2017.06.16

2017年3月29・30日に開催された、テック系スタートアップの祭典“Slush Tokyo 2017”(イベントレポート)。そこで出会ったスタートアップ界の豪傑5名へのインタビューを掲載するのが、本連載「アジアで活躍する欧米人の頭の中」です!

第3回は教育を通しての女性のエンパワーメントに力を入れているアリソン・バウム氏。スタートアップの企業とアメリカ、香港、そして日本でも働いている彼女は意外にも一緒に働く人々のバックグラウンドは気にしないそうです。ではどのようなことを彼女は大切にされているのでしょうか。

《プロフィール|アリソン・バウム氏》
アメリカのハーバード大学を卒業。グローバルシェイパーズ・コミュニティーのメンバーであり、Wedu Globalで東南アジアの女性起業家のメンターなどを務める。2015年にはthe Forbes Asiaの30歳以下でもっとも有望なファイナンスとベンチャーキャピタルのメンバーの30人のうちの1人に選出された。現在はFresco Capitalのマネージングパートナーである。

 

教育が全ての問題の解決策になる

ーまず始めに、Fresco Capitalでは投資の部分に関わっているそうですが、現在はどのような分野に中心的に投資していますか?

主にAIや教育テクノロジーに投資をしていますが、分野は特に絞ってはいません。しかし、投資先を選ぶ上で2つの基準があります。使命を持って動いているかと、グローバルビジネスに興味を持っているかです。どんな分野でも、その会社が大きいグローバルな問題を解決しようとしているかをみています。

 

ー教育テクノロジーに主に投資をされているとおっしゃいましたが、どうして投資をする際に教育に興味を持ったのですか?

たくさんの理由がありますが、1つに絞ると教育は全ての問題への唯一の解決策だと思うからです。人々は問題を解決するために、それを理解しようと学び続けます。今は教育変革が一番大事な時代にあると思っています。仕事はテクノロジーで大きく変わったので、教育も世界を変えるために変わらなければならない。教育は人類の成長のために必須であると思うんです。

(Kota Yoshida撮影)

 

日本人に必要なのは文化への柔軟性

ー日本人が外国のスタートアップで働くにはどのようなスキルが必要だと思われますか?

まず、外国で働く意欲を図る上で信頼のために英語が必要ですね。加えて、文化への柔軟性や、日本の外で経済や社会がどのように進んでいるかを理解することも大切だと思います。そのためには留学をしたり、日本で外資系の会社で働くことはとても良い経験になるのではないでしょうか。

 

ーそれらの中で、主に現代の日本人に欠けていることはなんだと思われますか?

色んなところへの挑戦などが欠けていると思います。例えば、スタートアップで働いたり、シリコンバレーに行ったり、アメリカで日本のスタートアップがピッチをしたりなど。そこでの交渉の仕方などは日本のものとは違うので、色々学べることがあると思います。私は日本人の尊重するところや、謙虚な姿勢が好きですが、もっとアグレッシブに、オープンになる必要があるとも思えます。

 

バックグラウンドよりも、大きな使命に打ち込んでいるか

ー仕事で様々なバックグラウンドを持つ人々と働くことが多いかと思われますが、そのような人たちと働く時どのようなことを気にされますか?

私たちは大きなミッションに突き動かされている人々を探しているので、バックグラウンドは重要ではありません。そのミッションに私たちが共感できるものがあれば、投資をし一緒に働いていきたいと感じます。

その人の文化的背景よりも、どのような目的を持っているかを気にしますね。バックグラウンドに関係なく、どんな人でもビジョンを持った人にはなれると思います。日本の文化はビジョンを見据える時にリスクを避けようとしてしまうのが自然であると思うこともありますが。

 

東南アジアにはチャンスがいっぱい

ー東南アジアや日本のパートナーと関わる中で、東南アジアと日本の違いについて、何か感じることはありますか?

経済発展の仕方が違うので、それが原因でいくつか違う点が挙げられますね。例えば、特に女性の視点からいうと、男女平等に関する制度など。また、日本は先進国であり、東南アジアは現在も発展途上国であるがゆえにお金の感覚やテクノロジーにおいても違いが見受けられます。日本ではそこまでお金がなくても安全な場所を手に入れるのは簡単ですよね。テクノロジーも日本ではどこでも繋がるけれど、東南アジアでは基本的なテクノロジーさえも届くか危うい地域もあります。それはチャレンジでもありますが、良い機会でもあります。

 

編集後記

私自身もアリソンさんのような外国人と共に働いてる人はどのような心持ちで彼らと働いているのか気になっていましたが、「バックグラウンドよりもどんな目的をもっているか」と強く言っていて中身重視の考え方にとても心を打たれました。