「海外インターンは今の自分と将来の自分を繋げる場所」 カンボジアで担当店舗の取引金額を16倍増に! 山田直弥さん

2016.09.05

タイモブシリーズ第二弾!読者の皆さんにとって、この記事が読者の皆さんのASEANに飛び出すきっかけとなれば幸いです!

カンボジアで9ヶ月間に及ぶインターンをされた山田さんにインタビューをさせていただいた。アメリカの短期留学で経験した挫折から見出した自分自身のアイデンティティ。そして、そのアイデンティティを活かすことができるのがASEANであることに気づいた。山田さんの将来の仕事にも繋がることになるカンボジアでのインターンについてお話ししていただいた。

≪プロフィール|山田直弥さん

法政大学国際文化学部4年。愛知県出身。小学校6年から中学校卒業まで、タイ・バンコクにある日本人学校に通い、刺激ある環境下での経験より海外に目を向け始める。そこでの出会いと経験が大学時代により深みを持ち始めた。2015年、カンボジアの日本食卸売企業での、ルート営業・新規開拓営業・レストランのマネジメントを通して、社会の厳しさと楽しさ、そして現地での出会いで「人」を学んだ。

第一弾はこちら→ 「海外インターンは、キャズムを超えるチャンス」 タイで8ヶ月間のインターンを経験し 名古屋でスタートアップを盛り上げる若目田大貴さん

 

ボストンで出会った超エリート大学生

-私も海外インターンをしたいと思っていたのですが、これというきっかけを見つけることができないまま月日が過ぎてしまいました。山田さんがインターンに至った経緯は何ですか?

ビジネス英語を身につけるためにアメリカのボストンに3ヶ月半短期留学したことがあります。帰国前に総括の形で大勢の前でアメリカの国際問題についてプレゼンで発表する機会がありました。その体験は将来、英語をビジネスで使うことにつながっていくんじゃないかと思って準備を入念したのですが、全然うまくいきませんでした。

やっぱり実践的な英語は実践で学ばないと身につかないと思ったんです。それで大学を休学して東南アジアで何かしようと思った時に、留学ではなく海外インターンシップのほうが実践的かなと思ったのがきっかけですね。

 

-そこはアメリカでインターンしようとはならなかったのでしょうか?

それも考えました。でもアメリカで超エリートの子に会ったんです。早稲田の学生で、国連に顔を出したりサミットに参加したりと、自分とはかけ離れた存在に感じました。その上、性格も良くスポーツもできるので、自分が小さく見えてしまい、「自分ってなんなんだろう」って悩んでしまいました。でも、それがきっかけで自分のアイデンティティを見つめなおすことができました。

私は、小学校6年生から中学校卒業までの4年間をタイで過ごしていました。大学時代にも旅行するほど好きでした。人生を振り返る中で、東南アジアは自分の思春期を過ごした場所だからこそ、自分の中で譲れないものになっていたことに気がついたんです。だから、そのエリートの人にはない東南アジアでの経験やスキルを磨こうと思い東南アジアに絞りました。

そうはいってもASEANは国ごとに政治経済、文化も全然違いますし、隣の国なのに発展度合が全然違うっていうことがあります。そこで、タイに接しており、東南アジアの中では行ったことがなかったカンボジアを選びました。

あとは、父親が商社で働いていてタイのインフラに携わっていることに影響を受け、自分も将来、物流や商社の仕事をして海外の発展に寄与したいと考えたんです。インターンを探している時にアジトラのHPが1番わかりやすかったので、同社で募集しているプノンペンの日本食の卸売業者に決めました。

 

取引金額を16倍へ!

