「ミャンマー人はみんなイイ人」は本当?! 135の民族が存在するミャンマーの“人”を覗く

ミャンマーで働く人に「ミャンマーの魅力は?」と聞くと、十中八九「優しい」「人が良い」という答えが返って来る。確かに仏教の国で、なんとなく通ずるものがあり、話しかければ笑顔が返ってくるため、その意見には容易に頷ける。

今回はそんなミャンマー人について、別の切り口から見ていきます。
確かに“旅”だけの短い関わりなら、「優しい」「人が良い」で終わらせられます。事実、僕達もたくさんの優しいミャンマー人に会ってきました。

では、「旅の一瞬の付き合い」ではなく、「ビジネスシーンでの長い付き合い」においてはどうなのでしょうか?

 

ミャンマーの歴史をちょっとだけ

ミャンマーには135の民族がいます。この中で圧倒的に人口が多いのがビルマ族。全人口の実に70%近くを占めています。
その他にも主要な少数民族として挙げられるものだけでも、カレン族、カチン族、モン族、チン族、シャン族・・・と、枚挙に暇がありません。

長きに渡り支配をしていたビルマ族ですが、そこにイギリスによる支配がやってきます。イギリスは、それまでミャンマーを支配していたビルマ族を抑圧し、その他の少数民族を優遇したそうです。例えば、重要なポストには少数民族を登用するなどした上、英語教育も施しました。

イギリスの統治を終え、独立したミャンマー。イギリスが作り上げた統治体制はまたひっくり返されます。それまで抑圧されてきたビルマ族は、もう一度ビルマ族中心の国を創りました。

 

マネジメントが難しいと言われるビルマ族。

そういった経緯もあってか、ビルマ族はプライドが高く、ビジネスシーンにおいてはマネジメントに困ると述べる経営者の意見が多数ありました。
マネージャー層の日本人は、「ミャンマー人をマネジメントする時は怒ってはいけない」と口を揃えます。その根本原因が「親に怒られたことがない」という教育の現状にあるのか、それとも元来の気質にあるのかは定かではありません。

政府機関に在籍しているのは、ほとんどがビルマ族。
一方で面白いのは、「ビルマ族の経営者を見たことがない(国営企業を除く)」というほど、ビジネスの世界では少数民族の経営者が目立っているようです。

ビルマ族の経営者は目先の金銭しか見れない傾向があるそうで、長い視点でビジネスをやっていこうとする日本人にとって難しい面もあるようです。よく言えば「金の匂いには敏感」。驚くことに、ウォール街で金融関係の仕事に従事するビルマ族は少なくないみたいです。

ミャンマー_ビジネス_ミャンマー人( トレーダーズホテルの従業員のおじちゃん。この人はマジでいい人でした。)


結局ミャンマー人ってどんな人たちなのよ?!

これは当然のことなのですが、「日本人はこう」「ミャンマー人はこう」と大きなくくりで人を判断をすることはできません(笑)まして130を超える民族がいるミャンマーであればなおさらで、一色単に「ミャンマー人は“皆”優しい」としてしまうのは安易かもしれません。

ここで述べたいのは、「ミャンマー人はプライドが高い!」という極論ではなく、固定観念を捨てて、一人一人を見てみましょうという“スタンス”です。

「中国人はみんな反日」とか、「フィリピンは治安が悪いからみんな悪い人」というような極端な固定観念をなんとなく持っている人も少なくないと思います。ミャンマーの場合はポジティブな固定観念があるようですが、たまたま「悪い人」に出会った時のためにも、柔軟な思考を持っておくことが必要かもしれません。

大切なのは、「ミャンマー人だからこう」というくくりを捨てて、過度な期待を持たずに一個人として相手を見ることなんでしょうね。

 

《編集:リョウ》




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アセナビ編集部

「ASEANで働くを近くする」を理念に掲げ、ASEANで働いている日本人のインタビュー記事を発信しています!他にも、ASEANのカルチャーやトラベル情報も発信し、ASEANに行ってみたいと思ってもらえるように日々奮闘中です。ほぼ学生で運営しています。