や人を動かすことができず多くの失敗をしました。

一つの組織を動かしていくためのリーダーシップやモチベーションマネジメントが自分に欠けていると感じ、しっかりとした理論を海外で学びたいと思いました。そこでSingapore Management Universityに留学することを決めました。また留学中は株式会社ユーザベースのシンガポール支社、帰国後は東京本社でSPEEDA事業部のインターンに参加し、クライアントのニーズにあわせて経済情報の収集から分析、提供までを一貫して経験しました。

 

Singapore Management Universityでの講義後の集合写真

岡本氏:大学入学後は海外インターンシップを運営しているアイセックに入会しました。小中高はずっと野球一筋で体育会系に入ろうかと悩みましたが、自分の知らない世界を知ってみたいと思い、グローバルなコミュニティがあり、世界最大規模の学生団体である点に興味を持ち入会を決めました。

アイセックでは、送り出し事業局に属していて、日本の学生を海外の企業でのインターンシップに送り出す支援を行っていました。4年目はアイセックジャパンの副代表を務め、アイセックの国際会議などに積極的に参加をしていました。国内外の多くの学生と出会うことで刺激を受け、グローバルに活躍していきたいという思いが強くなりましたね。

アイセックの国際会議にて

 

― お二人ともとてもアクティブですね!タイでインターンをしようと思ったきっかけってありますか?

仁井氏アメリカに住んでいた時に、周りにアジア人が非常に多く、彼らとコミュニケーションをする中でアジアに強い興味を持っていました。シンガポールに留学していた際に、より東南アジアに興味をもちアジア人としてのアイデンティティーを強く感じ、実際に現地で働きたいと思うようになりました。

最初はシンガポールや香港、深圳でインターンしようと思っていましたが、VISAや費用の面で渡航が難しいと知り、東南アジアの中でもビジネスが発展しているタイで働こうと決めました。また組織を知るには、マネジメントに関する知識だけではなく、それを構成する人についても学ぶ必要があると考え、人材系の企業でインターンをすることにしました。

 

岡本氏:もともと海外インターンに行こうと思ったのは、アイセックで学生に海外インターンシップを斡旋しているのに自分が経験していたのには矛盾を感じていたので、最後に自分も経験して学生生活を終えようと思ったからです。かつもともとアジアはすごく好きで、アイセックの国際会議などに参加してアジアの人たちと似たアイデンティティを共有していると強く感じました。

また、今は10人規模の人事・組織コンサルティング会社でインターンをしているのですが、来年4月からは大手企業に入社するため、スタートアップでの仕事の進め方やビジネスの仕組みなどをスピード感を持って知りたいと思ったため、今の企業でインターンをすることにしました。

インターン先のスタッフと


― 
アイセックに属していると、運営主体こそが海外インターンを経験すべき、と痛感しますよね(笑) 私もそう思い去年、海外インターンに行きました。もっと運営に携わるだけでなく自らが海外に飛び込むべきだと個人的に思っています。

 

メコン川経済圏の中心地、バンコクで生のビジネス経験を積む醍醐味とは?

― 現在のインターン先での仕事内容を教えていただけますでしょうか。

岡本氏今のインターン先はAsian Identityという人事・組織コンサルティング事業をアジアを中心に展開している日本人が経営している企業です。2014年に設立されて、今は私を含め10人のコンサルタントが働いています。具体的には、タイの日系企業を中心に、組織の人事課題などを解決するコンサルティングやセミナーの実施などをしています。

私の主な仕事は、セールスサポート、コンサルティングプロジェクトのアシスタント、加えて社内勉強会の企画・開催などを行っています。クライアントに提案する際の資料作成などです。

Asian Identity CEO 中村勝裕氏のアセナビインタビュー記事。
第二弾もインタビュー予定です!

