危機感に基づく国家戦略が生んだ最強国家!シンガポールの"No.1"をひたすら集めてみた。

 2016.07.17

あなたはシンガポールに行ったことがありますか?

ある人もない人も共通して、日本人が持つシンガポールのイメージは経済的に豊かな多民族国家だというものではないでしょうか?

しかし、1965年8月9日にマレーシアから追放されたばかりシンガポールは、土地もない、食料もない、技術もない、水もない、人口もない、軍事力もない、国民の団結感もない!とにかく何もない!という絶望的な状況でした。

ところが、それからたった50年でこれから紹介する輝かしい業績を築き上げたのがシンガポールです。

つまり、シンガポールは世界史上、最も偉大な発展を遂げた奇跡の国だと言っても過言ではないでしょう。

今回はシンガポールの世界トップレベルの強みをひたすら紹介していきます!

ただし、「ローマは一日にして成らず」と言うように、「シンガポールも一日にして成らず」です。過去には血の滲むようなシンガポールの努力があったから今の華やかさがあるのです。その努力ついてはまた後日紹介しますのでお楽しみに!

目次

人口密度の高い国ランキング世界第1位!

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Photo from TODAY

シンガポールは東京23区、淡路島くらいの小さな国で、世界地図ではただの点ですが、世界中からヒト・モノ・カネ・情報が集まってきています。それこそがシンガポールの強みではあるのですが、増え続ける外国人に国内インフラの整備が追いつかず、不動産価格の高騰や交通機関の混雑が問題になりました。

ビジネス環境ランキング世界第1位!

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 Photo from COMPANY REGISTRATION SG

世界銀行が毎年発表する Doing Business 2016ではシンガポールが世界第1位を独占し続けています。ライバルの香港は世界第5位、マレーシアは世界第18位です。日本は残念ながら世界第34位です・・・

空港ランキング世界第1位!

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Photo from tripadviser

SKYTRAX社が毎年発表するRating of the World's Top 100 Airports from the customer nominated 2016 World Airport Awardsでもシンガポールのチャンギ国際空港が4年連続1位と圧倒しています。4位に羽田空港、5位に香港国際空港がランクインしています。

アジアのハブ空港として圧倒的存在感を誇るチャンギ空港には、映画館、プール、シャワールーム、バー、植物園まであるのです!なんと言っても空港から市内中心部へタクシーやMRTで20分前後で着くのもいいですね。

エアライン満足度ランキング世界第1位!

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Photo from AVIATION GEEK

リクルートが運営するAB-ROADによるエアライン総合満足度ランキング2016ではシンガポール航空が5年連続世界第1位となりました。この結果はかなり日本視点ですが、世界から見てもシンガポール航空の評価は圧倒的です。

イギリスのSKYTRAXによるThe Top 10 Airlines of 2015では、シンガポール航空がエミレーツ航空、カタール航空に次いで世界第3位だと評価されました。

ICT活用度ランキング世界第1位!

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Photo from OPENGOV

世界経済フォーラム(WEF)が発表したThe Global Information Technology Report 2015でもシンガポールが世界第1位を飾りました。日本は世界第10位でした。これはICT活用のための政策や制度が評価されており、ICTの利用状況・インフラ整備・経済的影響などの項目で調査されています。

シンガポールは国際経済の状況の変化に応じて基幹産業を、労働集約型産業→資本集約型産業→金融サービス産業→知識集約型産業とシフトさせてきました。とりわけITには21世紀の成長戦略としてかなり注力しています。

生活費ランキング世界第1位!(*_*)

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Photo from CapitaLand

イギリスの調査機関であるThe EconomistはWorldwide Cost of Living 2016においてシンガポールが3年連続で世界一生活費が高い都市だと発表しました。

世界第3位は香港で、東京は世界第11位でした。ただ、生活費が高いのは紛れもないのですが、一言に高いと言っても、 “The survey itself is a purpose-built internet tool designed to help human resources and finance managers calculate cost-of-living allowances and build compensation packages for expatriates and business travellers.”とあるように、実際の庶民的な生活費とは乖離しているかもしれません。

