【新卒海外】「海外にいて、自分のアイデンティティを感じるのが好き」タイの日系警備会社にて営業を担当 齋藤奈々子さん

2016.03.16

高校時代にスタディツアーに参加したことからタイに興味を持ち、大学ではタイ語を専攻、チェンマイ大学に留学をされた齋藤さん。その後タイに就職することを決め、タイでの就職活動を開始。現在は日系の警備会社にて、営業として日々奮闘されている。就職活動の仕方から今後の夢まで、就職されて半年の等身大のお話を伺った。

《齋藤 奈々子さん》
神田外語大学卒業。チェンマイ大学に一年間、交換留学の経験あり。現在、日系の警備会社にて現地採用で営業員として働いている。趣味は、カフェで読書。夜は友達とご飯。旅行。

タイで感じたカルチャーショック。タイに絞った就職活動の仕方とは。

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—いつ頃からタイに興味を持ったのですか?

高校2年生のときに、友達に誘われてスタディーツアーでタイのチェンライ、チェンマイなどに行ったことがきっかけです。それが人生の分岐点で、本当にガラッと変わりましたね。はじめての海外だった分、カルチャーショックがとても大きかったんです。

高校卒業後は就職か進学か迷っていましたが、先生のアドバイスもあって学びたいことをやろうとタイ語を専攻することに決め、一番実績のある神田外語大学のタイ語学科に進みました。

高校生の時からタイで働いている先輩も見てきたので、いずれ自分も働くんだろうなと思っていましたね。

 

ータイで働くと決めてからの就職活動の仕方を教えてください。

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大学に入ってからは、3年のときにチェンマイ大学に留学しました。日本での就職経験もためにはなると思っていたんですが、留学をしてタイに住みたいという気持ちがさらに強まり、タイで就職活動することに決めました。

留学から帰国後、大学のキャリアセンターに行って、「タイで就職したい」と言ったら、キャリアセンターの人がわざわざタイまで足を運んで色々な方にコンタクトを取ってくれたんです。サポートしてもらった方がもともとタイに駐在されていた方で、コネクションも色々あったようです。

そのため私の場合人材会社は利用せず、キャリアセンターの紹介のみで就活を進めました。

面接はスカイプでもできますが、私は直接話したいと思いました。そこで、4年生の8月に就活のためにバンコクへ渡り、3社面接をしました。5日間の滞在。選考は非常にスムーズだったのを覚えています。

とにかく人が欲しいからか、こちらでの就職活動はそんなにカツカツしていないです。面接後「一、二週間後に返事をします」と言われていて、キャリアセンターを通じて結果を聞きました。

特に業種や業界にはこだわっていませんでした。本当に語学しかやってこなかったので、まず会社っていうものがどういうものか知りたいというのがありましたね。

仕事は目で見て覚える。雨の日も暑い日も、飛び込み営業!

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—具体的な仕事内容を教えてください。

警備会社にて、新規開拓の営業をしています。常駐警備サービス(いわゆる警備員)と機械警備サービス(センサーが異常を察知して警備隊がかけつける、というサービス)の提供、CCTVカメラシステムの販売やAED(自動体外式除細動器)の販売もしています。メインの商品が始まったのが最近なので、たくさんのお客様に利用していただきたいと思っています。

アポイントが入っていない日はすぐ外に出て、飛び込み営業をします。

セキュリティの商品を売っている会社なので、タイのローカルの宝石店など路面店にも営業に行きますし、オフィスビルに行ってしまって上から下まで全部回るとかもやっています。スーツで移動するので暑いですし、道も悪いので体力勝負ですね。

ただ、日本の飛び込み営業だと門前払いが多いですが、こちらでは親身に話を聞いてくれるケースが多いです。でも、営業をとること自体は相当難しいですね。10社行って、1社ぐらいの日本人のボスとお話しできるぐらい。今景気が悪いのもあって、成約をとるのはもっと大変です。

タイだとセキュリティという概念がなく、事件が発生してからどうにかするので、前もって保険をかけるような日本人の性格と全然違うんです。

 

ーなるほど。言語についてはどうですか?

私はタイ語ができますが、こちらで働くのに、英語もタイ語もしゃべれなくてはならないということはないです。言語ではなく、日本人が欲しいんですよね。

上司は仕事で忙しいので、指導みたいなものは一切なし。見て覚えるしかありませんでした。入社して1日目から、上司のアポイントに同行。いきなり外に出されます。

3ヶ月が試用期間で、4ヶ月目から独り立ち。営業の事務が資料を作ってくれるので、資料をどうにかするということはあまりないです。

取引先には工場も多いのですが、その時先輩方はバンコクの郊外、2、3時間かかるところまで自分たちで運転して行っています。私は運転免許がないので、現在はバンコク市内担当になっています。免許取れとずっと言われているんですが。(笑)

その他に、ちょっとした通訳をやることもあります。

オフォスのタイ人は20人くらいですが、警備員は570人くらいいて、入れ替わりも激しいです。弊社はこのようにタイ人の割合が多いので、日本人に対するワークパーミットに問題はありません。日本人は割合としては少なく、そのうち現地採用が総務1人、運用1人、技術1人、営業4人の全部で7人ですね。

 

日本よりも貯金できる!?タイでの生活、良かったことや苦労したこととは。

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—タイでの生活について教えてください。(お金、家、暮らし方、食、休日、ビザ)