仁井氏:Adeccoという人材紹介会社で働いています。Adeccoはスイスに本部を置く総合人材サービス企業で、そのタイ支部がAdecco Thailandです。

私は、タイに拠点をもつ企業に対し、日本人転職者を紹介する人材紹介事業に関わっています。主に企業訪問をし、採用課題や求めている人材のヒアリングをして最適な人材を紹介できるようサポートをしています。

 

Adecco Thailandの仲間たちとの集合写真

― 私も去年バンコクで人材紹介のインターンをしていました!クライアントの本質的な課題をヒアリングするのは難易度高いですよね。仕事をしていて難しいと感じる点って何かありますか?

 仁井氏:クライアント(企業)との期待値の共通認識を合わせることが難しいと感じています。今、タイにおける日本人転職の市場自体はやや停滞気味と言われており、いくら求人のヒアリングがうまくいっても、その時に求められている人材を適切なタイミングで紹介できないと、クライアントの課題は解決できません。ですので現状を誠実に伝えながらクライアントとコミュニケーションを進めることが難しいと感じています。

 


岡本氏
:
私はタイ人とのコミュニケーションが非常に難しいと感じています。そもそも私たち日本人とタイ人はコミュニケーションの文脈・前提が違います。グローバルな視点で見れば日タイはハイコンテクストなコミュニケーションの文化と言われて、似ている部分はあると言われています。ただタイ人とコミュニケーションをする際はローコンテクスト文化である英語を使います。その場合、前提などが食い違うことが多く、自分が伝えたいと思っていたことが伝わっていないという状況が多々あります。共通認識を一緒に双方で埋めていくことが重要だと学んでいます。

 


※ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化について

文化人類学者のE・H・ホールの理論における文化の区分の一つで、コミュニケーションに際して共有されている体験や感覚、価値観などが多く、「以心伝心」で意思伝達が行われる傾向が強い文化のこと。一般的に、日本の文化は「空気を読む」ことや「状況を察する」ことが重視されることから、ハイコンテクスト文化であるといわれる。ハイコンテクスト文化に対して、言語による意思伝達に対する依存の強い文化をローコンテクスト文化と言う。

 

― 異文化環境では、ビジネスの前提などが違うので、日本以上にコミュニケーションを丁寧にやる必要がありますよね。一方でタイで仕事をする上での醍醐味や面白い点は何でしょうか?

仁井氏:仕事をしていて感じるのは、日本と比較して女性の社会進出が進んでいるのが興味深いですね。自分がみてきた企業のサンプル数が多くないので、一概には言えませんが、私の上司はタイ人女性ですし、社長も女性です。組織を構成するメンバーも女性の方が多いですね。タイの企業が全てそうだとは言いませんが、男性よりも女性が会社を引っ張っている印象があります。一方でタイ人男性が圧倒的に少ないのも気になりますが…

 

岡本氏:やはりASEANのダイナミックな変化をいち早く感じることができる点ではないでしょうか。地理的にも経済的にもASEANの中心的な役割を果たしているタイでは、ASEANという経済圏の変化の機微を日本にいるよりも圧倒的に鋭く感じることができると思います。私は大学在学中、ASEAN経済について学んでいたのですが、日々様々なASEANに関わる情報が飛び交う今のインターン環境はとても刺激的で面白いです。

 

― 仁井さんは、国内での長期インターンも経験されていますよね。国内と海外でのインターンを比較するからこそ見えてくる視点などはありますか?