さらにこれは各国の生活費を米ドルに換算して、ニューヨークの生活費を100とした指数でランク付けしているので為替相場の影響もあることも考慮しなければなりません。この結果に対してシンガポール政府はIS SINGAPORE THE MOST EXPENSIVE CITY TO LIVE IN?という記事で反論しています。

どちらにしても、とにかくシンガポールはお金がかかります。お金持ちにとっては天国ですが、貧乏人には厳しい国ですね・・・

貿易のしやすさランキング世界第1位!

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Photo from TRADING AND INVESTMENT NEWS

世界経済フォーラム(WEF)のThe Global Enabling Trade Report 2014においてシンガポールは世界で最も貿易がしやすい国に選ばれました。香港は世界第2位、日本は世界第13位です。シンガポールは国の原点が貿易だと言っても過言ではないですから、当然の結果という感じですね。

このことに関連して、日本経済新聞社の太田泰彦氏も地政学的重要性を語っていらっしゃいます。

寝不足な国ランキング世界第1位!(*_*)

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Photo from 海外反応!I LOVE JAPAN

アメリカのミシガン大学が、100か国の平均睡眠時間を調査した結果をA global quantification of “normal” sleep schedules using smartphone dataで発表したところ、シンガポールと日本が一番短いことが分かりました。シンガポールと日本は世界トップクラスの経済水準を誇っていますが、それは日々社会での競争のために睡眠時間を削ってきたおかげなのかもしれませんね。

惜しい!国際競争力ランキング世界第2位!(アジア第1位)

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Photo from COACH

世界経済フォーラム(WEF)が発表したCompetitiveness Rankings 2015-2016ではスイスが世界第1位で、続いてシンガポールが世界第2位(アジア第1位)となりました。日本は世界第6位、香港は世界第7位でした。

惜しい!経済の自由度ランキング世界第2位!(アジア第2位)

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Photo from PARTTIMEJOBS.SG 

2016 Index of Economic Freedomでは香港が世界第1位、シンガポールが世界第2位、日本は世界第22位と、香港とシンガポールが激しい争いを繰り広げました。

惜しい!安全な都市ランキング世界第2位!(アジア第2位)

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Photo from WHERE TO GO

イギリスのThe Economistが発表したTHE SAFE CITIES INDEX 2015では、世界第1位が東京、続いて世界第2位がシンガポール、世界第3位が大阪、世界第11位が香港となり、日本の治安の良さが圧倒的でした。

ちなみに、日本の森記念財団都市戦略研究所が毎年発表している「世界の都市総合力ランキング」(Global Power City Index, GPCI 2015)でも上からロンドン、ニューヨーク、パリ、東京、シンガポール、ソウル、香港の順になり、東京がアジア第1位を守りました。

惜しい!世界金融センターランキング世界第3位!(アジア第1位)

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Photo from jobable blog

Z/Yen GroupによるGlobal Financial Centres Index 19 (2016)では、世界1位のロンドンに続き、ニューヨーク、シンガポール、香港、東京の順となりました。長年1,2,3位はロンドン、ニューヨーク、香港というのが定番だったたのですが、今年ついにシンガポールが香港を追い越したのが特筆すべき点です。アジアの国際金融センターの座をシンガポール、香港が激しく争っている中、東京のプレゼンス低下が懸念されます。

惜しい!1日当たり外国為替取引額世界第3位!(アジア第1位)

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Photo from Sir Forex

国際決済銀行(BIS)はTriennial Central Bank Survey Foreign exchange turnover in April 2013: preliminary global resultsを公表しました。ここではロンドンとニューヨークの2大勢力が圧倒的ですが、アジアはシンガポール、東京、香港がアジアNo.1の金融センターを争って火花を散らしています。

順位  世界シェア
1 イギリス 40.9%
2 アメリカ 18.9%
3 シンガポール 5.7%
4 日本 5.6%
5 香港 4.1%

 

 

 

一人当たりGDPランキングアジア第1位!