-そのような背景があったんですね!カンボジアではどのような業務をしていたのでしょうか。

日本やベトナム、タイ、シンガポールの会社からお酒や食料を仕入れて、各地に流し、それを配達したり営業したりしていました。よく例えられるのがサザエさんの三河屋さんですね。あれをレストランにお届けする形です。

主な業務は、ルート営業でした。配達を兼ねて既存のお客さんの店へ行き営業をかけるというものです。契約をすでに結んでいる既存のお店もそうですし、自由な環境だったので「帰り道にどこか面白いところあったら飛び込んできていいよ」と言われていました。なので、新規開拓として営業の帰り道にお米売れそうだなと思った店には自分の名刺を渡しに行く挑戦もしました。

その結果、大手食品メーカーとの共同プロジェクトでは現地営業代行として野菜ジュースの販売契約を22件取ることができました。

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(卸の小売店での一枚、写真右が山田氏)

—他にも山田さんが数値的に改善した案件はありますか。

ルート営業で自分が担当したお寿司屋さんとの取引金額を16倍に引き上げました。もともとカンボジアで一番大きなお寿司屋さんだったにも関わらず、日本食のディストリビューターがあまり営業をかけていませんでした。インターン先の会社とも以前から取引があったのですが、営業に行く回数が減り取引金額も月に50ドルぐらいに減っていたんです。なぜこんなに大きなお客さんを相手しないんだろうって思って社内で共有したところ、社長が「じゃあ、この案件やっちゃいなよ」って言ってくださいました。その後、3ヶ月くらいで取引金額を800ドルまでもっていきました。

 

—16倍ですか !?売り上げを16倍にするために意識したことや工夫したことを教えていただきたいです。

まず仲良くならないと何も始まらないので、アポを取ってお昼前に営業に行きました。それだけは仲良くなれないので、営業が終わった後にご飯を食べたり、「また来ます!」と言って週1回は絶対顔を合わせたりしていました。あとは、相手がベトナム人であれば、ベトナム語を少し勉強して話しかけて親しみを持ってもらう工夫もし、少しずつ関係性をつくっていきました。

お客さんを知らないと売れないですし、いらないものを売りに行っても売れないので、お客さんの欲しいものをきちんとヒヤリングした上で売るというやり方をしていました。過去のデータをすべてグラフにして、すべての商材について話し合いました。例えば、取引量が減ったり取引をしていただけなくなったりした理由を聞くと「安い物が手に入った」とか「商品の規格が合わない」とかがわかって。そういった理由がわかった段階でインターン先にあるかどうか確認するようにしていました。「こういうサイズがいい」とか「もっと安いのがいい」「こういう色合いのがいい」というのを聞き、その情報をもとに提案営業を続けました。

つまりは、自分の会社のこともしっかり把握することも大切ですね。

 

ヒューマンリソースマネジメントの壁

 

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(野菜ジュースのテイスティングと効能のレクチャーをスタッフに行う様子)

—インターン9ヶ月のなかで、うまくいかなかったことはありましたか?

ルート営業とは別で、大手食品メーカーとのプロジェクトでフードコートの一角に洋食レストランを立ち上げ、経営する仕事がありました。一番難しかったことはヒューマンマネジメントでした。働いてから数か月で辞めたいと言う現地スタッフ、すぐ給料上げてほしいと言うスタッフ、何も報告なしで遅刻、仕事中なのにおしゃべりしてしまうスタッフなど沢山いました。

特に人件費には厳しくしないと赤字事業になってしまうので、すぐには給料を上げることができなかったんですが、そうすると、どんどん人が辞めていきました。人がいなくなると困るので、今度は給料を少し上げてみるとキリがなくなってしまって本当に苦労しました。本当に人がいないってなった時には夜にバイト求人のビラを街中に配りにいきました。

こんな感じで人の管理が一番難しかったです。従業員側の気持ちも少しはわかるんですけどね。人件費はカンボジアではまだまだ高くないですし。カンボジアのレストランで働いている子とかは週6で朝から夕方まで働いても月100ドルちょっとですし。

 

ーそういったヒューマンマネジメントで苦労を感じたことで工夫し改善したことはありましたか?