新卒ですが、ワークパーミットは取れています。会社がエージェントに頼んで何から何までやってくれました。

基本的に食事はタイ料理を食べています。だから、食事面ではそんなにお金は使わないですね。娯楽には使うこともありますが、生活に使うお金はは全部含めても月約1万5000バーツ(約4万7000円)程度です。

住んでいるアパートは9500バーツ(約3万円)で、プールやジムは付いていないところです。

今は奨学金も返しながら、月1万5000バーツくらいは貯金できています。服もご飯も安いし、正直こっちの方が貯金できる気がしますね。

旅行は土日に泊まりで国内の島に行くなど、頻繁に行っています。タイは連休が多く感じて、ソンクラン休暇がある4月などはほとんど会社に行っていないんじゃないかと思います。(笑)

旅行には非常に行きやすいですね。有給は、1年目は6日取ることができます。人に恵まれている会社で、上司がとても優しいです。これからオーストラリアに行くのですが、それも有給を使って行きます。

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でも、弊社だと駐在員は長期休暇が全くなく、残業代も出ません。長期休暇にはお客さんが減って警備員がさぼってしまう恐れがあるので、駐在員が巡回しなければいけないのです。

駐在員だとお金はいいかもしれませんが、その分の責任があり、激務で日本からの重圧もあります。ちなみに現地採用でも営業には売った分だけコミッション(報奨金)があるので、残業代は出ないです。

バンコクをちょっと離れたら田舎で、海が好きなので快適な生活を送っています。

バンコクには日本人も多く、92年会という日本人の会もあります。駐在の子どもやプロゴルファーなど色々な方がいますが、92年生まれはまだ若いので、その中で会社で正社員として働いているのは私のみだと思います。

 

—海外就職して良かった、メリットだと思うことを教えてください。

自由であることと、タイが好きなのでタイに暮らせることです。

また、海外にいる日本人同士はつながりが深いので、色々なことを経験している様々な人のお話を聞けるということは大きいですね。

仕事面では1年目から大きいお客様も担当させてもらい、良い経験をさせてもらっているなと思います。

 

—逆に苦労したことはありますか?

日本での就職活動経験が全くないので、不安はあります。また、正直ほったらかしな面もあります。自分次第ですが、職種と部署をちゃんと選ばないと、いきなりタイで働いても自分のキャリアにならないですよね。

私の場合、営業は基本だと思っていて、経験としてやらせていただいています。

本当にばりばりキャリアを積みたいのなら、正直日本で働いた方が良いと思います。海外に来ても相手にしているのは日本の方なので、日本で働いているのと一緒。「なんでいきなり来たの?」となめられることもあり、日本でのビジネスの土台は必要だなと思います。

私は自分の選択に後悔していませんが、何を人生の重きにするのか次第で変わってくるでしょう。

 

今の状況に意味を見出せないなら、いつまでもそこにいる必要はない。

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—描いている今後のキャリアを教えてください。

ぼんやりとやりたいと思っているのは、NGO関連のことや、日本語の先生です。私が卒業した大学は日本語を教えるための授業が取れるのですが、当時多忙で取れなくて後悔していて。

時期は決めていないですが、日本語教師の勉強をしながらワーキングホリデーやインターン、オペアなどを経験してみたいです。

また色んな国の文化を知るのが好きなので国際関係学にも興味がありますね。

まだ若いので、少し踏み外しても、やることをやれば元に戻れると思っていて。自分がやりたいことをやりたいですね。

今のところ日本に戻る予定はないですが、決して日本が嫌いで出てきたのではなくて、日本も好き。私は海外にいて、自分のアイデンティティを感じるのが好きなんです。だから、そこをもっと突き詰めていきたいなと思っています。

 

—海外就職をしたいけれど、迷っている人に向けてメッセージをお願いします。

私は、やりたいことをやればいいと思う。でも、それには力も必要で、準備・努力が大事です。もしも日本に戻る予定があるなら、日本で一回働いた方が良いとは思います。

ただ、正直日本の文化は日本だけのものなので、世界に通用するわけではありません。それも踏まえて、何を目標としているのか、何がしたいのかによって、新卒で海外就職するのもありだと思います。

もし周りに反対されたとしても、その人の人生はその人のものであって、自分の人生は自分のもの。日本人には正直、「あれが正しい、これは間違っている」という固定概念が定着しすぎてしまっていると思います。

私の場合は家庭環境が複雑だったので、「生活に幸せがあれば良い」というのがベースなんです。努力する苦しい時間が必要なのも分かりますが、意味を見出せないならいつまでもそこにいる必要はない。もしも日本で就職して病んでいるなら、すぐ辞めてこっちにくればいいと思います。

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【編集後記】
インタビューをしているうちに、齋藤さんと自分が同い年であることが分かり驚いた。異国の地で奮闘されているからか、同い年とは思えないほどしっかりと自立され、芯を持たれているように思った。社会人になって半年の等身大のお話を伺いながら、私自身の半年後を思い描いた。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

山村 あおい

法政大学国際文化学部4年。2014年に休学、フィリピンのNPOとマレーシアのwebメディア企業にてインターンシップを経験。2015年12月、1ヶ月間でASEAN6カ国を回り、新卒で海外就職・起業をした日本人26名にインタビューを実行。新卒での海外就職を決意し、現在ASEANで絶賛求職中!