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出典|世界銀行 "World Development Indicators"より筆者作成

上のグラフは、シンガポールの一人当たりGDPの推移と各国の2015年における一人当たりGDPを示しています。1965年8月9日の独立以降、奇跡的な成長を遂げたシンガポールはアジアではダントツの豊かさを誇っています。

このグラフからは、今のカンボジアが1960年頃のシンガポールだということがわかります。それは同時に、シンガポールや日本は成熟しきっていますが、CLMV後発国にまだまだ伸びしろがあるということです。

イノベーションランキングアジア第1位!

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Photo from AGA

Global Innovation Index rankings 2015でシンガポールはアジア第1位(世界第7位)、香港がアジア第2位(世界第11位)、韓国がアジア第3位(世界第14位)、日本がアジア第4位(世界第19位)となりました。世界1位はスイスと安定ですね。

TOEFL iBTランキングアジア第1位!

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Photo from ETS "Test and Score Data Summary for TOEFL iBT®Tests"

シンガポールは英語が公用語なので、当然の結果だと思う方もいるかもしれませんが、シンガポール人は小学校から英語+各自の民族語(華人は華語、マレー系はマレー語、インド系は主にタミル語)を習得することが義務付けられています。

経済規模が大きなアメリカとは違って、生まれてからずっと英語を話していれば良いというわけではありません。マレーシアから分離独立をしたシンガポールは香港の経済誌に「未来のない都市国家」と揶揄されるほどの厳しい環境にありました。しかしシンガポール人は小国が生き残るには無理やりでも英語+民族語を習得しなければ、外資の誘致ができないという危機感があったので、必死に英語を勉強したのです。

一方で日本のスコアはかなりひどい結果ですね。日本もシンガポールのように危機感を持って英語を学べはいいのかもしれません。

少し話は脱線しますが、「危機感」に関連して、小さな島国であるシンガポールはいざ攻撃を受けた場合に備えて強い国軍が必要だとして軍事力強化にかなり注力しています。下のグラフからは、観光で見るシンガポールとは少し違った顔が見えますね。

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出典|STOCKHOLM INTERNATIONAL PEACE RESEARCH INSTITUTE "Military Expenditure Database"より筆者作成

世界大学ランキングアジア第1位!

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Photo from NUS

QS University Rankings: Asia 2016THE Asia University Rankings 2016においてシンガポール国立大学(National University of Singapore:NUS)がアジア第1位に輝きました。一方東京大学はQSでは13位、THEでは7位と大差をつけられています。

関連記事:アジア大学ランキングでシンガポール国立大学(NUS)が1位に。東大は首位転落。【6月のASEANニュース】

物流のサプライチェーン評価ランキングアジア第1位!

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Photo from KWIK Services

世界銀行が発表したConnecting to Compete 2016 Trade Logistics in the Global Economy The Logistics Performance Index and Its Indicatorsによれば、シンガポールはアジアで最も物流サプライチェーンが優れていると評価されました。世界全体で見ればシンガポールは世界第5位、香港が世界第9位、日本が世界第12位でした。

汚職のないクーリンな国ランキングアジア第1位!

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Photo from Armstrong Economics

トランスペアレンシー・インターナショナルはCorruption Perceptions Index 2015において、シンガポールがアジアで最も汚職のない国だと発表しました。シンガポールが世界第8位、日本と香港が世界18位でした。

シンガポールは官僚の給料をかなり高くして、賄賂や汚職をしなくてもよいクリーンな環境を整え、外資を誘致してきたので、それが功を奏したと言えるでしょう。

知的財産保護に優れた国ランキングアジア第1位!

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Photo from Or Hof

世界経済フォーラム(WEF)が発表したGlobal Competitiveness Index (GCI)のIntellectual property protection部門でシンガポールはアジア第1位(世界第4位)、日本は世界第6位、香港は世界第9位にランクインしました。

幸福度ランキングアジア第1位!(世界最下位!?)