一つだけありました。それは、従業員の将来の夢に今の業務がどのように繋がるのかをイメージしてもらうことです。

ぼくも最初から現場に入っていたので現場の辛さや、そこで得られるスキルがどのようなものかわかってきたんです。現場に入って思ったことは、一度しかない人生、フードコートでの接客の仕事だけをして終わるわけではないということです。だけど、いつか辞めることがわかったからこそ、何かここにきてよかったなと思ってもらえるようなことを残したいと思うようになりました。

「給料が低いから辞める」と言った時に、「じゃあ給料を上げます」とか「もっと責任のある仕事をしてくれたら給料を上げます」ではなくて、彼らの将来について聞くんです。将来何がしたいのか、それがわかれば今何をやるべきかわかるんです。

例えば、人前だとシャイで「いらっしゃいませ」と言うのが苦手な女性従業員が辞めたいと言うので、彼女に夢を聞くと「ウェディング関係の仕事がやりたい」って言ったんです。続けて、「次の仕事先はどこに行くの」って聞くと、「工場」って言ったんです。その時に工場で働くことが彼女の将来につながるのかなって思ったので、「ウェディングの仕事は人と関わる仕事だから、工場よりこっちでやったほうが将来につながるよね。本当に接客の技術が身についたら辞めた方がいいと思うんだけど、どう?」って伝えました。私も日本人なので、素晴らしいと言われている日本の接客を知っている範囲で彼女に全部教えて、より将来に繋げることを提案したら、その後もスキル磨くために何ヵ月か続けてくれました。そこから少しずつサービスについて、立つ時の姿勢やお客さんと話す時の笑顔、声の大きさなどを教えました。

こんな感じで辞めたい人に対しては将来やりたいことにつながることをうちの仕事を通じて実現するみたいなことを意識してもらいました。

 

人々を幸せにするインフラを創る

interview1-素晴らしい取り組みですね!では、そういった業務を通して今の自分に活きているスキルはありますか。

2つあります。

1つ目は、とりあえずやってみる力。大手食品メーカーの野菜ジュースを販売した時は値段がネックでした。日本のものは値段が高いです。その野菜ジュースは720mlだと4ドルくらいして、現地では高級商品となるので、売りたいという熱い想いがあっても、現地の人には安いフルーツジュースを買われてしまう。この状況下ではお客さんのためになると思ったことを全部やってみないと商品を置いてもらえない。例えば、お客さん向けにはどのようないい効果が体にあるのか具体的に示したものをパンフレットにまとめて商品の横においてもらうと、お客さんはどういう商品かすぐわかるようになり関心を示してくれる。あとは、お客さんに商品の魅力を聞かれた時に、取引先のスタッフがしっかり受け答えできるようスタッフ全員に実際試飲してもらったり、レクチャーをしたりとか思いついたことを実行した。そういうことをやり続けていたら取引をしてくれるお店も増えてきた。

2つ目は、どんな場所でも生きていける力。どんな環境下でも生きていける生命力を培えたことですね。カンボジアではコンクリートで囲まれた窓なしの30度くらいある部屋で暮らしていました。その部屋は狭く、ベッドとクローゼットだけの部屋でしたし、シャワーに関しても水を浴びる程度の生活をしていたら、「あれ?どこでも住めるじゃん」ってなりました(笑)。ボストンに短期留学していた時も暖房が無くて-4℃の中、ダウンジャケットを着て寝ていました。そういった経験のおかげで、過酷な環境下で生きていくことができるようになりました。

 

—山田さんは将来、仕事を通じてどのようなことをしたいですか?

