なぜ、今”アジア”なのか!?|日本経済新聞社主催、第22回国際交流会議「アジアの未来」取材レポート【2日目】

2016.06.15

日本経済新聞社主催の第22回国際交流会議「アジアの未来」取材レポートも2日目に突入です!1日目の目玉はゴー・チョク・トンシンガポール元首相でしたが、2日目はマハティール・ビン・モハマドマレーシア元首相です!

1日目の様子はこちら!

ソムキット・チャトゥシピタク タイ副首相による特別講演


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概要

少子高齢化や2014年の軍事クーデター、中国への輸出減少などからタイ経済に懸念はある。その状況を打破するために、生産性向上のための技術革新で経済格差をなくすことと、大規模なインフラ整備で競争力を強化させるとの意気込みを語りました。同時に、AEC発足をコテに、どこかの国を置き去りにすることなく協力的関係を築くことの重要性を強調しました。

感想

タイの都心と地方の経済格差はかなりひどいです。そこに少子高齢化がのしかかってくると、深刻な状態になってしまうでしょう。技術革新が必要なのは皆わかっているので、もっと具体的なアクションプランが聞きたかったですね。世界銀行のジニ係数からも、マレーシア、フィリピン、中国、タイの経済格差が顕著になっています・・・

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出典|世界銀行HP “GINI index “より筆者作成

パネル討論「アジアのインフラ整備―商機と課題」

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左から藤井彰夫氏(日本経済新聞社 編集局総務 兼 グローバル編集本部長)スン・チャントル氏(カンボジアの公共事業・運輸相)、サラト・アムヌガマ氏(スリランカの特別プロジェクト相)、スリン・ピッスワン氏(ASEAN前事務局長)、渡辺博史氏(国際協力銀行総裁)、野田由美子氏(PwCアドバイザリーパートナー インフラ・PPP部門統括)

概要

インフラ整備のための資金を必要としているスリランカとカンボジア側からは資金融資の意思決定が遅いと指摘があった一方で、資金を提供する側の渡辺JBIC総裁はそれを受け止めたうえで、長期的視点でのインフラ整備を進めるべきだという述べました。ASEAN前事務局長のスリン・ピッスワン氏は、スピードではなく、安全面などとのバランスの重要性を強調しました。

感想

資金の借り手と貸し手での認識の違いが浮き彫りになっていました。正直議論は平行線を辿っていましたが、これはかなり難しいですね。

豆知識

ここでのポイントは2つあります。

1.インフラ開発の受注合戦勃発

アジアの田舎に行ったことがある方には説明不要でしょうが、アジアのインフラはまだまだ未成熟です。それは同時に、それだけのインフラ需要、つまりチャンスがあるということです。実際にアジア開発銀行の試算によると、2010~20年の間で必要なインフラ投資額は約8兆ドル(約640兆円)に上ると言われています。

さてそのチャンスをどこの国が獲りに行くのか?まさに先進国同士での受注合戦が始まります。やはりここで目を離すことができないのはAIIBを設立した中国の動きです。

中国がAIIBを設立した目的は①周辺国のインフラを整備してあげることでエネルギーや食料を輸入しやすくするため②今までの輸出で稼いだ外貨を運用するため③人民元の国際化のため④インフラ輸出で稼ぐためです。

最近は中国がジャカルターバンドン間の高速鉄道計画を受注したことが話題になりましたが、今後そのような受注合戦はより激しくなるでしょう。日本政府もインフラ輸出にかなり注力していますが、ライバルはかなり強いですね。

2.借り手と貸し手は平行線・・・

資金の借り手と貸し手の間にある食い違いです。借りる側は主に途上国で、このパネル討論ではカンボジア、スリランカです。そういった国にとってインフラ整備は今すぐにでもしたいのです。渋滞や湾港不足がもたらす機会損失は計り知れないからです。

一方貸し手は、きちんと返済能力があるか、貸出先の財政状態を確認しなければなりませんし、そのインフラが本当に国の持続的成長に役立つのかも、じっくり考える必要があるのです・・・

マハティール 元マレーシア首相と渡辺園子モデレーターの対談

マレーシアのマハティール元首相

概要

アメリカ海軍と中国海軍が衝突する南シナ海問題に関しては、武力競争の懸念を示しました。オバマ大統領の広島訪問も高く評価し、戦争は撲滅すべきだという強いメッセージを残しました。「マレーシアは今でもルックイースト政策を意識しているのか?」というフロアからの質問に対して、「後発国が成功モデルを目指すことは重要で、日本はそれに相応しい。しかし全てを真似するのではなく、良い面だけ参考にして、悪い面は参考にしない」と答えました。

「90歳になっても仕事を元気に続ける秘訣はなにか?」というフロアからの質問に対しては「母からの教えで、おいしいものを食べても、肥満になるから食べ過ぎはよくない」「現役を引退しても頭や体を働かせ続けることが大切だ」と述べました。

感想

2日間の会議のなかで唯一フロアを笑わせていたのはマハティール元首相でした。最後に「食べ過ぎは良くない」と語るマハティール元首相には、祖父のような優しさや愛おしさを感じました。それは日本経済新聞社の太田氏も同感していたのではないでしょうか。

いかがでしたか?2日間に渡り深い議論が展開されただけあって、かなりハードな会議でした。課題もたくさんありますが、やはりアジアにはまだまだ “可能性”があるようです。

再度繰り返しますが、21世紀はアジアの時代です。そんな時代に、日本に生まれた私たちは幸せですね。

さあ、今、アジアへ出ていきましょう!

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