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Photo from HARVARD gazette

Sustainable Development Solutions NetworkはWorld Happiness Report 2016において、シンガポールがアジアの中でも最も幸福度の高い国だと発表しました。世界全体では、シンガポールは22位で、1位はデンマークでした。日本は世界第53位、香港は第75位と微妙な結果ですね。

これは一人当たりGDP、社会保障、平均寿命、選択の自由、寛大さ、汚職などの項目から算出したものですし、「幸福」の定義も人それぞれなのでなんとも言えませんが、このランキングではシンガポールは経済的豊かさでかなり点数を稼いだようです。一方で、こんなニュースもありました。個人的には、こちらの結果の方がしっくりきますけどね(笑)

シンガポールの国民1人当たりの国内総生産(GDP)は、2007年に日本、11年に米国をそれぞれ追い抜き、13年には独立時に比べ100倍以上の約5万5千ドルに膨らんだ。一方、米調査会社ギャラップが12年に発表した日常生活の「幸福度」調査で、シンガポールは、148カ国中、最下位だった。激しい競争社会や、政治的な息苦しさが指摘される。

出典|シンガポール「幸福度」世界最下位 アジアで最も豊かなはずが 建国50年、「能力主義」行き詰まる 2015/08/08 (産経ニュース)

駐在員にとっての生活環境ランキングアジア第1位!

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Photo from ITトレンド

MERCERの2016 QUALITY OF LIVING RANKINGSによると、多国籍企業が従業員の国際人事異動を考慮する際に最適な都市として、アジアの中でシンガポールが1番となりました。

世界最強のパスポートランキングアジア第1位!

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Photo from THE STRAITS TIMES

突然ですが、あなたはパスポートを持っていますか?持っていないということはかなり損していますよ!ヘンリーパートナーズが毎年発表するVisa Restrictions Index 2016 によれば、日本とシンガポールのパスポート保有者は世界173カ国にめんどうなビザ手続きなしで入国できるのですよ!その数はなんと世界第5位でアジアでは第1位なのです。

世界第1位はドイツの177カ国でした。ビザなしで入国できる国が多いということは、その国の信用度が高いとも言えます。そんなほぼ無敵のパスポートを使って海外に行かないなんて・・・もったいない!ちなみに2015年の外務省の「旅券統計」によれば、パスポートを持っている日本人の割合はたったの約25%と、イギリスの約60%、カナダの約70%に比べるとかなり低いのです。

最近はこんな取り組みもあるので、ぜひパスポートをゲットして海外へ出ていきましょう!

参照|若者よ海外へ=パスポート取得に1万円―成田空港

2013年に生まれるならこの国ランキングアジア第1位!

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Photo from Belta Cafe

The Economistは2013年に生まれるならどの国が最高かを決めるThe Where-to-be-born, Index 2013を発表しました。ここでも世界1位はスイスですが、シンガポールはアジア1位(世界7位)、香港はアジア2位(世界10位)、日本はアジア5位(世界25位)でした。

ちなみにこれはかつてのWhere to be born in 1988の現代版としてThe Economistが発表したものですが、1988年番ではシンガポールは世界38位、日本は世界6位、香港は世界7位で、シンガポールの38位から7位への躍進ぶりと日本の没落ぶりが目立ちますね。

「最高のバー」ランキングアジア第1位!

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Photo from LIFESTYLE

ASIA'S 50 BEST BARS 2016でシンガポールの28 HONGKONG STREETがアジアNo.1に選ばれました。3位には東京のHIGH FIVEがランクインしました。一体どんなバーなのか、潜入してきます!

シンガポールのライバルはスイス、香港、東京!?

これでもか!というくらいありったけのランキングを紹介しましたが、どうやらシンガポールのライバルはスイス、香港といったとろでしょうか。どれも小さいのに独特の強みを持つ特徴的な国ですね。東京も負けてはいられませんね。

こんな不思議で強烈なシンガポールをぜひ訪れてみて、これらのランキングが正しいか検証してみてください♬

参考文献