仁井氏:仕事を通して現地の文化を体験することで、日本の”普通”が”特殊”であることに気付けましたね。 国内長期インターンと海外長期インターンを比べてみると、インターン生に求められる結果や仕事に対する姿勢は基本変わりませんし、自分で考えた成果物が、マーケットにいるお客様によって評価され、そのフィードバックを通して自分をブラッシュアップすることも可能です。

ただ、海外長期インターンを通して、日本での”普通”が、海外では”特殊”であるコトに気付かされることがあります。 例えば、部下を叱る上司って日本の職場では想像できそうなシーンだと思いますが、タイ人に同じことをすると会社を辞めてしまうことがよくあるので、日本人とタイ人ではマネジメント方法が異なってきます(笑)

これ以外にも、ビジネスマナーや仕事に対する価値観など、あらゆるところでパラダイムシフトが起こる要素が散らばっていて、今まで自分は色メガネで物事を見ていたんだなぁって思うようなことがあります。このことがきっかけで、当たり前を疑うように意識するようになりました。 社会人になりどっぷり日本の”普通”に浸かる前に、一度海外に出て違いに気付くことは重要だと思います。

 

異文化環境でしっかりとやり切る挑戦をしたい。

― 長期インターンにおける目標などはありますか?

岡本氏企業で長期インターンシップをするのは初めてなので、ビジネスがどう動いているのか、ビジネスが動く中で組織はどのように作用していくのかの全体像をつかみたいと思います。またインターン外の取り組みにはなりますが、今有志でタイ人学生のキャリア支援、コミュニティ創成を目的としてBloom Thailandというイベント企画をしています。この企画を通じて継続的にタイ、ひいてはASEANに貢献できるような仕組みなどを形に残したいと思います。

 

bloom ThailandのHP

仁井氏インターンの目標は、顧客にしっかりと価値を届けて喜んでもらうことです。現状、目に見える成果を生み出すことができていないのでしっかりと数字として成果を生み出したいと思います。


― ただインターンを経験するだけでなく「成果を残す」ことにフォーカスすることは大事ですね!ちなみに、今、海外でインターンをしようか悩んでいる学生の方に何かメッセージはありますか?

岡本氏:海外インターンに来る前は先入観があって、ハードルの高い選択肢と思いがちですが、来てみるとそんなことないです。振り返ってみると、むしろハードルは低いと思うし、来てみると休学してインターンしている学生も多いです。そして社会人になる前に、異文化環境で働けることは何より価値のある経験だと思います。


仁井氏
:とりあえず自分が面白い!と思えることに飛び込むことが良いと思います。私も長期的なキャリアプランなどはあまり考えず、好奇心に従って様々な機会に飛び込んできました。組織や団体行動を学ぶために陸上自衛隊に体験入隊したこともあります(笑) その分様々な人と出会えて、視野が広がったと思うので、いろいろ悩むより自分の興味ある分野や面白いことに飛びついてみるのがおすすめです。

そして今に集中をして、面白い経験を積み上げていくのが重要だと思います。

 

 

編集後記

いかがでしたでしょうか?

アセナビでは現地駐在員や起業家の方をインタビューすることが多いですが、今回は角度を変えて現地で奮闘するインターン生にフォーカスして取材をしました。
社会人になる前に、こういった異文化環境で、試行錯誤しながら仕事をする経験はとても貴重だと思います。
私も2回目の海外インターンですが、2回目だからこそ新たに見える視点や、こういったインターン生の友人と対話を重ねることで新たな視点や学びを得られることも嬉しいです。

また第二弾として次回もインターン生に取材をする予定ですので乞うご期待ください!

 

ABOUTこの記事をかいた人

清沢康平

同志社大学法学部法律学科4年。ASEANデビューは大学3年次にバックパックで訪れたベトナムとタイ。その際に迷い込んだゲイバーでマツコデラックスに似た化け物に恥部を触られ、2000THB(約6000円)を喪失。その直後から原因不明の腹痛に襲われ2日間ダウン。この時に、もう1度タイに戻り屈強な精神と肉体を手にいれるべくバンコクでインターンシップをすることを決意。 大学4年次を休学し、2016年3月25日から2016年12月末までバンコクのJAC Recruitment Thailandで10ヶ月間法人営業を経験。現在は再びバンコクに戻り、2017年9月末よりDonuts BangkokのHRチームにて採用、組織制度作りなどを担当中。2018年1月に帰国予定、来年4月からは某IT企業にて東京勤務。