東南アジアで橋とか商業施設をつくりたいです。幸運にも、来年の4月からは海外展開を強めている鉄鋼商社で働くことになりました。開発プロジェクトでは海外のインフラ造りに携わることができます。そこに入り、自分が手掛けるインフラを造ることが一つの目標ですね。食品じゃないんかいって(笑)

なんでインフラとかがやりたいかというと、もともと建材をやりたかったんです。タイに行っていたのが2004年から2009年だったんですけど、2012年に再び行ったら、街の景色がガラッと変わっていることに驚きました。3年経ってこんなに大きな建物ができたりこんなに街の雰囲気が変わるのかって、その感動が今の原動力になりました。

カンボジアでも日本のODAで作られた日本橋っていうのがありますが、カンボジアのコンビニの前に立ってたら全く知らない現地の人が声をかけてきて、「あなた日本人だよね?橋作ってくれてありがとう。俺らの生活がすごく良くなったよ」って言われたんです。作ったのは自分じゃないのに日本人っていうだけで感謝されるなんて、すごく嬉しかったし面白かったから、こういうのもいいなって。人々を幸せにするインフラを創りたい想いがあります。

 

将来の自分と向き合う経験

-山田さんにとって海外インターンとはなんですか。

自分の中での海外インターン行って良かったことは、出会う人達が面白い上に海外の良さが学べるし、社会の厳しさが学べたことです。ビジネスをしている方と出会うので、留学で出会う人よりも断然面白いと思いますね。

あとは、自分の”いま”と将来の”いま”がリンクしていると思います。留学は英語力伸ばすという目的があると思うけど、どこか将来っていうよりは今を楽しむようなイメージもあって。でも、インターンは、将来の自分と向き合いながら日々業務に取り組みますし、社会に触れながら、沢山の経験ができるので、目標も見つかりやすいです。

 

—留学とインターンの違いを強く感じる部分ってありましたか?

自分はどちらも経験したんですが、インターンは関わる人が社会人だけど自分は学生。だから自由なんです。失敗しても許されるから色々なことに挑戦できます。

関わるのが社会だから上手く行った時に、その社会に対して自分が影響を及ぼしたものがモチベーションにもなる。何をどれだけ売ったとか、インターンを始めて間もないのにレストランで人事マネジメントやったとか。

あと、数年後にカンボジアに行った時に、この立ち上げは自分でやったとか、売上最高記録を自分で作ったとか。もともとカンボジアに存在しなかったのに自分の新規開拓の結果、何店舗かうちの商品が置いてある。それを見た時に自分でやったことを実感できるし。それを考えた時、留学よりも面白い形として将来繋がると思いました。エゴイズムだけど、そういったものも含めて面白い。

 

—最後に海外インターンをしようとしている読者に向けてメッセージをお願いします!

とりあえず行っちゃえばって言いたいですね。海外インターンに限らず、いろいろな人に出会ってみるべきだと思います。出会いや面白い人のとの対話が自分を確立する方法だと思っています。そういった面白い人と気軽に出会えるのが海外だと思うし、その人たちとの隔たりはないです。海外だと会社も大学もブランドもネームバリューないです。カンボジアだったら日本で100年もの歴史がある大手食品メーカーも「何それ?」みたいな反応で、一切通用しなかったですし。そういった意味では、自分のリミッターもなく、結局実力次第なので海外インターンとして社会に挑戦することは非常にやりがいがあります。何事もまずは「第一歩」。

 

取材後記

私は将来、国内外においてヒューマンリソースを扱う仕事をする。今回、山田さんがカンボジアでおこなった業務の中でいかに従業員と向き合ったのかを伺うことができ、大変勉強になった。今回の取材で得た知識も取り入れながら今後も色々なことに挑戦していきたい。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

井上良太

中央大学商学部経営学科卒業。大学2年の夏にカンボジアに訪れたことがきっかけでASEANや教育、国際協力に興味を抱くようになる。
3、4年次のゼミでは社会問題を事業で解決している社会的企業を専攻し、インドネシアの社会的企業とのネットワークを広げていた。
現在は株式会社パソナの社員として雇用を通じた社会貢献の方法を勉強中。
将来は国内外で社会的企業のプラットフォーム作りに関わりたいと考えている。